サプリメント事典

-更年期-

更年期障害

目次
  • 更年期障害の原因
  • 更年期障害の対策
  • 更年期障害に効果効能があるサプリメント
  • サプリメント以外での予防改善

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関連情報

更年期障害の原因

更年期障害の原因は、閉経前から女性ホルモン「エストロゲン」が減少し始めますが、脳からはもっと「エストロゲン」を分泌するように命令が出るため、自律神経のバランスがくずれ更年期障害が起きるのです。

更年期障害の期間に個人差はありますが女性が閉経(約50歳)する前後10年間程度です。エストロゲンの減少は、30代半ばから少しずつ始まりますので、この時期に不規則な生活や過激なダイエット、偏った食事などして、ホルモンバランスを崩すと卵巣機能が低下して、更年期障害を早める事があります。

更年期障害の主な症状は
  • のぼせ
  • 冷え性
  • むくみ
  • 疲労
  • 肌荒れ
  • 不眠
  • イライラ
  • 頭痛

更年期障害の症状は子宮がんや高血圧の症状に似ていますので、これらの症状がみられたら病院で検査を受けてください。

また更年期障害の時期、「エストロゲン」が減少すると造骨細胞の働きがにぶるので骨密度が落ち骨粗しょう症になったり、コレステロールが増えて脂質異常症を起こしたり、高血圧になりやすくなるので注意してください。

男性の更年期障害

更年期障害と言いますと、女性特有の症状と思われますが男性にも更年期障害があります。原因は男性ホルモンのテストステロンの減少やストレスなどの要因が複合的に関連しています。

50歳前後から始まり主な症状はうつ状態や疲労感、イライラ、勃起不全(ED)、前立腺肥大、体調の変調で、精神的な変化などさまざまな症状がでますので、なかなか原因が更年期障害と判りずらいです。

更年期障害の対策

更年期の対策としては、女性ホルモン「エストロゲン」を補充することがポイントになります。

更年期障害に効果効能があるサプリメント


サプリメント選びのワンポイント・アドバイス

イソフラボン(大豆イソフラボン)はエストロゲンに似た構造をしていて「ファイトエストロゲン」と呼ばれています。
レッドクローバーの有効成分はイソフラボン類です。

発芽玄米 玄米胚芽油に含まれているギャバには自律神経のバランスを改善する作用があります。

ビタミンB6は血圧を下げコレステロールを減らす作用があります。

ビタミンEは女性ホルモンのエストロゲンの分泌をスムーズにしてくれます。

フェヌグリーク(コロハ)の有効成分はエストエロゲンの材料になります。

プラセンタは細胞の新陳代謝とあいまって、自律神経やホルモンバランスの調整などの総合的な効果によって、肌をきれいにしたり、体調を整えたり、精神の安定など、生命活動を活性化させます。

ブラックコホシュは更年期障害特有なのぼせや頭痛、むくみなどに有効に作用します。

レスベラトロールを摂取すると、寿命遺伝子「サーチュイン遺伝子」が働き、老化要因を抑えてくれます。 このため更年期による動脈硬化などを予防してくれます。

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サプリメント以外での予防改善

30代後半からすでにエストロゲンの減少が始まっていますのでこの時期は過激なダイエットや喫煙、睡眠不足、過労などで更年期障害を早めてしまいますので注意してください。

食事面ではイソフラボンを含んだ豆腐や納豆などの大豆製品を多く摂るように努めてください、本物のエストロゲンよりは働きは弱いですけど、更年期障害の症状を緩和してくれます。

月経の周期の乱れや更年期障害らしい症状がでましたら、早めに産婦人科のお医者さんと相談してください。


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関連情報



勃起不全(ED)治療薬「レビトラ錠」と「シアリス錠」


勃起不全(ED)とは
勃起不全(ED)とは陰茎が十分に勃起しないため、性行為が満足に行なえない状態です。
身体的な原因としては、先天性・後天性の陰茎の形体異常、男性ホルモンの不足による発育異常、脳・脊髄の病気による勃起不全などがあります。糖尿病が十分に治療されずに数年以上経過したり、重症になると勃起不全になることがしばしばあります。

しかしながら、勃起不全を訴える人の多くは、身体の病気は見つからず、いわゆる心因性であることが多いようです。特に新婚の場合は、精神的な原因によって不能になることが多く、過労、心配、早漏による自信喪失なども原因となります。

勃起不全(ED)治療薬「レビトラ錠」
レビトラは極めて有効なPDE5(ホスホジエステラーゼタイプ5)阻害剤です。PDE5は主に陰茎組織に見られる酵素で、勃起の発現・維持に大事な生体内伝達物質サイクリックGMP(cGMP)を分解します。

レビトラは、このPDE5を阻害することでcGMPの分解を抑え、勃起反応を強化・延長させます。レビトラは、PDE5に対する優れた選択性と強い阻害活性をもち、国内外のさまざまな臨床試験で幅広いED患者層に対して優れた有効性および安全性が確認されています。

レビトラは、勃起不全を改善するため、性行為を開始する前に服用する医療用医薬品で医師の処方箋が必要です。心筋梗塞や狭心症の治療のためによく使われる、硝酸剤を服用中の患者などには使用は禁止されています。

勃起不全(ED)治療薬「シアリス錠」
男性の勃起不全(ED)治療薬「シアリス錠」(一般名タダラフィル)は服用後36時間、効果が持続します。

陰茎(男性器)は、性的刺激による興奮で平滑筋が緩み海綿体内に血流が流入することで勃起します。この勃起を妨げるのがPDE5(ホスホジエステラーゼタイプ5)という酵素ですが、シアリスはPDE5の働きを阻害して勃起を維持させます。国内で先行販売されている「バイアグラ」や「レビドラ」も同様の作用機序を持ちPDE55阻害剤と呼ばれています。

ただしシアリスは、効果持続時間の長さのほか、性的刺激があった時のみに勃起機能の改善効果を示し、食事摂取の有無にかかわらず服用できます。副作用として頭痛や消化不良、ほてりなどが報告されています。

関係医療機関 浜松町第一クリニック


「男性ホルモン」の低下による男性更年期障害「LOH症候群」



LOH症候群の症状

40歳を過ぎてから「なぜだかわからないけど、元気が出ない」、「会社に行っても、やる気がでない」などの症状に悩んでいる方、もしかするとそれは男性更年期障害のLOH症候群かもしれません。

男性更年期障害のLOH症候群とは、男性ホルモンの低下に伴う諸症状からなる症候群です。LOH症候群(Late-onset hypogonadism )は正式には「加齢性性腺機能低下症候群」と呼ばれています。

40代以降の男性に多く見られるLOH症候群は、実に多様な症状が起こります。

1.精神 心理症状

抗うつ 苛立ち 不安 神経過敏 意気消沈 疲労感

2.身体症状

筋力の低下 発汗 ほてり めまい 不眠 記憶や集中力低下 骨粗しょう症

3.性機能症状 

精力減退 勃起障害(ED)

LOH症候群の症状を鑑別するのに、よく使われるのが、ハイネマンの質問票です。各症状について、どれだけ当てはまるか、5段階で点数をつけます。合計点数が50点以上の場合は、LOH症候群の疑いがありますので、一度専門医に相談することをおすすめします。

ハイネマンの質問票

1. 総合的に調子が思わしくない。
2. 関節や筋肉の痛み
3. ひどい発汗
4. 睡眠の悩み
5. よく眠くなる。しばしば疲れを感じる。
6. イライラする
7. 神経質になった
8. 不安感
9. 体の疲労や行動力の減退
10.筋力の低下
11.憂うつな気分
12.絶頂期は過ぎた」と感じる
13.力尽きた、どん底にいると感じる
14.ヒゲの伸びが遅くなった
15.性的能力の衰え
16.早朝勃起の回数の減少
17.性欲の低下

ない=1点、軽い=2点、中程度=3点、重い=4点、非常に重い=5点

診断基準
17点~26点=なし
27点~36点=軽度の疑い
37点~49点=中度の疑い
50点以上  =重度の疑い


LOH症候群の治療を専門としているのは、泌尿器科や男性更年期外来などが中心となります。(すべての泌尿器科で対応しているわけではないので、事前に調べてから受診されることをおすすめします。)


LOH症候群の原因

LOH症候群の原因は「男性ホルモン」の低下です。男性ホルモンの代表は、主に精巣で作れられるテストステロンです。

テストステロンは、男性の体の中で様々な働きをしていることがわかってきました。

テストステロンの主な働きは性機能や筋肉の維持ですが、その他に脂肪蓄積抑制、認知機能、血管機能、骨の形成などがあります。

テストステロンが低下すると、内臓脂肪がたまります。また脳の認知機能をつかさどる海馬の神経シナプスの数が減少します。これにより、認知力やストレス耐性が低下して、抑うつ症状を引き起こすと考えられています。

このように、加齢に伴ってテストステロンが減少すると、筋力低下、性機能低下、認知機能低下、抑うつ、内臓脂肪の増加などの症状が起こると考えられているのです。


男性ホルモン低下の原因

男性ホルモンは、30歳頃をピークに徐々に減少します。人によりその量や減少の程度には、大きな個人差があります。

男性ホルモン減少の原因については、「加齢」による多様な体の変化が考えられています。また「加齢」以外の要因として考えられているものに、「ストレス」があります。40代から60歳代にかけては、男性の社会的責任とストレスが公私共々高まる時期です。

強いストレスが加わると、体には「ストレスホルモン」が分泌されます。ストレスホルモンも男性ホルモンも、その分泌の命令を出すのは、脳です。

このストレスホルモン分泌の命令を出すとき、脳の中では、男性ホルモンの分泌が抑制されることがわかっています。

また、男性ホルモンが減少すると、脳のストレス耐性が低下すると考えられているため、ストレス→男性ホルモン低下→ストレス耐性の低下→ストレス→男性ホルモンの低下という悪循環が起こってしまう恐れがあります。

こうしてLOH症候群となって引き起こされるうつ症状は、うつ病の治療だけでは治らず、LOH症候群の治療が重要と考えられます。


LOH症候群の最新治療

治療法には漢方療法などもがありますが、主な治療は男性ホルモン補充療法です。

LOH症候群および徴候を有する40歳以上の男性で、血液中の遊離型テストステロンが低下している場合、男性ホルモン補充療法が受けられます。

前立腺がんのある方や多血症の方などでは、ホルモン補充療法の対象からは除外されます。そのほか、ホルモン補充に伴う副作用が起こることも考えられますので、必ず専門医の判断のもとで行ってください。



LOH症候群の予防方法

1.適当な運動で、血液中のテストステロン量を増やす

ゆっくりスクワットをしたり、いすに座ってひざを胸に近づけたりと、毎日テレビを見ながらできる程度の
運動を3か月続けることで、効果が見られます。

2.脳で作るテストステロン

主に精巣で作られるテストステロンですが、最新の研究で、脳の中で合成されることがわかりました。テストステロンは、脳の中で認知機能に関わる重要な働きをしていると考えられています。

活発に脳を使うことで、脳のテストステロン合成を高められれば、認知力低下の予防やストレス耐性の維持が期待できると専門家は考えています。

3.たまねぎでテストステロンを増やす

たまねぎに含まれる含硫アミノ酸が、テストステロンの合成を誘導すると考えられています。

マウスに4か月間、たまねぎのエキスを与え続けたところ、血液中のテストステロン量が約2倍にアップするという研究報告があります。

たまねぎの中には、切って時間がたつと、含硫アミノ酸を分解してしまう酵素があります。その酵素は熱に弱いため、切ってすぐ加熱すれば、含硫アミノ酸の分解は最小限に抑えられます。テストステロンを増やす食べ方のポイントは、「切ってすぐ加熱すること」です。

そのほか、テストステロンの減少を防ぐには、ストレスをなるべくためない生活を送ること、睡眠を十分とることが重要です。1日7時間以上眠ると、男性ホルモンの低下を抑えることが出来るとされています。


骨粗しょう症の治療薬「塩酸ラロキシフェン」「ビスフォスフォネート製剤」


骨粗しょう症の治療薬「塩酸ラロキシフェン」
塩酸ラロキシフェン(商品名エビスタ)は、骨の量を保つ女性ホルモン(エストロゲン)と同様に働きます。破壊(骨吸収)と再生(骨形成)を繰り返して維持される骨は、閉経後のエストロゲン低下で破壊が進みやすいが、塩酸ラロキシフェンによって破壊と再生のバランスが戻り、骨量が維持されます。

エストロゲン製剤でホルモンを補う療法は従来から行われていましたが、服薬期間が長いと乳がんの発症率を高めてしまいます。最近の米国の研究で、長期使用による心筋梗塞や脳卒中の危険性が分かり、世界的に使用量が激減しています。

しかし、塩酸ラロキシフェンは骨以外でエストロゲンの働きをせず、がんなどの危険性を高めないとされています。約300人が投与を受けた国内の臨床試験では、半年間で骨密度が平均3・3%増え、高い骨折予防効果も確認されています。

骨粗しょう症の治療薬「ビスフォスフォネート製剤」
塩酸ラロキシフェンより一足先に発売された、ビスフォスフォネート製剤(アレンドロン酸、リセドロン酸)も使用が広がっています。骨を破壊する細胞の働きを抑える効果が、塩酸ラロキシフェンより強いです。
ただし、朝の空腹時に服用するため、胃腸が弱いと胃炎などを起こし、使いにくい欠点があります。

塩酸ラロキシフェンとビスフォスフォネート製剤の使い分けは、起床後すぐの服用が困難な場合、食事や時間に関係なく服用できる塩酸ラロキシフェンが勧められます。すでに骨折があったり、骨量の減少が早い人は、より即効性のあるビスフォスフォネートが効果的です。

塩酸ラロキシフェンの副作用として、血の塊が血管をふさぐ静脈血栓そく栓症が挙げられています。のぼせなどの更年期症状が悪化する恐れもあるため、閉経後2年以上たってからの服用が勧められています。

関係医療機関 北海道大学病院


骨粗しょう症の背骨骨折治療「経皮的椎体形成術」


骨粗しょう症の背骨骨折「圧迫骨折」
背骨は、首から腰まで24個の椎体(ついたい)と椎間板がつながったものです。骨粗しょう症で骨がもろくなると、背骨の椎体が潰れやすくなります。これが「圧迫骨折」で、背骨が曲がり、4割は痛みをともないます。

従来の治療は、鎮痛剤や骨粗しょう症の進行を抑える薬を服用したり、患部を固定するコルセットを着用したりといった方法ですが、慢性の痛みが残りました。

骨粗しょう症の背骨骨折治療「経皮的椎体形成術」
「経皮的椎体形成術」は、骨折した椎体の中に、特殊な液体とバリウムを混ぜたセメントを注入して、圧迫骨折による痛みを緩和する手術です。痛みの緩和が目的ですので、圧迫骨折があっても、痛みがない場所は治療しないことが多いです。

聖路加病院では、2年間で骨粗しょう症による圧迫骨折や、がん骨移転で痛みのある患者約50名に実施しました。手術翌日の午後には歩行ができ、約8割の方に明らかな痛みの緩和が見られました。治療効果が高いのは、骨折後1ヶ月以内です。

骨セメントが椎体の外に漏れてしまいますと、神経障害や肺塞栓症などを起こす危険がありますので、一度にたくさんの椎体に手術は行いません。

関係医療機関 聖路加国際病院


更年期による女性の薄毛脱毛にたいする治療法


40歳代、50歳代女性に起きる薄毛、脱毛の原因
40歳代、50歳代女性に起きる薄毛、脱毛は、基本的には加齢による脱毛が多いと考えられます。
私たち人間の心身の老化は、目立たなくても、20歳代のころから始まっています。それは男性も女性もそうですし、皮膚や髪の毛も、もちろん例外ではありません。髪の毛についていえば、思春期から20歳前後までは太く丈夫になっていきますが、それから後、20歳代半ば以降は、年をとるにしたがって、細くなり、コシやハリが弱くなり、伸びる速度も遅くなっていきます。

そういった変化は、徐々にではあっても、若いうちからずっと進んでいます。しかし髪の毛は、スピードが遅くなっても伸びてはいますし、20歳代から30歳代のころまでは、まだそれほど目立ったり、深刻なものになったりすることはあまりありません。

女性の脱毛は、頭頂部のツムジのあたりからしだいに薄毛が広がっていくのが、加齢による女性の脱毛に、よく見られるパターンです。

エストロゲンが急激に減少する更年期
40歳代、50歳代という年代に入ってくると、女性ホルモンの急激な減少など、ホルモンバランスの乱れによる心身の大きな変動が起きてきます。いわゆる更年期です。

女性ホルモンのエストロゲンは髪の毛の成長に深く関与しています。髪の毛の幹細胞の成長を促し、頭皮のコラーゲン量を増加させて髪にコシとハリを与え、血管拡張作用がありヘアサイクルにも延長をもたらすといわれています。おそらくはこうした女性ホルモンの減少などもかかわって、40歳代、50歳代になると、前髪が細く、少なく、頼りなさが目立ってくる女性が少なくありません。

加齢による女性脱毛は、おもに頭頂部で進行していくことが多いものです。しかし最近では、40歳代、50歳代女性の前髪が薄くなるのは、男性ホルモン変化の作用による男性型脱毛症が起きているケースもあるのではないかという見方がされ始めています。

40歳代、50歳代女性への発毛育毛治療
いずれにせよ、前頭部の髪の毛が頼りなくなってくると、たとえば前髪をアップにするようなスタイルがたいへんセットしづらくなります。「おかしいな」と感じて、鏡で見たり束ねてみたりすると、そのころにはすでに、前頭部以外の場所の髪の毛も、ある程度細く、少なくなっていますので、髪の毛が頼りなかったり地肌が透けたりするのが、あちこちで目につきます。

それで「自分の髪の毛にたいへんなことが起きている」と深刻に悩んで、専門医を訪れる。こういった成り行きが、薄毛に悩む40歳代、50歳代の女性の、一つの典型的なパターンといえます。この年代の女性ではとくに、「自分の髪の毛は、いつまでもあって当たり前」という気持ちが男性よりもずっと強く、それだけに、深刻に悩んでしまう人が少なくありません。

40歳代、50歳代女性の薄毛に対しては、多くの場合、ミノキシジルという発毛を促進する薬を中心として、その人の状況に応じた各種のビタミン・ミネラルなどを組み合わせたサプリメントなどをあわせて使用していく治療が有効です。

ミノキシジルは・発毛を促す薬剤です。体毛の増加などの副作用には気をつける必要がありますが、多くの人に効果をあげている薬です。ミネラルでは、とくに男性ホルモンが関与していると考えられる女性の脱毛の場合、亜鉛成分を多量に含むサプリメントが有効なことが多いようです。

また、スピロノラクトン(商品名アルダクトンA)という薬を使用することもあります。この薬の本来の作用は利尿や血圧降下ですが、女性ホルモンに似た働きをもつ薬剤としても知られているために、40歳代、50歳代女性の女性ホルモン減少に対する一種のサポート的な役割を期待してのことです。

同じように女性ホルモンに似た働きを持つイソフラボンも、女性の体に対して大切な働きをもつ物質として注目されています。

イソフラボンは大豆胚芽に多く含まれる物質で、食品では、大豆を素材として使った料理や、豆腐、納豆などから摂取できます。またイソフラボンをメインにした健康食品やサプリメントなども各種販売されていますが、その摂取最についてはいろいろと意見があり、とりすぎには注意が必要です。

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イソフラボン(大豆イソフラボン)とカプサイシン併用の育毛効果


若い女性の脱毛薄毛にたいする発毛育毛治療



若い女性の薄毛の原因
20歳代をはじめとする若い女性の薄毛、脱毛は、さまざまな原因やきっかけによって引き起こされる可能性があります。まず、血流障害による脱毛で、ストレス過剰や生活状況が影響していると思われるケースが、かなり多く見られます。

実際の治療では睡眠時間の不足、不規則な睡眠、片寄った食事などを改めて、生活をできるだけ立て直すようにして、ストレスを解消したり和らげたりしていく工夫をすることによって、数ヵ月のうちに髪の毛が相当しっかりした状態を取り戻してくることが少なくありません。

薬による治療としてはやはり、ミノキシジルによる発毛促進、ビタミン、ミネラルなどになります。

若い女性によく見られる各種の脱毛薄毛の原因と治療

  • 頭皮のトラブルから薄毛、抜け毛へ
    若い女性で多く見られるのが、頭皮の荒れ、トラブル、疾患などが、結果的に薄毛や抜け毛につながっているケースです。毛穴周りのフケ、アブラから起こる細菌性の炎症(脂漏性皮膚炎)、ヘアケア用品(シャンプー、トリートメント、カラーリング、パーマなど)が合わずに頭皮を荒らしてしまつたり(接触性皮膚炎)、ストレス過剰が頭皮の荒れにつながることもあります。

    なるべく刺激の少ないシャンプーなどを選ぶとともに、シャンプーその他のヘアケアを実施するときに、できるだけ頭皮を傷つけないように気を配るよう習慣づけることで、かなりの場合、頭皮の状況は改善されます。
  • 過度のダイエットと薄毛、抜け毛
    不適切なダイエットによる脱毛などといったケースもあります。人間の毛やツメは皮膚の最外層にあたりますが、行きすぎたダイエットによって、その形成に不可欠な微量ミネラルが腸から吸収できなくなってしまうことがあります。

    そうすると、髪が伸びない、細くなる、ツメが伸びずに薄く軟らかくなる、皮膚がカサカサになる、といった状態に至ることがあります。そういった状況が続けば、抜け毛の増加や貧血などの症状が表れる場合もあります。
  • 出産後の一時的な脱毛
    出産を終えた後に、抜け毛が増えたり薄毛が目立ったりすることがあります。妊娠中は、お腹の子供に栄養を取られますが、妊婦の髪の毛は、出産準備のために分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)などの女性ホルモンによって成長期が維持され、抜け毛が少なくなります。

    しかし出産後はホルモンバランスが通常の状態に戻り、成長期が維持されていた髪の毛がいっせいに休止期に入ってしまうために、出産後に一時的に抜け毛が多くなり、髪が薄くなってしまいます。通常は脱毛後3-4ヵ月の時期から徐々に回復し始めます。

    ときに別の理由による脱毛に移行してしまうケースもありますので、いつまでも改善しない場合には、医師に相談したほうがいいでしょう。
  • 卵巣機能の低下による脱毛
    さまざまな原因から、ホルモン分泌の減少、卵巣機能の低下が起きるケースが、20歳代、30歳代の女性でも増加しているといわれ、「卵巣機能低下症」「若年性更年期障害」などとも呼ばれています。

    女性ホルモンの減少、男性ホルモンの影響の強まりなどから、脱毛が起きるということも考えられます。

    卵巣機能の低下によって、月経不順、無月経、不正出血や、発汗、ほてり、冷え、イライラなど更年期障害と似た症状が出ることもあります。そのようなときには、婦人科医などを受診して、その治療を優先するようにしてください。
  • 甲状腺異常などの病気に伴う脱毛
    髪の毛が薄くなってきたことを心配して、皮膚科などの医療機関を受診し、そこで別の病気が見つかるというケースも案外見られます。

    比較的よくあるのが、甲状腺機能充進症、甲状腺機能低下症、甲状腺の炎症や腫れなど、甲状腺の病気です。バセドウ病や橋本病といった疾患が関連している場合もあります。また、鉄欠乏性貧血から薄毛や脱毛が起こることもあります。

    いずれの場合も、まずその病気の診断と治療について医師とよく相談し、しっかりと健康を取り戻すのがいちばん大切なことです。

    注意)橋本病では、甲状腺ホルモンの量が不足して、新陳代謝が低下し全てが老けていくような症状がみられます。無気力で頭の働きが鈍くなり、忘れっぽく、ひどくなると痴呆の原因の1つにもなります。寒がりで皮膚も乾燥してカサカサになったり、体全体がむくみ、髪も抜け、眠気がありボーッとして活動的でなくなります。
  • トリコチロマニア(抜毛症)
    自分の頭髪やまゆ毛などを、多くは無意識のうちに自分で抜いてしまう機械的脱毛症をいいます。小学生くらいまでの女子によく見られる症状として、以前から知られていましたが、最近は思春期以降や20歳代、30歳代の女性にも増えているようです。

    毛を抜くことを頻繁に繰り返してやめられないという人もいますし、たとえば読書をしながらなど、なかば無自覚に抜いている人もいるようです。利き手側の首筋の生え際、えり足の髪の毛が、きれいなラインを描いて抜けているといったケースもありました。

    ストレスなど精神的な背景がかかわり、そういったことから自分を守ろうとする防衡機制(無意識にストレスを解消する方法)の表れであることが多いと考えられます。患者さん本人との話し合いのなかから、その原因やきっかけとなっている心理的な要因を探していくことが、しばしば治療の手がかりになります。精神科を受診して治療することをおすすめします。

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女性の円形脱毛症にたいする治療



円形脱毛症
円形脱毛症は、病名のとおり、コインのように円形の脱毛が起きる病気です。脱毛の広さは、1センチ程度の小さなものから数センチに及ぶものまでさまざまです。1ヵ所だけでなく多発することもありますし、髪の毛だけでなく、まゆ毛やわき毛など全身の毛が抜けてしまうこともあります。

年代としては、子供から大人までどの年齢層でも見られますが、20歳代がもっとも多くなっています。女性だけの病気ではありませんが、患者数は女性のほうが約1.5倍多いといわれ、女性をたいへん悩ませる髪のトラブルの一つです。

次のようなタイプに人別されます。
・通常型(単発型、多発型)
・不整局面型(頭髪の生え際が帯状に脱毛。難治例が多い)
・全頭型(ほとんどの頭髪が抜ける)
・汎発型(頭髪とともに全身の毛が抜ける)


円形脱毛症の原因
円形脱毛症と聞くと「ストレスの病気」と思われることが多いようですが、円形脱毛症とストレスの因果関係を示す医学的なデータは、いまのところありません。しかし、カウンセラーなどからは、幼少のころから思春期、大人に至るまで、ストレスの多い状況になると円形脱毛症を繰り返してきた女性の事例が報告されています。

また、患者さんには、性格的に几帳面でまじめな人が多く見られることなどからも、ストレスは、円形脱毛症の見過ごせない誘因の一つであるといえるでしょう。

最近では、「自己免疫疾患」の一種という見方が有力です。人間の体には、細菌やウイルスなど外敵の侵入から自身を守る「免疫」機構があり、おもにリンパ球がその働きを担っています。円形脱毛症の人の脱毛した部分の頭皮を観察すると、毛根にリンパ球が集まり、毛根が萎縮しています。何らかの理由でリンパ球が、自分の体の一部である毛根を、「外敵」「異物」と間違えて攻撃して、髪の毛の成長が止められているようなのです。

円形脱毛症の治療法
円形脱毛症は、小さな1ヵ所の脱毛から、髪の毛がほとんど抜けたり、全身の毛が抜けるなど、症状はさまざまです。また、どういった症状に、どのような治療法が有効かについても、いろいろなケースが見られます。

以下は、一般的に比較的よく用いられている薬剤、治療法です。

・塩化カルプ□ニウム(フロジン液)
塗り薬・末梢血管の拡張作用。育毛剤「カロヤンガツシュ」(商品名)などの主成分。

・グリチルリチン
飲み薬。抗炎症・抗アレルギー作用。漢方薬として用いられるカンゾウから抽出した薬効成分。

・ステロイド
塗り薬、あるいは飲み薬。注射する場合もある。人間の副腎皮質という部位で作られる副腎性の糖質コルチコイドホルモン。毛根の炎症を抑える。

・セファランチン
塗り薬(セファランチンアルコール)、あるいは飲み薬。タマサキツヅラフジという植物から抽出したアルカロイド成分。

・ミノキシジル
塗り薬、あるいは飲み薬。発毛促進作用

・ドライアイス圧抵療法
雪状のドライアイスを固めたもので患部に刺激を与える。

・液体窒素療法
液体窒素を含ませた綿球で患部に刺激を与える。

・紫外線療沫
長波長の紫外線A波(UVA)を患部に照射して、リンパ球の異常な働きを抑える。

・局所免疫療法
薬を使って局所に人為的に皮膚炎(かぶれ)を起こし、その状態を維持しながら発毛を促進させる。

・免疫抑制剤
塗り薬、あるいは飲み薬。アトピー性皮膚炎の治療で好成績をあげ、円形脱毛症の治療効果も期待されている。

・低出カレーザー
脱毛部、あるいは頸部の神経節にレーザーを照射して、頭皮の血流をよくする。


円形脱毛を見つけたら早めに皮膚科へ
頭部に円形の脱毛を見つけたときには、早めに皮膚科医などに相談するようにしてください。治療を始めるのが早いほど、症状を効果的に抑えることが期待できます。日常生活では、睡眠をなるべくよく取り、バランスのいい食事に努め、心身のストレス緩和の工夫を心がけましょう。

円形脱毛症の場合はとくに、どんな治療法が効果的かは、人によってさまざまです。また、治療にかなり時間がかかることもあります。医師とよく相談しながら、根気よく治療に取り組んでください。


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尿漏れをともなう「性器脱」の治療


「性器脱」の原因と症状
女性の骨盤の中には、膀胱や尿道、子宮、直腸など多くの器官があります。これらの臓器は、「骨盤底」と呼ばれるハンモック状の筋肉や靱帯(じんたい)が囲み、重いものを持ち上げるなど、力がかかってもずり落ちないように支えています。

ところが、骨盤底が緩んだり、筋肉の繊維の一部が切れたりすると、重みに耐えきれずに臓器が下がり、膣(ちつ)壁が臓器に押されて飛び出してしまいます。下がった臓器により「子宮脱」「膀胱瘤」「直腸瘤」と呼びますが、複数の臓器が飛び出すこともあり、「性器脱」と総称されています。

これらの症状は、50歳以降に多く、女性の約1割が経験すると言われています。座った時に、またの間に不快感を感じるなど、日常生活での不自由さは、大きいです。尿道も変形して尿が出にくく、尿漏れなどの症状も現れます。

「性器脱」の治療
落ちてきた臓器が膣の内部にとどまる初期なら、骨盤底の筋肉を締める体操や女性ホルモンの補充をすることで対処できます。

膣の入り口に達している場合、膣の中に歯止め役としてリング状の器具(ペッサリー)を入れることもありますが、膣内が炎症を起こすことも多く、長く使うことは難しいです。

さらに進行すると、膣の外まで飛び出してしまい、歩けなくなったり、膣が乾燥して出血したりすることもあります。こうなりますと手術の対象になります。

「性器脱」の手術
手術では、垂れ下がった臓器を元の位置に戻し、再発予防のため膣壁と臓器の間を補強します。子宮は摘出か一部を切除することもあります。

補強は、従来は骨盤内の組織(筋膜など)を重ねたり、強く縫い合わせたりしていましたが、もともと傷んだ組織を使うため、1-3割は再発していました。

これに代わり、ポリプロピレン製のメッシュで補強する方法が、数年前から普及してきました。伸びない素材で、膣壁と臓器の間に入れることにより、丈夫な「壁」を作ります。

昭和大横浜市北部病院泌尿器科教授の島田誠(しまだまこと)さんは「メッシュ手術の長期の治療成績はまだ出ていませんが、これまで実施した例では、再発率は5%以内になると思います」と話しています。

ただし、メッシュがずれて体外にはみ出したり感染を起こしたりする恐れもあり、手術には熟練した技術が必要になります。手術は1週間ほど入院して行い、保険がききます。

「性器脱」の予防は、産後の骨盤底筋ケア
性器脱を引き起こす骨盤底の損傷は、コルセットなどでの胴回りの締め付けや、便秘でいきむといった骨盤底に負担をかける動作の積み重ね、閉経、肥満も影響します。なにより最大の原因は出産です。赤ちゃんが産道を通る時、骨盤底が大きく引っ張られるからです。

三井記念病院産婦人科医長の中田真木(なかたまき)さんは「出産では上手にいきむ、産後3週間はこまめ
に横になり骨盤底に負担をかけない、などの予防が大切」とアドバイスしています。

性器脱の治療は、産婦人科と泌尿器科が担当します。泌尿器科でも、女性専用外来を設けるなど、かかりやすさに配慮した医療機関も出てきています。

子宮口が開いてから出産まで5時間以上かかつたり、3500グラム以上の赤ちゃんだったなどの場合は、骨盤底筋の受けたダメージは大きいです。自然の回復力があるので、産後3週間は養生し、その後、骨盤底筋を鍛える体操を取り入れてください。

なお、体形を早く元に戻そうときついガードルやコルセットを締めたり、腹筋運動をしたりという点も、骨盤底筋に大きな負担がかかります。希望する場合は、1か月健診で骨盤底筋の具合を確かめてからにしましょう。

関係医療機関

昭和大横浜市北部病院

三井記念病院

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