骨粗しょう症
骨粗しょう症は、骨の量(骨量)が減り、骨の中がスカスカになってもろくなる状態をいいます。
転倒などの軽い衝撃でも骨折しやすくなることが大きな問題で、
特に背骨(脊椎)、大腿骨の付け根(大腿骨頚部)、手首(橈骨)などの骨折は、寝たきりや要介護の原因になることがあります。
ここでは、骨粗しょう症の原因・対策・サプリメントとの関係、
そして日常生活でできる予防・改善についてまとめます。
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骨粗しょう症の原因
骨は「固い棒」のように見えますが、実際には常に新陳代謝を繰り返している生きた組織です。
古い骨を壊す「骨吸収」と、新しい骨を作る「骨形成」がバランスよく進むことで、
骨の丈夫さが保たれています。
骨粗しょう症では、このバランスが崩れ、骨量が減って骨がもろくなります。主な要因は次のとおりです。
1)加齢と閉経(女性ホルモンの低下)
- 加齢
年齢とともに、骨形成のスピードが遅くなり、
骨量は40歳前後をピークに徐々に減少していきます。 - 閉経後の女性ホルモン低下
女性では、閉経に伴いエストロゲン(女性ホルモン)が急激に減少します。
エストロゲンには骨の減少を抑える働きがあるため、閉経前後から
骨量が急激に減りやすい時期を迎えます。
そのため、骨粗しょう症は特に中高年の女性に多い病気とされています。
2)栄養バランスの偏り・ダイエット
- カルシウム・ビタミンD・たんぱく質が不足した食生活が続くと、
骨の材料が足りなくなり、骨量が減りやすくなります。 - 若い頃からの無理なダイエット・極端な偏食は、
将来の骨粗しょう症リスクを高める要因になります。
3)運動不足
- 骨は重力や筋肉からの負荷がかかることで強くなります。
- 座っている時間が長い・ほとんど歩かないなどの生活が続くと、
骨にかかる刺激が少なくなり、骨量が減りやすくなります。
4)喫煙・過度の飲酒
- 喫煙は、骨の代謝を悪化させ、骨密度低下・骨折のリスクを高めることが知られています。
- 過度のアルコール摂取も、骨に必要な栄養状態やホルモンバランスに悪影響を与えます。
5)病気や薬の影響(二次性骨粗しょう症)
- 慢性の腎臓病・肝臓病・消化器疾患、ホルモン異常(副甲状腺・甲状腺・副腎など)、
リウマチ、糖尿病などの病気が骨量低下の原因になることがあります。 - ステロイド薬(副腎皮質ステロイド)など、長期に使用する薬が骨量を減らす原因となる場合もあります。
このように、骨粗しょう症は加齢だけでなく、生活習慣や持病・薬の影響も関係します。
「背が縮んできた」「背中や腰が曲がってきた」「ちょっと転んだだけで骨折した」などがある場合は、
早めに医療機関で骨量の検査を受けることが大切です。
骨粗しょう症の対策
骨粗しょう症の対策は、(1)骨折を防ぐことと (2)骨量の低下をできるだけ抑えることが中心です。
1)医療機関での診断・治療
- 骨密度検査
DEXA(デキサ)と呼ばれるX線検査などで、骨密度(骨量)を測定します。
特に閉経後の女性・高齢の男性・ステロイド薬を長期使用している方などは、
一度検査を受けて自分の骨の状態を把握しておくと安心です。 - 薬物療法
骨粗しょう症と診断された場合、骨折リスクを減らすために、
ビスフォスフォネート製剤・選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)・副甲状腺ホルモン製剤・抗RANKL抗体などの
骨粗しょう症治療薬が使われることがあります。
医師が年齢・性別・骨密度・骨折歴・他の病気との兼ね合いを考慮して、最適な薬を選びます。 - カルシウム・ビタミンD・ビタミンKの補給
食事だけで不足しがちな場合、医師の指示で医薬品としての補充が行われることもあります。
サプリメントと異なり、用量・用法が明確に決められた「薬」として使います。
2)転倒予防・生活環境の工夫
- 骨がもろくなっている場合、「転ばない工夫」がとても重要です。
- 段差を減らす・手すりをつける・滑りにくいスリッパを使う・夜間の足元の照明をつけるなど、
自宅の環境を見直すことが骨折予防につながります。 - 筋力やバランス能力が低下している場合は、リハビリや体操で転倒しにくい体づくりをすることも大切です。
骨粗しょう症に関するサプリメン
サプリメントは、骨粗しょう症を治療する薬ではありませんが、
骨の材料や働きに関わる栄養素を補う目的で使われることがあります。
ただし、サプリだけに頼って医師の治療をやめてしまうことは非常に危険です。
骨粗しょう症との関連でよく名前が挙がる主な成分は次のようなものです。
- カルシウム
骨の主要な材料となるミネラルです。
食事で不足しがちな場合、カルシウムサプリで補うことがありますが、
摂りすぎると腎結石・動脈の石灰化などのリスクも指摘されています。
食事と合わせたトータルの摂取量に注意が必要です。 - ビタミンD
食事からとったカルシウムを腸から吸収しやすくする働きがあります。
日光に当たることで皮膚でも作られますが、屋内生活が多い方では不足しがちです。
サプリとして利用されることもありますが、脂溶性ビタミンのため、過剰摂取には注意が必要です。 - ビタミンK
骨タンパク質(オステオカルシン)を活性化し、カルシウムを骨に定着させるのに関わるビタミンです。
納豆・緑黄色野菜などにも含まれますが、摂取不足が心配な場合は医師と相談のうえ補給を検討します。
一部の抗凝固薬(ワルファリンなど)と相互作用があるため、薬を飲んでいる方は自己判断でのサプリ摂取は避けるべきです。 - マグネシウム・亜鉛など
骨代謝に関わるミネラルとして、マグネシウム・亜鉛が配合されたサプリもあります。
これらも不足しがちな場合の栄養補助と考え、過剰摂取には注意します。 - コラーゲン・イソフラボンなど
骨・関節のサポートをうたうサプリに配合されることがありますが、
製品ごとのエビデンス(科学的根拠)の強さには差があります。
「これだけで骨粗しょう症が治る」というような宣伝には注意が必要です。
サプリメント利用時のポイント:
- サプリメントはあくまで補助的な栄養補給であり、骨粗しょう症の治療薬とは異なります。
- 既に骨粗しょう症の薬や他の病気の薬を服用している場合、
飲み合わせや過剰摂取のリスクがあるため、必ず主治医・薬剤師に相談してください。 - カルシウム・ビタミンD・ビタミンKなどは、食事からとる分も含めた全体量を意識することが大切です。
当サイトの「サプリメント事典」では、カルシウム・ビタミンD・ビタミンK・マグネシウム・大豆イソフラボンなど、
骨の健康と関わりの深い成分についても個別に解説していますので、参考にしてください。
サプリメント以外での予防・改善
骨粗しょう症の予防・改善で最も重要なのは、サプリメントよりも日々の生活習慣です。
「骨の貯金」を増やし、「転ばない・折れない」体づくりを心がけましょう。
1)食事での工夫
- カルシウムを含む食品
牛乳・ヨーグルト・チーズ、小魚(ししゃも・いわし丸干し・しらす)、
大豆製品(豆腐・納豆・厚揚げ)、小松菜・チンゲン菜・切り干し大根などを上手に組み合わせましょう。 - ビタミンDを含む食品
鮭・サンマ・イワシなどの魚類、卵(卵黄)、きのこ類などを意識してとると良いでしょう。 - たんぱく質をしっかりとる
骨を支える筋肉を維持するためにも、肉・魚・卵・大豆製品などから、
適切なたんぱく質をとることが大切です。 - 塩分・過度なカフェイン・アルコールを控えめに
塩分のとり過ぎや大量のアルコール・カフェインは、カルシウムの排泄を増やすことがあります。
バランスのよい食生活を心がけましょう。
2)適度な運動習慣
- ウォーキング・階段の昇り降り・軽いジョギングなど、骨に適度な負荷がかかる運動が骨量維持に役立ちます。
- スクワット・かかと上げなどの筋力トレーニングは、
下半身の筋力を高めて転倒防止にもつながります。 - 無理のない範囲で毎日または週数回続けることがポイントです。
持病のある方・高齢の方は、医師と相談して自分に合った運動内容を選びましょう。
3)日光にあたる習慣
- ビタミンDは、日光(紫外線)を浴びることで皮膚でも作られます。
- 季節や体調に合わせて、日中に15?30分程度の散歩を日課にするのも一つの方法です。
ただし、皮膚の状態や皮膚がんリスクに配慮し、日焼け止めや帽子なども上手に活用しましょう。
4)喫煙・過度な飲酒の見直し
- 禁煙は、骨の健康だけでなく、心臓・肺・血管の健康にも大きなメリットがあります。
- アルコールは「適量」を守り、休肝日を設けるなどの工夫をしましょう。
5)転倒しにくい生活環境づくり
- 部屋の段差やコード類を整理する・滑りやすいマットを避ける・浴室やトイレに手すりをつけるなど、
自宅の「つまずきポイント」を一度見直してみましょう。 - 視力の低下も転倒の原因になりますので、メガネ・白内障などのチェックも大切です。
骨粗しょう症は、痛みが出る前や骨折してから気づくことも多い病気です。
早めに骨の状態を知り、食事・運動・生活習慣・治療を組み合わせて対策を始めることで、
将来の骨折リスクを減らし、元気に動ける時間を長く保つことが期待できます。
サプリメントはあくまで補助と考え、自己判断ではなく医師と相談しながら、無理のないペースで取り組んでいきましょう。
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