サプリメント事典

-レスベラトロール-

レスベラトロールと血管・心臓・脳の健康

レスベラトロールとは

レスベラトロールは、ぶどうの皮や赤ワイン、落花生、いくつかのベリー類などに含まれる ポリフェノールの一種です。

抗酸化作用や抗炎症作用を持つことから、 「フレンチパラドックス(ワインを飲むフランス人で心臓病が少ない)」との関連や、 「長寿遺伝子(サーチュイン)」との関係が話題になり、健康食品・サプリメントとして広く販売されるようになりました。


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体の中での主なはたらき(と考えられていること)

  • 強い抗酸化作用により、細胞や血管を酸化ストレスから守る可能性
  • 抗炎症作用により、慢性的な炎症をやわらげる方向に働く可能性
  • 血管内皮(血管の内側の細胞)の機能を保つのを助ける可能性
  • 一部の実験で、サーチュインなどの「長寿関連遺伝子」を活性化する可能性

これらの作用を通じて、 動脈硬化・心臓病・脳卒中などのリスクを少し下げるのではないか と期待されていますが、ヒトでのデータはまだ「可能性レベル」のものが多く、 決定的な結論には至っていません。


レスベラトロールと心臓病(虚血性心疾患)

心臓の血管(冠動脈)は、LDLコレステロールの酸化や慢性的な炎症によって傷つき、 動脈硬化が進むことで、狭心症や心筋梗塞を起こしやすくなります。

レスベラトロールについては、

  • LDLコレステロールの酸化を抑える可能性
  • 血管内皮の機能を保ち、血管をしなやかに保つ方向の作用
  • 血小板の凝集(血が固まりやすくなること)を少し抑える可能性

といった点が報告されており、 心臓病のリスクをわずかに下げる方向に働く可能性があります。

ただし、

  • ヒトでの臨床試験はまだ規模が小さいものが多い
  • 赤ワインだけに特別な効果があるわけではなく、「飲酒量が増えるリスク」の方が大きい

ことから、レスベラトロールだけに期待して「食事や薬はそのまま」という使い方はおすすめできません。

心臓病とのつき合い方のポイント

  • 禁煙、血圧・脂質・血糖のコントロール、減量、運動が土台
  • その上で、レスベラトロールを「血管を守る抗酸化成分のひとつ」として追加するイメージ
  • 心筋梗塞・狭心症の治療薬や血液サラサラの薬の代わりにはならない

レスベラトロールと脳卒中(脳血管障害)

脳卒中の多くは、

  • 脳の血管が詰まる「脳梗塞」
  • 脳の血管が破れて出血する「脳出血・くも膜下出血」

ですが、その背景にはやはり高血圧や動脈硬化が関わっています。

レスベラトロールについての研究では、

  • 脳の血流を保つ方向に働いたという報告
  • 動脈硬化や炎症を抑え、脳血管を保護した可能性を示す動物実験

などがありますが、ヒトでの大規模な予防・再発予防試験はまだ十分とは言えません。

脳卒中との関係で注意したい点

  • レスベラトロールには、血小板の凝集を抑える方向の作用が報告されています。
  • そのため、アスピリンなどの抗血小板薬や、ワルファリン・DOACなどの抗凝固薬と併用する場合、出血リスクが高まる可能性があります。
  • 脳出血やくも膜下出血を起こしたことがある方は、自己判断での使用は避け、必ず主治医に相談してください。

レスベラトロールと動脈硬化

動脈硬化は、

  • LDLコレステロールの酸化
  • 血管内皮の障害
  • 慢性的な炎症

などが重なって進行すると考えられています。

レスベラトロールは、

  • LDLコレステロールの酸化を抑える抗酸化作用
  • 血管内皮の機能を守る作用
  • 炎症をやわらげる作用

などを通じて、 動脈硬化の進行をわずかにゆるやかにする可能性が検討されています。

ただし、現在のところ、

  • 「レスベラトロールを飲んだ人だけ、動脈硬化や心血管イベントが大幅に減った」といった決定的なデータはありません。
  • 多くの専門家は、「あくまで生活習慣・薬物療法の補助的な位置づけ」と評価しています。

一般的な摂取量の目安

レスベラトロールのサプリメントでは、1日あたり数mg?数十mg程度を目安とした製品が多く、 「赤ワイン数杯分に相当」などと書かれているものもあります。

しかし、どのくらいの量が「最も安全で、かつ効果的か」については、 まだはっきりした結論は出ていません。

目安としては、

  • 商品ラベルの範囲内にとどめる
  • 自己判断で、表示量を大きく超える高用量を長期間続けない

ことが大切です。


レスベラトロールを多く含む食品

  • ぶどう(特に皮の部分の濃い色の品種)
  • 赤ワイン(ただし、アルコールの害に注意)
  • ブルーベリーなど一部のベリー類
  • 落花生 など

赤ワインにはレスベラトロールが含まれますが、

  • アルコールには、血圧上昇・肝障害・がんリスク増加などのデメリットもある
  • 「ワインを増やせば増やすほど健康に良い」というわけではない

ため、レスベラトロール目的で飲酒量を増やすことはおすすめできません。

サプリメントを利用する場合は、アルコールなしで成分だけをとれるというメリットもあります。


主な副作用・注意点

  • 胃の不快感、下痢、吐き気などの消化器症状
  • 頭痛、めまい、皮膚のかゆみなど
  • 血小板の凝集を抑える方向に働くため、出血傾向の増加(あざができやすい、鼻血が止まりにくいなど)の可能性

次のような方は、特に注意が必要です。

  • 抗血小板薬(アスピリンなど)や抗凝固薬(ワルファリン、DOAC)を服用中の方
  • 過去に脳出血や消化管出血を起こしたことがある方
  • 肝臓病や重い腎臓病のある方

とり入れるときのポイント

  1. まずは「生活習慣+医師の治療」が優先

    禁煙、血圧・脂質・血糖のコントロール、減量、運動、食事の見直しなど、 心臓・脳・血管の病気では、まずこれらが土台になります。

  2. サプリは「抗酸化成分を補う+α」と考える

    レスベラトロールは、ビタミンCやE、他のポリフェノールなどと合わせて、 血管を守る成分のひとつとして位置づけるのが現実的です。

  3. 薬との飲み合わせは必ず主治医・薬剤師に相談

    とくに心臓病・脳卒中の治療薬を飲んでいる方は、 出血リスクを高めないためにも、自己判断での併用は避けてください。

  4. 体調の変化があれば中止して受診

    強いだるさ、黄疸、息切れ、動悸、原因不明のあざや出血などがあれば、 サプリの使用を中止し、医療機関を受診してください。


この記事の位置づけについて

このページは、心臓病(虚血性心疾患)、脳卒中(脳血管障害)、動脈硬化などが気になる方に向けて、 レスベラトロールの特徴と注意点を整理したものです。

  • 特定のサプリメント製品や治療法をすすめるものではありません。
  • 診断・治療・サプリの利用については、必ず主治医・薬剤師に相談してください。

参考文献・参考サイト

  • レスベラトロールと心血管疾患リスクに関する臨床試験・メタ解析
  • レスベラトロールの抗酸化・抗炎症作用や血管内皮機能への影響をまとめた総説論文
  • 赤ワイン摂取と心血管疾患リスクに関する疫学研究(いわゆる「フレンチパラドックス」)

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