レシチンと高血圧
レシチンとは
レシチンは、リン脂質の一種で、細胞膜の重要な構成成分です。 一般には、ホスファチジルコリンを中心としたリン脂質の混合物を「レシチン」と呼ぶことが多く、 大豆レシチン、卵黄レシチンなどがサプリメントや食品添加物として広く利用されています。
脂質の乳化(油と水を混ざりやすくする)に関わるため、 チョコレートやマーガリンなどの加工食品にも使われています。
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体の中での主なはたらき
- 細胞膜の材料として、全身の細胞の形や機能を保つ
- 脂肪やコレステロールの輸送・代謝に関わる(リポタンパク質の構成成分)
- 脳や神経の構造・機能に関与する
- 胆汁酸とともに、脂肪の消化・吸収を助ける
レシチンと高血圧・脂質異常の関係
レシチンは、主に脂質代謝やコレステロールとの関係で研究されてきました。 一部の研究では、大豆レシチンなどを一定量摂取することで、
- 総コレステロール値やLDLコレステロール(悪玉)の軽度の低下
- HDLコレステロール(善玉)の改善
などが報告された例もあります。 脂質異常症(高コレステロール血症)は動脈硬化や高血圧の悪化要因の一つのため、 理屈の上では、レシチンによる脂質改善が血管・血圧に良い影響を与える可能性はあります。
しかし、
- 血圧そのものを大きく下げる「決定的な」エビデンスは乏しい
- 研究規模が小さいものが多く、結果も一貫していない
といった点から、現時点では「血圧を直接下げるサプリ」と位置づけることは難しいのが実情です。
試してみる前に知っておきたいポイント
-
レシチン=コレステロールを必ず下げる、ではない
効果が見られる場合もあれば、明確な変化が出ない場合もあり、個人差が大きいと考えられます。 -
高血圧薬の代わりにはならない
レシチンを摂取しているからといって、降圧薬を自己判断で中止・減量するのは危険です。 -
脂質異常症の治療薬(スタチンなど)の代替にはならない
コレステロールをしっかり下げる必要がある場合、医師の処方薬が基本になります。
一般的な摂取量の目安
市販のレシチンサプリでは、1日あたり1,000~3,000mg程度を目安とする製品が多く、 大豆レシチンや卵黄レシチンとしてカプセル・顆粒などの形で販売されています。
食品としては、大豆製品、卵黄、ナッツ類などを食べることで、自然な形でレシチンをとることができます。
主な副作用・注意点
- お腹の張り、下痢、吐き気などの消化器症状(高用量の場合など)
- 大豆アレルギー・卵アレルギーがある人は、由来原料に注意
- 脂質を含むため、カロリーのとり過ぎにつながる可能性
一般的には比較的安全性は高いとされていますが、体質や持病によっては注意が必要です。
とり入れるときのポイント
-
まずは食事の脂質バランスを見直す
飽和脂肪酸(動物性脂肪)を控え、魚の脂・オリーブオイル・ナッツなどを増やすことが、血圧や動脈硬化対策の基本です。
-
レシチンはあくまで「プラスアルファ」
食事・運動・減量・禁煙・適切な薬物療法が土台であり、レシチンはその上にのる補助的な選択肢と考えるのが現実的です。
-
大豆・卵アレルギーの有無を確認する
レシチンの原料として多いのは大豆と卵です。アレルギーのある方は必ず表示を確認してください。
この記事の位置づけについて
このページは、高血圧や脂質異常症が気になる方に向けて、 レシチン(大豆レシチン・卵黄レシチンなど)の役割と注意点を整理したものです。
- 特定のサプリや食品をすすめるものではありません。
- 診断・治療・サプリの利用については、必ず主治医・薬剤師に相談してください。
参考文献・参考サイト
- レシチン摂取と血中脂質・コレステロールに関する臨床研究
- 動脈硬化・脂質異常症の栄養療法に関するガイドライン・総説
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