サプリメント事典

-イソフラボン(大豆イソフラボン)-

 イソフラボン(大豆イソフラボン)

イソフラボン(大豆イソフラボン)の効果効能

イソフラボン(大豆イソフラボン)はフラボノイド(ファイトケミカル)の一種で、ソラマメやエンドウマメなどのマメ科の植物、特に大豆に多く含まれています。

イソフラボン(大豆イソフラボン)は女性ホルモンのエストロゲンと似た構造をしているので、「ファイトエストロゲン」とも呼ばれていて、閉経後の女性の健康を損なうことなく、維持してくれます。

この他イソフラボン(大豆イソフラボン)とカプサイシン併用による、育毛効果もあります。

イソフラボン(大豆イソフラボン)の主な働きは4つあります。

以下イソフラボン(大豆イソフラボン)の主な4つの働きについて、解説します。


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更年期障害の緩和

女性の一生は、卵巣から分泌される1兆分の1グラムという、超微量の女性ホルモンによって、非常に微妙な影響を受けるのです。

ところが、卵巣の機能が衰えるに伴って、急激に減少する更年期を迎えます。平均閉経の前後約10年間です。

この成熟期から老年期に移行する女性は、体や心にさまざまな変化が起こります。

例えば、のぼせやほてり、冷えなどの更年期に多い代表的な症状(更年期障害)だけでなく、エストロゲンが血管の収縮や弛緩と深く関係していることから生じる不快症状が多く現われます。

血管が必要以上に弛緩すると、のぽせやほてりが起こり、また反対に血管が必要以上に収縮すると、血行が悪くなり腰や手足の冷えを感じるようになります。

人によっては、動悸や息切れ、いらいらやめまいなどの症状も強く現われたりします。

これは、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスの乱れとも関係していますから、免疫機能や精神的不安定も増して、疲れやすくなったりします。

伝統的な日本食を多く摂っている京都の女性と、更年期障害が激しくみられる欧米女性の、閉経後の女性ホルモンの活性を比較すると、女性の尿中に排出されたイソフラボンの量は、欧米の女性に比べ100倍も京都の女性がイソフラボンを多く排出していることがわかったのです・

さらに、肉食の多いブラジルの50歳前後の日系女性に、イソフラボンを1日50㎎づつ摂ってもらったところ、3週間で更年期症状が軽快したという報告もあります。

骨粗しょう症の予防

骨がスカスカになる骨粗しよう症は、これまで老化による生理現象と考えられていました。老人になれば腰が曲がったり、骨が折れやすくなるのは当然のことだと思われてきたのです。

アメリカではこの研究が早くから進められてきて、これは病気であり予防できることを明らかにしました。日本でもこの十数年急に注目されるようになってきたのです。

そうして今や日本人の骨粗しょう症患者数は、1000万人を越えています。この数は糖尿病患者より多いのです。しかも、骨粗しょう症の場合は女性に多いことが特長なのです。

その理由は、女性の生理が終る更年期になってくると、それまで骨を丈夫にするように役立っていた女性ホルモンのエストロゲンが、不足するようになって骨にカルシウムが届けられにくくなり、いわゆるスカスカで折れやすい状態になってくるからです。

最近、カルシウムとマグネシウムが一緒に骨の形成に参加し、マグネシウムが不足すると骨粗しょう症を促進しやすいこともわかってきました。

これらミネラルを骨に運ぶのに女性ホルモンの働きが重要です。これに対して、女性ホルモンのエストロゲンが不足する場合、代替ホルモンとして植物性の女性ホルモンといわれるイソフラボンが、それを補うように働いて、骨粗しょう症の進行を防いでくれることが、ハワイで行われた疫学調査でも、尿中のイソフラボンが多い人ほど、骨が丈夫で、骨粗しよう症になりにくいことが明らかにされています。

心臓病や脳梗塞の予防

イソフラボン(大豆イソフラボン)には二つの相反する特徴を持っています。それは「弱いエストロゲン作用」と、「弱い抗エストロゲン作用」です。「弱い抗エストロゲン作用」とは、血管を拡張して血液の流れをよくする作用です。「弱いエストロゲン作用」の方は、肝臓に入って悪玉(LDL)コレステロールの分解を促進します。そのうえイソフラボン(大豆イソフラボン)には抗酸化作用がありますので、悪玉(LDL)コレステロールの酸化を防ぎます。

イソフラボン(大豆イソフラボン)の3つの作用により、動脈硬化を防ぎ心臓病や脳梗塞の予防が期待できるのです。

実際に京都大学名誉教授の家森幸男博士の疫学調査により、尿中のイソフラボン値の高い地域ほど、心臓病の発生率が低いことが明らかにされました。

乳がんや前立腺がんの予防

最近のアメリカでは、日本的食事の評価が高まってきています、その中でも、南カリフォルニア大学医学部、予防医学専門のジェーン・リチャードソン博士らが行った報告が注目されています。

世界各国の研究で大豆食を食べると、乳がんや大腸がん、前立腺がんになる確率が低くなることに着目し、実際に20代の健康な女性の協力を得て、がん発生に関与する卵巣ステロイドホルモンの発生状況を調べました。

それには豆乳340mlを1日2回飲んでもらい、1ヵ月間入院、観察調査をしたのです。その結果は乳がんのリスクを高めるホルモン分泌を抑制することが明らかにされ、その効果は豆乳を止めてもある程度の期間持続されたのです。

今、アメリカは体にやさしく副作用のない抗がん効果のある食品を求めているので、手術後のがん再発防止にも評価されてきました。

岐阜大学医学部の公衆衛生グループは、がん予防のシンポジウムで、市販の豆乳を毎日400mlを1ヵ月飲むことによって、乳がん、大腸がん、前立腺がんなどを発生させるエストロゲンを減少させたと報告しています。

これまで、男性の前立腺がんは男性ホルモンが作用して発生するとの考えから、イソフラボンを摂るとイソフラボンが、エストロゲン様に作用して、男性ホルモンの働きを弱めて、前立腺がんを発生しにくくすると考えられていました。

しかし、最近では男性ホルモンが作られるときに、それに働く酵素の作用をイソフラボンが抑えることで、前立腺がんを防ぐというように考えられています。

イソフラボンのがん研究

1990年から、米国の国立がん研究所(NCI)を中心としたデザイナーフーズプログラム(植物成分とガン予防研究)では、第ニクールの臨床、疫学調査により大豆イソフラボン中のゲニステインが、その有効成分として取り上げられ、乳がんの抑制や骨粗しょう症の予防にも有効だということを明らかにしました。

また、こうした研究から、米国の国立アカデミーでは、21世紀初頭にもゲニステインの1日推奨栄養所要量(RDA)を決定し、栄養政策の基本となる「予防成分」の枠に、初めて植物成分が入る可能性ができたのです。

このような決定の基礎となった研究は、フィンランドのヘルシンキ大学医学部の、アドラクロイツ教授の研究が大きく貢献しています。

フィンランド人と日本人のイソフラボン血中濃度を比較して、日本人はフィンランド人の40倍も多いこと、それに対して乳がんや卵巣がん、あるいは前立腺がんの死亡率が、日本人ではアイルランド人の1/2と少ないことと関係があることを確認したからでした。

大豆のイソフラボンの人気が世界的に高まっている理由は、イソフラボンが女性にとっても男性にとっても、がん予防に効果があることがわかってきたからです。

東京農大の渡辺昌教授は、納豆や豆腐、あるいはきな粉などの大豆食品を多く食べると、がんによる死亡の危険を減らす可能性を述べています。

私たちの体は、エストロゲンの受容器(特定の物質の刺激を受けるための器官)があり、そこにエストロゲンが結合すると信号が細胞内にある細胞核の遺伝子に伝わり、細胞ががん化しやすくなると考えられています。

ところが、エストロゲンによく似た構造をしているイソフラボンがあると、それが細胞内のエストロゲン受容器に、本来のエストロジエンよりも先に結合してしまい、がんの発生を抑えるように働くと推測されるのです。

イソフラボン(大豆イソフラボン)とカプサイシン併用の育毛効果

イソフラボン(大豆イソフラボン)とカプサイシンを同時に摂取すると育毛に大きな効果があることを、名古屋市立大医学研究科の岡嶋研二教授、原田直明講師らのグループが実証しました。岡嶋教授は「一日に、小さじ二杯の唐辛子と半丁の豆腐を食べると効果が出る」としています。

髪の毛のもととなる毛母細胞は、ペプチド「IGF-1」によって分裂・増殖が盛んになる。岡嶋教授らは、カプサイシンとイソフラボンが、毛根の中のIGF-1を増加させる働きを持つことを、マウスを使った実験で突き止めました。

実際に薄毛や円形脱毛症の人31人に5ヶ月間、一日カプサイシン6ミリグラム、イソフラボン75ミリグラムを摂取してもらったところ、20人に育毛効果が認められました。実験とは別に12歳の重症円形脱毛症の少年が摂取すると、はっきりと効果が表れました。

イソフラボンで改善が期待できる症状

動脈硬化 がん 骨粗しょう症 更年期 高血圧 脱毛、薄毛

イソフラボン(大豆イソフラボン)が含まれる食品

大豆 豆腐 味噌 納豆


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イソフラボン(大豆イソフラボン)の飲み方

サプリメントでは1日30mgを目安に過剰摂取しない様、十分注意してください。抗がん剤のタモキシフェンを服用している方は、使用しないように。

また先ほど述べてたように、乳がんの患者の方や、経験した方はイソフラボン(大豆イソフラボン)は、摂取しない方がいいと思われます。


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