脳腫瘍(しゅよう)の「覚醒手術」
覚醒手術とは
覚醒手術(awaken craniotomy)は、手術の一部の時間に患者さんが覚醒した状態で行う脳手術です。
特に、言語・運動・感覚など重要な機能をつかさどる領域に近い脳腫瘍の手術で用いられます。
患者さんに実際に話してもらったり、手足を動かしてもらったりしながら、脳の機能を確認し、
できるだけ多く腫瘍を取りつつ、後遺症を最小限に抑えることが目的です。
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なぜ「起きた状態」で手術するのか
脳には、言葉・運動・視覚などを担う重要な機能が集中している部分があります。
腫瘍がこうした領域の近くにある場合、どこまで安全に切除できるかをリアルタイムで確かめる必要があります。
覚醒手術では、脳表面を軽く電気で刺激しながら、
- 患者さんに話してもらう・物の名前を言ってもらう
- 手足を動かしてもらう
- 図形や文字を見てもらう
といったテストを行い、その部分がどの機能に関わっているかを確認しながら腫瘍を削っていきます。
手術の流れ(イメージ)
施設によって異なりますが、おおまかな流れは次のようになります。
- 最初は全身麻酔で眠った状態で頭蓋骨を開ける
- 腫瘍周辺を露出したあと、麻酔の深さを調整し患者さんを起こす
- 言語や運動のテストをしながら、腫瘍の切除を進める
- 必要な部分の切除が終わったら再び麻酔を深くして眠ってもらい、頭蓋骨を閉じる
期待されるメリットと注意点
- 重要な機能を守りながら腫瘍をより広く切除できる可能性がある
- 術後の言語障害や麻痺のリスクを減らすことが期待される
- 一方で、患者さんにとって精神的な負担が大きい手術であり、
術前に丁寧な説明とトレーニングが必要 - 全身状態や理解力・協力が得られない場合には、適応にならないこともある
この記事の位置づけ
このページは、脳腫瘍に対する覚醒手術の概要と目的を紹介したものです。
どのような手術方法が適しているかは、
- 腫瘍の種類・位置・大きさ
- 患者さんの年齢・全身状態
- 希望する生活の質や仕事の内容
などをふまえて、脳神経外科の専門医と十分に話し合って決めていくことが大切です。
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関係医療機関
東京女子医大脳神経外科
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