うつ病
目次- うつ病の原因
- うつ病の対策
- うつ病に効果効能があるサプリメント
- サプリメント以外での予防改善
- うつ病医療について
- 最後にお医者さん選びは以下の事に注意しましょう。
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関連情報
- 「認知療法(認知行動療法)」
- うつ病を客観的に診断できる「光トポグラフィー検査」(NIRS)
- 耳鳴りの苦痛軽減治療TRT
- 躁うつ病(双極性障害)
- 「男性ホルモン」の低下による男性更年期障害「LOH症候群」
うつ病の原因
うつ病の原因うつ病の原因は二つの側面があり、それは「心の問題」と「脳内物質レベル」です。「心の問題」とは、仕事や人間関係などによるストレスや悩みなどがうつ病の原因になる場合です、「脳内物質レベル」は脳内の栄養不足より、セロトニンなどの脳内伝達物質が十分に合成されないため、うつ病になるのです。「気分」は心の持ち方だけでは決まらず、脳内の栄養状態によっても左右されます。
(注意)「心の問題」に対しては「認知療法(認知行動療法)」などの治療法があります。
「脳内物質レベル」によるうつ病の原因は3つあります。
上記3つのうつ病の原因の詳しく解説。
- 血糖値の乱高下によるうつ病発症のメカニズムは、脳のエネルギーは唯一糖類です、白砂糖や精製デンプンなどの食べると直に血糖値が急上昇する食品(このような食品は高GI食品と呼びます)を摂取しますと、膵臓から多量のインスリンが放出され、今度は血糖値が下がりすぎて脳内がエネルギー不足になります。このため不安やイライラ、疲労、うつ状態などになるのです。
- セロトニンやアドレナリンなどの脳内伝達物質は、アミノ酸からたくさんの酵素の働きにより作られますが、これらの酵素はビタミンやミネラルなどの補酵素の助けがないと、働きませんので脳内が栄養不足になると、脳内伝達物質が少なくなり、うつ病になるのです。主にビタミンB群、ビタミンC、亜鉛などです。
- 脳内伝達物質の材料はアミノ酸です。これらの材料となるアミノ酸が脳内に供給されないとセロトニンやノルアドレナリンなどが作れずに、うつ病になります。
3種類のうつ病
うつ病にも種類がありまして
- セロトニンが不足すると、気分が落ちこみや不眠、不安、イライラなどの症状がでます。セロトニンの材料はアミノ酸のトリプトファンになります。
- アドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンが不足すると、物事に対してやる気がなくなったり、疲労、睡眠の過多などの症状が現れます。これらの脳内伝達物質の材料はアミノ酸のフェニルアラニンとチロシンになります。
- またまれに「フェニルエチルアミン」と呼ばれる脳内伝達物質の不足によりうつ病になる場合があります。フェニルエチルアミンは恋愛中に脳内に多量に方出されるため「恋愛物質」とも呼ばれてまいています。このフェニルエチルアミンの材料は、アミノ酸のフェニルアラニンです。
誤診に注意
鉄不足による貧血の症状はうつ病によく似ているため病院でよく誤診されますので、鉄不足を疑ってもみてください。
またうつ病とされている患者の内3分の1は、躁うつ病(双極性障害)を、うつ病(単極性障害)と誤診されていると言われていますので、注意が必要です。
うつ病の対策
脳内物質レベルでのうつ病の対策としては、興奮脳内伝達物質を補えばうつ病から開放されると考えられます。「心の問題」でのうつ病の対策としては、「認知療法(認知行動療法)」が良いと思われます。
うつ病に効果効能があるサプリメント
サプリメント選びのワンポイント・アドバイス







サプリメント以外での予防改善
うつ病は食欲不振になりやすいので、栄養不足にならないように食事の栄養バランスに注意して十分な栄養を摂ってください。脳内伝達物質の材料のアミノ酸を含んだ食品はピーナッツ、バナナ、アーモド、牛乳、チーズ、卵黄、トウモロコシなどですので、積極的に摂ってください。またうつ病の原因に日光の不足、運動の不足、過剰なストレスなどもありますので、日中十分な日光を浴びながら、散歩などをして心身をリラックスさせてください。
うつ病医療について
うつ病の判断は難しいので、ここでアメリカ精神医学会のうつ病の判断基準を紹介します。- 自分を価値の無い人間と思い、自分を責めたり罪悪感に襲われる
- 死や自殺を繰り返し考える。
- 食欲がなく体重が減る、あるいは逆に食欲が増進し体重が増える。
- 睡眠障害
- 何事にも興味が持てなくなる。性欲の減退。
- 身体のエネルギーの消失と疲労感。
- 思考力や集中力の低下。
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最後にお医者さん選びは以下の事に注意しましょう。
- 薬の処方や副作用について説明しない。
- いきなり3種類以上の抗うつ薬を出す。
- 薬がどんどん増える。
- 薬について質問すると不機嫌になる。
- 薬に頼り薬以外の対応法を知らないようだ。。
このようなお医者さんで1年以上たっても改善しない様でしたら、病院を変えることをおすすめします。
また栄養療法を取り入れている病院もお勧めです。その他「心の問題」の解決として、保険が適用されませんが、カウンセリングも受けてみる事も大切だと思います。
ヨーロッパのカウンセラーは患者と日常の生活について会話をして、うつ病の原因を探します。探し当てた原因に対して患者の消極的な考えを、積極的な考えに導いていきます。この治療方法を「認知療法(認知行動療法)」と呼びます。
またうつ病は患者さんの症状や家族への聞き取りなど、医師の主観的な判断が診断の中心となっていますが、客観的な検査方法として「光トポグラフィー検査」(NIRS)があります。
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関連情報
うつ病と認知療法
認知療法(認知行動療法)の概要
「認知療法」は、うつ病の治療のために開発された心理療法です。認知療法を説明する前に実際にヨーロッパで行われた認知治療についてお話します。
認知療法を受けた患者は30代の男性でした、この男性に対し認知療法を行うカウンセラーが、まずうつ病の原因を突き止めるために、男性の日常の生活や人間関係などについて話しをして行きます。話をして行くうちに、この男性が離婚をしていて、別れた妻と一緒に暮らしている4才の娘と月に数回会っていましたが、その男性は将来、娘と会うことが出来なくなるのではと、自分で勝手に決めてしまい、そして極度に心配してしまい、この事が原因でうつ病のなった事にカウンセラーが気が付きました。
これに対してカウンセラーは現在、子供と会うことが出来ていて、別れた奥さんも将来、子供と会う事を許さないと言っていない事などを指摘して、男性の考え方を消極的なものから、積極的で建設的なものに導いて行きました。
認知療法のカウンセリングを終えた男性は、晴れ晴れとした表情で、「心が軽くなった。」と感想を述べていました。これが具体的な「認知療法」です。
認知療法とは
認知療法の「認知」とは人が物事に対しての、見方を指します。同じ事でも人によって見方や感じ方が違ってきます。物事を冷静に客観的に分析できる人は少なく、ほとんどの人は自らに不都合な認知をしてしまい、その結果として不安やストレスを過度に湧き上げて、うつ病などの精神病を引き起こしてしまうのです。
アメリカの精神学者のアーロン・ベックやアルバート・エリスは、人間の感情が精神病の原因では無く、物事の対する人間の否定的な誤った見方(認知)が、精神病の原因であると学会に発表しました。この否定的な認知の仕方を修正することで、患者を治療していくのが「認知療法」です。先に述べたヨーロッパの男性の例ですと、現在娘に会えているし、将来娘に会わせ無いと言われていないのに、男性の間違った認知により、娘に会えなくなると極度に心配してうつ病を引き起こしたのです。
誤った認知の例として以下のことが挙げられます。
- 物事を見るときに、「白か黒」「100%か0」という両極端の見方をしてしまう。
- 具体的な根拠もないまま、勝手に結論を急ぎ、物事を否定的に考えてしまう。
- 自分の短所や失敗を過大に評価して、逆に自分の長所や成功を過小評価する。
- 1つの良くない出来事を根拠に、「いつも・・」「決まって・・」と、良くない事が、いつも必ず自分に起きると考えてしまう。
- 自分の感情を根拠に、現実そのものに反映してしまうこと。
- 問題が起きた時に、さまざまな要因があるのにかかわらず、自分が原因だと責任を感じて、自分を責めてしまう。
- たった1つの悪いことだけを捉えて、他の良い事を無視してしまうこと。
- 肯定的な出来事を、無視や軽視をして、悪い出来事にすり替えてしまう。
この様に習慣付けられた、ゆがんだ悪い認知を柔軟的で客観的な認知へと修正して行くのが、認知療法です。先ほどにヨーロッパの男性の例ですと、カウンセラーが男性の娘に会えなくなるといった、誤った考え方を指摘して、男性の考え方を肯定的で客観的なものにと、変えていきました。
認知療法の方法
まず初めにカウンセラーは患者との面接や行動記録から、患者がどの様な誤った認知をしているかを調べます。また患者の治療への意欲が大切なため、改善目標を設定して患者の治療への動機付けをおこないます。そこからカウンセラーは患者との会話の応答から、誤った認知を少しずつ修正して行くのです。特に重要なのは患者の日常での生活への応用で、修正した認知を現実の生活に応用していく訓練をしていき、修正した認知を確実に身に着けていきます。
うつ病を客観的に診断できる「光トポグラフィー検査」(NIRS)
客観的なうつ病検査
患者さんの症状や家族への聞き取りなど、医師の主観的な判断が診断の中心となる精神科医療に、客観的な検査を導入しようとの研究が進められています。
現在注目されているのが、群馬大精神科神経科准教授の福田正人さんらが取り組む光トポグラフィー検査(NIRS)です。
近赤外線を用いて大脳表面の血液量を計ります。統合失調症やうつ病では、何かを考える時の脳の血流量に特有の変化が表れる可能性があり、群馬大や国立精神・神経センター病院、東大病院など7施設で研究されています。
「光トポグラフィー検査」(NIRS)による診断
群馬大では、患者さんら約400人が研究に協力しました。健康な人では、ものを考えると脳の前頭葉部分の血流が盛んになりますが、うつ病患者では変化が小さいことがわかりました。
うつ病と診断されていた40歳代の男性は、この検査を受けたところ、前頭葉の血流は健康な人並みに盛んという結果でした。この患者さんはその後、他の症状などとも考え合わせ、環境に適応できないために心身の不調が出る適応障害と、診断が見直されました。
また東大病院では、10歳代にうつ病と診断され、再発を繰り返した30歳代女性も、脳血液量の変化は健康な人に近かったです。一方、心理検査では、計算や暗記は得意なのに、状況の変化、前後関係の把握が苦手な傾向がわかりました。
この女性のうつ症状は、典型的なうつ病というより、苦手な業務のある職場で怒られた反応と考えられました。このため、診察に当たった精神神経科医師の滝沢龍さんは、抗うつ薬を減らすことを提案、「複数の業務が同時進行するといった、変化の激しい職場は避けた方がよいのでは」と助言しました。
しかし血流量の変化には個人差があり、差がはっきりしない場合もあります。そのため、この検査だけで、うつ病かどうかわかるわけではありません。あくまで診断の補助という位置づけです。
「うつ状態の診断補助」として、先端医療を保険外で併用できる国の先進医療に認められています。精神科分野では初の先進医療となります。
一方、統合失調症の患者さんでは、出された課題を考えている間の脳血流量の増加が小さいのに加え、課題が終わった後に血流量が増えるという特徴がわかりました。福田さんは「脳の血流量が盛んになるタイミングがずれており、脳が非効率な働き方になっている」と話しています。
統合失調症でも、うつ状態の診断補助のように、先進医療に認められるにはさらに研究を重ねる必要がありますが、「問診で統合失調症が疑われても、NIRSで違った特徴が出たら診断を見直すきっかけになります」と福田さんは話しています。
光トポグラフィーによる脳の血流検査
近赤外線を照射したり、脳からの反射を受信したりする帽子状の装置を頭にかぶり、問題が出される前、問題に答えている最中、テスト終了後の脳血流の変化を測定します。脳血流の変化の程度が、モニター画面に色の変化で示され、脳の部位によって脳血流が盛んになったかどうかわかります。
関連医療機関
耳鳴りの苦痛軽減治療TRT
耳鳴りの原因
「キーン」「ザー」といった雑音が聞こえる耳鳴り、半年以上続く慢性の耳鳴りは、重症だと不眠やうつ症状を伴って日常生活に支障をきたします。
耳鳴りは、カタツムリの形をした内耳の器官「蝸牛」(かぎゅう)に加齢などで異常が起き、発生することが多いとされています。完全に消す方法はなく、放置されることが多かったですが、苦痛を軽くする治療「TRT」が試みられています。
苦痛軽減治療TRT
TRTはtinnitus retraining therapyの頭文字で「耳鳴り順応療法」と呼びます。1994年に米国で考案され、ヨーロッパなどで普及して、日本では2002年に導入されました。
「耳鳴りの音自体は変わらないのに、急につらさが増すことがある。発生源は耳ですが、苦痛を悪化させるのは脳内の現象と考えられます」と慶応大病院で難聴・耳鳴外来を担当する済生会宇都宮病院医長の新田清一さんは話します。
私たちは普段エアコンなどの音や雑踏の音は意識しませんが、人ごみで自分の名前を呼ばれると、さほど大きな声でなくても気づきます。「重要」「危険」と思われる音を脳が判断・選択しているのです。
耳鳴りは、疲れなどをきっかけに急に起きることが多いため、「耳が聞こえなくなるのでは」といった心配が、不眠や冷や汗など自律神経系の反応を引き起こします。耳鳴りに気持ちが集中するほど、脳が「危険信号」と過敏に反応する悪循環を生み、苦痛が増すと考えられます。
TRTの治療法は、2つの方法で行われます。
1.耳鳴りのメカニズムを知るカウンセリング
2.別の音を使って耳鳴りに慣れる音響療法
慶応大病院では、耳鳴りの強さや聴力などの検査後、耳鳴りがどうして起きるか、なぜ苦痛に感じるか、といった知識を丁寧に説明します。患者の希望や状況に応じて臨床心理士の面談も行います。「受診者の約8ー9割は軽症。説明を受けて納得し、苦痛が緩和される人が多い」と新田さんは話します。
重症患者には「音響療法」を行います。音を聞き続けることで、耳鳴りも「危険な音ではない」と脳に認識させる目的です。ラジオの音や音楽でも効果はありますが、「TCI」という専用の機器があります。
補聴器に似た形で、ザーといった4種類の音が出ます。自分にあった音を、耳鳴りを完全に消さない強さに調整、一日6-8時間装着します。1-2年は続ける息の長い治療です。保険はきかず、一台63000円(税込み)しますが、同大では「苦痛が軽減した」「やや軽減」と答えた患者さんが、計約8割にのぼっています。
この治療を行う病院はまだ少なく、慶応大では患者の方が2-3か月待ちの状態といいます。耳鼻咽喉科教授の小川郁さんは「耳鳴りをうまく忘れるには、静かな場所やストレスを避けること。TRT療法は、耳鳴りを小さくしたり消したりする治療ではないことを、理解して受けてほしい」と話しています。
関係医療機関 慶応大病院 済生会宇都宮病院
関連サイト シーメンス社(TRT療法を行う医療機関を紹介)
「男性ホルモン」の低下による男性更年期障害「LOH症候群」
LOH症候群の症状
40歳を過ぎてから「なぜだかわからないけど、元気が出ない」、「会社に行っても、やる気がでない」などの症状に悩んでいる方、もしかするとそれは男性更年期障害のLOH症候群かもしれません。
男性更年期障害のLOH症候群とは、男性ホルモンの低下に伴う諸症状からなる症候群です。LOH症候群(Late-onset hypogonadism )は正式には「加齢性性腺機能低下症候群」と呼ばれています。
40代以降の男性に多く見られるLOH症候群は、実に多様な症状が起こります。
1.精神 心理症状
抗うつ 苛立ち 不安 神経過敏 意気消沈 疲労感
2.身体症状
筋力の低下 発汗 ほてり めまい 不眠 記憶や集中力低下 骨粗しょう症
3.性機能症状
精力減退 勃起障害(ED)
LOH症候群の症状を鑑別するのに、よく使われるのが、ハイネマンの質問票です。各症状について、どれだけ当てはまるか、5段階で点数をつけます。合計点数が50点以上の場合は、LOH症候群の疑いがありますので、一度専門医に相談することをおすすめします。
ハイネマンの質問票
1. 総合的に調子が思わしくない。
2. 関節や筋肉の痛み
3. ひどい発汗
4. 睡眠の悩み
5. よく眠くなる。しばしば疲れを感じる。
6. イライラする
7. 神経質になった
8. 不安感
9. 体の疲労や行動力の減退
10.筋力の低下
11.憂うつな気分
12.絶頂期は過ぎた」と感じる
13.力尽きた、どん底にいると感じる
14.ヒゲの伸びが遅くなった
15.性的能力の衰え
16.早朝勃起の回数の減少
17.性欲の低下
ない=1点、軽い=2点、中程度=3点、重い=4点、非常に重い=5点
診断基準
17点~26点=なし
27点~36点=軽度の疑い
37点~49点=中度の疑い
50点以上 =重度の疑い
LOH症候群の治療を専門としているのは、泌尿器科や男性更年期外来などが中心となります。(すべての泌尿器科で対応しているわけではないので、事前に調べてから受診されることをおすすめします。)
LOH症候群の原因
LOH症候群の原因は「男性ホルモン」の低下です。男性ホルモンの代表は、主に精巣で作れられるテストステロンです。
テストステロンは、男性の体の中で様々な働きをしていることがわかってきました。
テストステロンの主な働きは性機能や筋肉の維持ですが、その他に脂肪蓄積抑制、認知機能、血管機能、骨の形成などがあります。
テストステロンが低下すると、内臓脂肪がたまります。また脳の認知機能をつかさどる海馬の神経シナプスの数が減少します。これにより、認知力やストレス耐性が低下して、抑うつ症状を引き起こすと考えられています。
このように、加齢に伴ってテストステロンが減少すると、筋力低下、性機能低下、認知機能低下、抑うつ、内臓脂肪の増加などの症状が起こると考えられているのです。
男性ホルモン低下の原因
男性ホルモンは、30歳頃をピークに徐々に減少します。人によりその量や減少の程度には、大きな個人差があります。
男性ホルモン減少の原因については、「加齢」による多様な体の変化が考えられています。また「加齢」以外の要因として考えられているものに、「ストレス」があります。40代から60歳代にかけては、男性の社会的責任とストレスが公私共々高まる時期です。
強いストレスが加わると、体には「ストレスホルモン」が分泌されます。ストレスホルモンも男性ホルモンも、その分泌の命令を出すのは、脳です。
このストレスホルモン分泌の命令を出すとき、脳の中では、男性ホルモンの分泌が抑制されることがわかっています。
また、男性ホルモンが減少すると、脳のストレス耐性が低下すると考えられているため、ストレス→男性ホルモン低下→ストレス耐性の低下→ストレス→男性ホルモンの低下という悪循環が起こってしまう恐れがあります。
こうしてLOH症候群となって引き起こされるうつ症状は、うつ病の治療だけでは治らず、LOH症候群の治療が重要と考えられます。
LOH症候群の最新治療
治療法には漢方療法などもがありますが、主な治療は男性ホルモン補充療法です。
LOH症候群および徴候を有する40歳以上の男性で、血液中の遊離型テストステロンが低下している場合、男性ホルモン補充療法が受けられます。
前立腺がんのある方や多血症の方などでは、ホルモン補充療法の対象からは除外されます。そのほか、ホルモン補充に伴う副作用が起こることも考えられますので、必ず専門医の判断のもとで行ってください。
LOH症候群の予防方法
1.適当な運動で、血液中のテストステロン量を増やす
ゆっくりスクワットをしたり、いすに座ってひざを胸に近づけたりと、毎日テレビを見ながらできる程度の
運動を3か月続けることで、効果が見られます。
2.脳で作るテストステロン
主に精巣で作られるテストステロンですが、最新の研究で、脳の中で合成されることがわかりました。テストステロンは、脳の中で認知機能に関わる重要な働きをしていると考えられています。
活発に脳を使うことで、脳のテストステロン合成を高められれば、認知力低下の予防やストレス耐性の維持が期待できると専門家は考えています。
3.たまねぎでテストステロンを増やす
たまねぎに含まれる含硫アミノ酸が、テストステロンの合成を誘導すると考えられています。
マウスに4か月間、たまねぎのエキスを与え続けたところ、血液中のテストステロン量が約2倍にアップするという研究報告があります。
たまねぎの中には、切って時間がたつと、含硫アミノ酸を分解してしまう酵素があります。その酵素は熱に弱いため、切ってすぐ加熱すれば、含硫アミノ酸の分解は最小限に抑えられます。テストステロンを増やす食べ方のポイントは、「切ってすぐ加熱すること」です。
そのほか、テストステロンの減少を防ぐには、ストレスをなるべくためない生活を送ること、睡眠を十分とることが重要です。1日7時間以上眠ると、男性ホルモンの低下を抑えることが出来るとされています。