手術による「てんかん」治療
てんかんと薬物治療
てんかんは、脳の神経細胞が一時的に過剰に興奮することで、けいれんや意識消失などの発作をくり返す病気です。
多くの方は抗てんかん薬の内服によって発作をコントロールできますが、
およそ3分の1の患者さんでは、薬を十分に使っても発作が抑えきれません(薬剤抵抗性てんかん)。
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手術治療が検討されるケース
薬を適切に使っても発作が続く場合、てんかん外科手術が選択肢になります。
特に、
- 発作の「出発点(てんかん焦点)」が脳の限られた範囲にある
- その部位を切除しても、言語・記憶・運動など重要な機能への影響が少ないと判断される
場合に、手術によって発作が大きく減る・完全に止まる可能性があります。
術前評価(精密検査)の流れ
手術適応を判断するために、専門施設では次のような検査が行われます。
- 長時間ビデオ脳波検査:発作時の脳波と症状を同時に記録し、焦点を推定
- MRI・機能画像(PET・SPECTなど):脳の構造や代謝の異常を調べる
- 神経心理検査:記憶や言語などの機能を評価
- 必要に応じて、頭の中に電極を入れて行う侵襲的脳波検査
これらを総合して、手術の効果とリスクを慎重に検討します。
主な手術の種類
- 焦点切除術:発作の焦点となっている脳の一部を切除する(例:側頭葉てんかんの前側頭葉切除など)
- 病変切除術:腫瘍・海馬硬化・皮質形成異常など、原因となる病変を切除
- 離断術:焦点は残したまま、発作が脳全体に広がらないようにする(脳梁離断術など)
これに加えて、最近では 迷走神経刺激療法(VNS)や脳深部刺激療法(DBS)、反応性神経刺激装置など、 「発作を完全になくすことが難しい場合の補助的な治療」も用いられています。
期待される効果とリスク
適切な症例では、手術により
- 発作が完全になくなる、または大幅に減る
- 薬の量を減らせる、種類を減らせる
- ケガや突然死のリスクが減り、仕事・学業・生活の自由度が高まる
といったメリットが期待されます。
一方で、脳の手術である以上、
- 麻痺・言語障害・記憶障害などの神経学的後遺症
- 出血・感染
などのリスクもあります。
この記事の位置づけ
このページは、薬で発作が抑えきれないてんかんに対する外科治療の考え方を整理したものです。
手術が適しているかどうかは、一般の病院だけでは判断が難しいことも多いため、
必要に応じててんかん専門外来・てんかんセンターへの紹介を受け、じっくり相談することが大切です。
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関係医療機関
国立精神・神経センター武蔵病院
関連サイト
日本神経学会
日本てんかん学会
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