EPA(IPA)・DHAと物忘れ
EPA・DHAとは
EPAやDHAは、青魚の油に多く含まれるオメガ3脂肪酸です。 魚油サプリメントとしてもよく知られており、心臓・血管の健康や中性脂肪の改善を目的に使われています。
サプリメントによっては、EPAを「IPA」と表記しているものもありますが、 ここではまとめて「EPA」として扱います。
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脳・神経での主なはたらき
- DHAは脳の細胞膜の大切な成分で、神経細胞のはたらきを支える
- EPA・DHAは、炎症をおさえる方向に働く
- 血液をサラサラにし、脳の血流を良くする方向に働く
EPA・DHAと物忘れ・認知症の研究
観察研究では、
- 魚をよく食べる人ほど、認知機能の低下や認知症のリスクが低い傾向がある
といった結果が報告されています。 一方で、EPA・DHAサプリメントを使った臨床試験では、
- 認知症になる前の人では、物忘れや認知機能の低下をゆるやかにする可能性がある
- すでにアルツハイマー型認知症になった人では、はっきりした改善効果が見られない試験も多い
など、結果は「一部にはプラスの可能性があるが、決定打とは言えない」という段階です。
試してみる前に知っておきたいポイント
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魚を食べる習慣がない人には候補のひとつ
魚が苦手でほとんど食べない人では、EPA・DHAが不足しやすく、 サプリで補う意味がある場合もあります。 -
血液をサラサラにする薬との併用に注意
抗血小板薬(アスピリンなど)や抗凝固薬(ワルファリン、DOACなど)を服用中の方は、 出血リスクが高まる可能性があるため、必ず主治医に相談してください。 -
「飲めば物忘れが治る」わけではない
物忘れの予防・進行をゆるやかにする可能性はあっても、 すでにある症状が劇的に改善するような「特効薬」ではありません。
一般的な摂取量の目安
サプリメントでは、EPA+DHAとして1日合計250~1,000mg程度を目安とした製品が多く、 心臓病などの治療に使う場合は、医師の管理のもとでもう少し多い量が使われることもあります。
青魚(サバ、イワシ、サンマなど)を週に2回以上食べる習慣でも、かなりの量をとることができます。
主な副作用・注意点
- 胃のムカつき、魚臭さ(ゲップなど)、下痢
- 出血傾向の増加(あざができやすい、鼻血が止まりにくいなど)の可能性
- 高用量では、LDLコレステロールの上昇が問題になることもある
とり入れるときのポイント
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まずは食事から魚を増やすことが基本
サバやイワシ、サンマなどの青魚を週に数回取り入れるだけでも、EPA・DHAを自然な形で増やせます。
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サプリは「不足の補い」と考える
どうしても魚が食べられない場合や、医師にすすめられた場合に、必要量を補う目的で検討します。
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物忘れが気になり始めたら、まずは受診を
サプリだけに頼るのではなく、もの忘れ外来やかかりつけ医で、一度きちんと相談することが大切です。
この記事の位置づけについて
このページは、物忘れや認知症が気になる方に向けて、 EPA(IPA)・DHAの役割と注意点を整理したものです。
- 特定の商品や治療法をすすめるものではありません。
- 診断・治療・サプリの利用については、必ず医師・薬剤師に相談してください。
参考文献・参考サイト
- オメガ3脂肪酸摂取と認知症・認知機能低下リスクに関する疫学研究・メタ解析
- EPA・DHAサプリメントと軽度認知障害・認知症患者を対象としたランダム化比較試験
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