双胎間輸血症候群のレーザー治療(胎児治療)
双胎間輸血症候群とは
双胎間輸血症候群(TTTS)は、一つの胎盤を共有する一卵性双生児(単絨毛膜双胎)で起こる合併症です。
胎盤の血管が異常につながっているため、一方の胎児(供血児)からもう一方(受血児)へ
一方的に血液が流れ続ける状態になります。
- 供血児:血液が減り、羊水が少ない、発育不良など
- 受血児:血液が多すぎて心不全や羊水過多になりやすい
放置すると両方の胎児が命の危険にさらされる可能性があり、早期発見と専門的な治療が重要です。
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レーザー治療(胎盤血管レーザー凝固術)のしくみ
双胎間輸血症候群に対する標準的な胎児治療の一つが、 胎盤血管レーザー凝固術(fetoscopic laser photocoagulation)です。
- 妊婦さんのお腹に小さな穴をあけ、子宮内へ細い内視鏡(胎児鏡)を挿入する
- 羊水の中で胎盤表面を観察し、二人の胎児の血管同士がつながっている部分を確認する
- レーザーでその血管を焼き切り、異常な血の流れを断つ
これにより、供血児と受血児の血流バランスを整え、両児の生存率を高めることが期待されます。
治療の対象・タイミング
レーザー治療の適応は、妊娠週数や症状の重さによって決まります。
一般的には、
- 単絨毛膜双胎であること
- 羊水量や胎児の状態から双胎間輸血症候群のステージ(重症度)が一定以上と判断されること
- 妊娠中期(多くは16?26週ごろ)
などが目安とされ、胎児治療を専門に行う施設で検討されます。
期待される効果とリスク
レーザー治療は、従来の羊水除去のみと比べて生存率を改善し、長期的な後遺症のリスクを減らすと報告されています。
一方で、
- 破水・早産
- 胎児の死亡や神経学的後遺症
- 母体の出血・感染
などのリスクもあり、十分な説明と同意が不可欠です。
この記事の位置づけ
このページは、双胎間輸血症候群に対するレーザー治療(胎盤血管レーザー凝固術)の概要を紹介したものです。
実際の治療方針は、超音波検査や母体・胎児の状態をふまえ、
周産期センターや胎児治療の専門施設と相談しながら決めていく必要があります。
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関係医療機関
国立成育医療センター
国立循環器病センター(大阪府吹田市)
日本胎児治療学会
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