うつ病の認知(行動)療法とは
認知行動療法(CBT)とは
認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy:CBT)は、「ものの受けとめ方(認知)」と「行動」に働きかけ、 気分の落ち込みや無気力などを改善していく心理療法です。
「できなかったこと」「失敗したこと」ばかりに目が向きやすい考え方のクセを見直し、 少しずつ行動を増やしていくことで、悪循環を断ち切ることを目指します。
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うつ病と悪循環
うつ病では、次のような悪循環が起こりがちです。
- 気分が落ち込む → 何もしたくない
- 何もできない自分を責める → さらに落ち込む
- 人と会うのがつらくなり、ますます一人で悩む
認知行動療法では、この悪循環のどこに介入すれば変化が起こせるかを一緒に考えていきます。
具体的に何をするのか
医師や心理職と週1回程度、全8?16回前後の面接を行うことが多く、 次のようなステップで進めます。
- 最近つらかった出来事と、そのとき頭に浮かんだ考えや気分を書き出す
- 「本当にそうだと言える根拠」「別の見方はないか」を一緒に検討する
- 少し負担の少ない行動目標(短時間の散歩、人と10分話す 等)を立てる
- やってみた結果を振り返り、次の1週間の課題を調整する
このように、宿題(ホームワーク)を通じて、日常生活の中で新しい考え方や行動パターンを身につけていきます。
薬との関係(どちらか一方ではなく「組み合わせ」)
多くのガイドラインでは、うつ病に対して
- 抗うつ薬などの薬物療法
- 認知行動療法などの心理療法
のどちらも標準的な治療法として位置づけています。
薬だけでは良くならない場合や、再発をくり返す場合に、 薬+認知行動療法の組み合わせが再発予防に有効という報告もあります。
日本での保険適用と受けられる場所
日本では、医師がマニュアルに沿って行う認知行動療法は、 2010年の診療報酬改定から健康保険の対象になっています。
- 精神科・心療内科のある総合病院
- 認知行動療法を専門とするクリニック
- 一部のEAP・復職支援プログラム など
で実施されていることが多く、対応しているかどうかは医療機関ごとに異なります。 受診中の病院やクリニックで、「認知行動療法は受けられますか?」と確認するのがよいでしょう。
向いている人・向きにくい人
向きやすいケース
- ある程度、話し合いの場に参加できる体力・集中力がある
- 宿題を少しずつでも試してみる気持ちがある
- 「自分の考え方のクセを見直してみよう」と思える
難しくなりやすいケース
- 極度の自殺念慮が強く、入院が必要なほど症状が重い段階
- アルコール・薬物の依存症が強い場合
- 他の重い精神疾患が強く出ている場合
こうした場合は、まずは安全確保と症状の安定化を優先し、 状態が落ち着いてきてから認知行動療法を検討することが多くなります。
この記事の位置づけ
このページは、うつ病に対する認知行動療法の概要を紹介したものであり、 診断や治療方針の決定は、必ず主治医や専門家と相談して行ってください。
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