心的外傷後ストレス障害(PTSD)に有効な「眼球運動による脱感作と再処理治療」
PTSDとは
心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、事故・災害・暴力・虐待・戦争体験など、
強いショック体験(トラウマ)をきっかけに生じる心の病気です。
- つらい記憶が何度もよみがえる(フラッシュバック)
- 悪夢、突然の動悸・発汗、強い不安
- トラウマを思い出す場所・人・話題を極端に避ける
- 気分の落ち込み、怒りっぽさ、集中困難
などの症状が続き、日常生活に大きな支障が出てしまいます。
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眼球運動による脱感作と再処理(EMDR)とは
EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理)は、
PTSDなどのトラウマ関連障害に対する心理療法の一つです。
トラウマ記憶を安全な環境で想起しながら、
左右に動く指先・光・音などに合わせて眼球を動かしたり、左右交互の刺激を受けることで、
脳がその記憶を「処理し直す」プロセスをうながそうとする治療です。
治療の大まかな流れ
EMDRは、訓練を受けた専門家によって次のようなステップで行われます。
- 今の状態の評価と、安心して治療に取り組むための準備(リラクゼーション技法の練習など)
- 取り扱うトラウマ記憶や、関連するイメージ・感情・身体感覚を整理する
- トラウマ記憶を想起しながら、眼球運動や左右交互の刺激を繰り返す
- 記憶に伴う苦痛が弱まってきたら、より適切で現実的な考え方を取り入れていく
1回のセッションはおおむね数十分?1時間程度で、
症状やトラウマの内容によって複数回のセッションが必要になります。
期待される効果と注意点
- トラウマ記憶を思い出したときの強い恐怖・苦痛が徐々に弱まることが期待される
- 「自分は無力だ」「全部自分のせいだ」といった否定的な自己イメージが和らぐ可能性
- 一方で、治療の過程で一時的に気持ちが不安定になることもあるため、
セラピストと相談しながらペースを調整することが大切
安全に受けるために
- EMDRは、専門的なトレーニングを受けた医師・臨床心理士・カウンセラーが行うべき治療です
- うつ病・パニック障害・解離症状など、他の精神疾患を合併している場合も多いため、
薬物療法や他の心理療法と組み合わせた総合的な治療が必要になることがあります - 自己流でつらい記憶を何度も思い出すのは、かえって症状を悪化させる恐れがあるため、
必ず専門家の指導のもとで行うことが重要です
この記事の位置づけ
このページは、PTSDなどのトラウマに対して用いられるEMDR(眼球運動による脱感作と再処理)の概要を紹介したものです。
つらい体験の後、長く心身の不調が続いていると感じたら、
心療内科・精神科・トラウマ外来などの専門医療機関で相談し、自分に合った治療を一緒に考えていくことが大切です。
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