更年期
女性の一生の中で、月経が終わり、妊娠しなくなる時期を「更年期」といいます。
一般的には45?55歳ごろに迎えることが多く、日本でも同じくらいの年齢帯とされています。
この前後の時期には、ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)、動悸、不眠、気分の落ち込み、関節痛、倦怠感など、
心と体の両方にさまざまな変化が現れることがあります。
ここでは、更年期の原因と対策、更年期に関連して語られるサプリメント、
そしてサプリメント以外でできる予防・改善のポイントについてまとめます。
更年期の原因
更年期の中心にあるのは、卵巣機能の低下による女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の分泌低下です。
1)自然な加齢による卵巣機能の低下
- 卵巣には、生まれつき限られた数の卵胞(卵のもと)があり、年齢とともに減っていきます。
- 40代後半になると、卵胞の数が大きく減少し、排卵が不規則になり、月経周期も乱れやすくなります。
- この時期(閉経の前後数年間)を「更年期」「閉経移行期」と呼び、ホルモンの変動が大きいため、
ほてり・発汗・イライラ・不眠などの症状が出やすくなります。
2)手術や治療による卵巣機能の低下(手術・医原性の更年期)
- 両側の卵巣を摘出する手術を受けた場合、年齢にかかわらず女性ホルモンが急激に低下し、
閉経・更年期と同じ状態になります。 - 子宮の摘出(卵巣が残っている場合)では月経は止まりますが、卵巣機能が残っていれば、
女性ホルモンの分泌はしばらく続きます。 - がん治療で行う化学療法・放射線治療などが卵巣に影響し、
早期に更年期のような状態になることもあります。
3)その他の要因
- 喫煙は、閉経時期を早める可能性があるといわれています。
- 体質・家族歴(母親が早く閉経している など)も、更年期を迎える時期に関係すると考えられています。
更年期は「病気」ではなく、誰にでも起こる身体の自然な変化です。
ただし、人によって症状の程度や続く期間は大きく異なり、生活に支障が出るほどつらい場合もあります。
更年期の対策
更年期の対策は、(1)医師による評価・治療と (2)生活習慣の工夫 を組み合わせることが基本です。
1)婦人科・更年期外来での相談
- 月経異常(周期の乱れ・出血量の変化)、強いホットフラッシュ、動悸、不眠、気分の落ち込みなどが続く場合は、
早めに婦人科や更年期外来で相談することをおすすめします。 - 問診・血液検査(ホルモン・貧血・脂質・血糖など)・骨密度検査などにより、
更年期症状の程度や、骨粗しょう症・生活習慣病のリスクなどを評価します。
2)薬物療法(医師の管理のもとで)
- ホルモン補充療法(HRT)
不快な更年期症状が強い場合に、不足している女性ホルモンを補う治療が行われることがあります。
乳がん・血栓症などのリスクとのバランスを個別に検討する必要があり、
開始・中止・投与量の調整は必ず医師の指導のもとで行います。 - 漢方薬・その他の薬
のぼせ・冷え・不眠・イライラなどに対して、漢方薬や、抗うつ薬・睡眠薬・安定剤などの非ホルモン薬が
使用されることもあります(適応や種類は医師が判断します)。
3)こころのケア・周囲の理解
- ホルモンの変化に加え、仕事・家族・親の介護など人生の変化が重なる時期でもあります。
- 「自分だけがおかしい」のではなく、誰にでも起こり得る時期の変化だと理解することが、気持ちを楽にします。
- 家族に更年期について知ってもらい、孤立せずに相談できる環境を整えることも大切です。
- つらさが強く、うつ状態・不安が目立つときには、心療内科・精神科への相談も選択肢になります。
更年期に関するサプリメン
サプリメントは、更年期の症状を完全に治す「薬」ではありませんが、
体調管理や気になる症状のサポートを目的として利用されることがあります。
ただし、エビデンス(科学的根拠)の強さや安全性には限界があり、
持病や服用中の薬によっては飲み合わせに注意が必要です。
更年期との関連でよく名前が挙がる成分には次のようなものがあります。
- 大豆イソフラボン
女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きを持つ「植物エストロゲン」として知られ、
のぼせ・ホットフラッシュなどの軽減を目的に使われることがあります。
ただし、乳がん・子宮体がんなどホルモン感受性の腫瘍の既往がある方は、
サプリとして高容量を摂ることについて、必ず主治医に確認する必要があります。 - ブラックコホシュ・レッドクローバーなどのハーブ
更年期の不快症状に対するハーブサプリとして利用されることがありますが、
製品ごとの差が大きく、肝機能への影響や薬との相互作用も報告されています。
医師・薬剤師に相談のうえ、信頼できる情報と製品を選ぶことが大切です。 - カルシウム・ビタミンD・マグネシウム
更年期以降は骨量の低下(骨粗しょう症)が進みやすいため、
食事で不足しがちな場合に、骨の健康をサポートする目的で利用されることがあります。 - ビタミンB群・ビタミンEなど
エネルギー代謝や血流サポートを意識して配合されることがあり、
疲労感や手足の冷えが気になる方に選ばれるケースもあります。
サプリメント利用時の注意点:
- サプリメントはあくまで「補助的」な位置づけで、治療の代わりにはなりません。
- ホルモン系に関わる成分(イソフラボン・一部のハーブなど)は、
人によっては婦人科疾患や薬との相互作用に注意が必要です。 - 持病がある方・薬を飲んでいる方・がん治療中/治療後の方は、
新しいサプリを始める前に必ず主治医・薬剤師に相談してください。
当サイトの「サプリメント事典」では、更年期と関連の深い
大豆イソフラボン・カルシウム・ビタミンD・ビタミンB群・プラセンタ・ブラックコホシュ・レッドクローバーなどについても
個別に解説していますので、そちらも参考にしてください。
更年期障害のサプリメント
サプリメント以外での予防・改善
更年期を少しでも楽に過ごすためには、サプリメントよりもまず、
生活習慣・体の使い方・こころのケアが重要になります。
1)食生活の見直し
- カルシウム・ビタミンD・たんぱく質を十分にとれるよう、
牛乳・乳製品・小魚・大豆製品・卵・魚・きのこ・緑黄色野菜などを意識して取り入れましょう。 - 塩分・脂質・糖質のとり過ぎは、高血圧・脂質異常症・糖尿病などのリスクを高めます。
更年期以降は生活習慣病が増えやすい時期でもあるため、バランスのよい食事が大切です。 - アルコール・甘い飲み物はほどほどにし、水やお茶でこまめに水分補給しましょう。
2)適度な運動
- ウォーキング・軽いジョギング・水中運動・ストレッチ・ヨガなど、
「少し息が弾む程度」の有酸素運動を週に数回続けることが勧められます。 - 筋トレ(スクワット・かかと上げなど)を少しずつ取り入れると、
骨や筋肉の強化・転倒予防・体重管理にも役立ちます。 - 体調に合わせて負担にならない範囲で始め、長く続けられるペースを見つけることがポイントです。
3)睡眠とストレスケア
- ホットフラッシュや夜間の発汗、不安感などで睡眠が浅くなりやすい時期です。
- 寝る前のスマホ・カフェイン・アルコールを控え、
ぬるめの入浴・軽いストレッチ・深呼吸などで心身を落ち着かせる習慣を作りましょう。 - 趣味・友人との会話・地域活動などを通じて、「一人で抱え込まない」環境を持つことも大事です。
4)喫煙・過度な飲酒の見直し
- 喫煙は、更年期症状を悪化させるだけでなく、骨粗しょう症・心血管疾患・がんなどのリスクを高めます。
- 禁煙に取り組むことで、長期的な健康リスクが大きく下がります。
- アルコールは「ほどほど」を心がけ、休肝日を作るようにしましょう。
5)定期的な健康チェック
- 更年期は、骨粗しょう症・脂質異常症・高血圧・糖尿病などが出やすくなる時期です。
- 年に一度の健康診断や人間ドックに加え、必要に応じて骨密度検査・乳がん・子宮がん検診なども受けましょう。
更年期は、誰にとっても通過点ですが、症状の出方や感じ方は人それぞれです。
「年齢のせいだから我慢するしかない」と諦めるのではなく、
婦人科・更年期外来などの専門家と相談しながら、自分に合った対策を少しずつ整えていくことが大切です。
サプリメントはあくまで補助と考え、食事・運動・睡眠・こころのケア・医師の診察を土台に、
無理のないペースで更年期と付き合っていきましょう。
スポンサードリンク
関連情報
- 精力減退
- 勃起不全(ED)治療薬「レビトラ錠」と「シアリス錠」
- 「男性ホルモン」の低下による男性更年期障害「LOH症候群」
- 骨粗しょう症の治療薬「塩酸ラロキシフェン」「ビスフォスフォネート製剤」
- 骨粗しょう症の背骨骨折治療「経皮的椎体形成術」
- 更年期による女性の薄毛脱毛にたいする治療法
- 若い女性の脱毛薄毛にたいする発毛育毛治療
- 女性の円形脱毛症にたいする治療
- 尿漏れをともなう「性器脱」の治療
- 更年期障害のホルモン補充療法(HRT)
- 性器ヘルペスの再発減らす抑制療法
- 子宮筋腫の集束超音波治療
- 子宮筋腫のマイクロ波治療
- 子宮内膜症のロイコトリエン拮抗薬(きっこうやく)を使った治療法
- 子宮内膜症の新治療薬「ルナベル」と「ディナゲスト」
- 不妊症の卵管鏡下卵管形成術
- 不妊治療の胚盤胞移植(はいばいほういしょく)
- おとなしい性質の「非浸潤性乳管がん」
- 卵巣がんの新治療薬「ドキシル」(一般名ドキソルビシン塩酸塩)
スポンサードリンク