脳卒中の新しいリハビリ法「CI療法」
CI療法とは
CI療法(Constraint-Induced Movement Therapy:拘束誘発運動療法)は、
脳卒中の後遺症で片方の手足が動かしにくくなった患者さんを対象とした、
集中的なリハビリテーションの方法です。
「よく動く側の手足」をあえて制限し、麻痺側の手足を集中的に使う練習を行うことで、
脳の可塑性(脳が変化・再編成する力)を引き出し、使われなくなっていた機能を取り戻すことを目指します。
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なぜ「拘束」するのか
脳卒中のあと、人はどうしても動かしやすい側ばかり使う生活パターンになりがちです。
この状態が続くと、麻痺側の手足はますます使われなくなり、「学習された不使用」と呼ばれる悪循環に陥ります。
CI療法では、動く側の手や腕をミトンやスリングなどで一時的に拘束し、
日常動作や課題を麻痺側で集中的に行うことで、この悪循環を断ち切ろうとします。
具体的な進め方
施設やプログラムにより細かな内容は異なりますが、典型的には次のように行われます。
- 1日数時間、麻痺側の上肢を使った課題練習を集中的に行う
- これを2?3週間程度続ける短期集中プログラムが用いられることが多い
- 日常生活でも、できる範囲で麻痺側を積極的に使うように指導する
課題は、コップをつかむ・ボタンを留める・タオルを絞るなど、実際の生活に近い動作が中心です。
適応となる患者さん
CI療法は、すべての脳卒中患者さんに向いているわけではありません。一般的には、
- 麻痺側の手・腕にある程度の自発的な動きが残っている
- 集中してリハビリに取り組めるだけの体力と理解力がある
- 心臓病や関節の重い障害など、過度の負荷が問題にならない
といった条件を満たす方で検討されます。
期待される効果と注意点
- 麻痺側の手・腕の器用さ・スピード・使用頻度の向上
- 「日常生活で麻痺側を使う習慣」がつきやすくなり、生活の質が上がる可能性
- 一方で、かなり集中的で疲れやすいリハビリであり、負担が大きいと感じる人もいる
- 肩関節などに痛みがある場合には、無理な負荷をかけない調整が必要
この記事の位置づけ
このページは、脳卒中後の上肢麻痺に対するCI療法の基本的な考え方と特徴を紹介したものです。
実際にCI療法が適しているかどうかは、リハビリ専門医や理学療法士・作業療法士と相談し、
現在の麻痺の状態や生活環境、体力などをふまえて検討することが大切です。
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