脂肪を使った新しい「乳房再建法」
乳房再建の選択肢
乳がんの手術で乳房の一部または全部を切除した後、乳房の形を取り戻す「乳房再建」を希望される方が増えています。
従来の再建法は大きく分けて、
- シリコンインプラント(人工物)を用いた再建
- 背中やお腹などから筋肉や皮膚を移植する自家組織(皮弁)による再建
が中心でしたが、近年は自分の脂肪を利用する再建方法も行われるようになってきました。
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脂肪注入による乳房再建の仕組み
脂肪を使った再建は、一般に脂肪注入(脂肪移植)と呼ばれます。
- お腹・太もも・お尻などから脂肪吸引で脂肪を採取する
- 採取した脂肪を処理し、生着しやすい脂肪細胞を選別する
- 乳房部分の皮下に、少量ずつ何か所にも分けて注入する
これを数回に分けて繰り返すことで、少しずつボリュームを増やし、左右差の調整や形の修正を行います。
特徴とメリット
- シリコンインプラントとは異なり、異物を体内に残さない
- 自分の脂肪なので、触り心地が自然になりやすい
- 脂肪を採取した部位(お腹・太ももなど)は、部分的な「痩身効果」もある
- 部分切除後のへこみの修正(ボリューム補正)にも応用できる
注意点・限界
- 注入した脂肪の一部は吸収されてしまうため、希望の形に近づけるには複数回の治療が必要なことが多い
- 脂肪の一部がしこり(脂肪壊死)として残ることがあり、マンモグラフィやエコーで乳がんの再発と見分けが必要になる
- 放射線治療を受けた乳房では、脂肪の生着が悪くなる可能性がある
- 全切除後に大きな乳房を一度に再建するには限界があり、他の再建法と組み合わせることもある
誰に向いている治療か
脂肪注入による乳房再建は、特に次のような方で検討されることがあります。
- 部分切除後のへこみや左右差を自然に整えたい人
- インプラントを使わず、自分の組織で再建したい人
- お腹・太ももなどに十分な脂肪がある人
この記事の位置づけ
このページは、脂肪を使った乳房再建の基本的なしくみと特徴を紹介したものです。
実際の治療方法は、
- 乳がんの治療歴(手術・放射線・抗がん剤など)
- 再発リスクや全身状態
- 希望するサイズ・形
によって大きく変わります。
乳腺外科・形成外科の専門医とよく相談し、自分に合った再建方法を一緒に検討していくことが大切です。
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関係医療機関
蘇春堂形成外科(札幌市) 電話 011-222-7681
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