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-前立腺がんの超音波治療法HIFU(高密度焦点式超音波法)-

前立腺がんの超音波治療法HIFU(高密度焦点式超音波法)


前立腺がんの従来の治療法


前立腺は尿道を取り囲むように位置し、クリの実のような形をしています。精子とともに出る前立腺液を作ります。前立腺がんは高齢化とともに増え、毎年約7000人が亡くなっています。

がんが前立腺内にとどまる早期がんの場合、主に

1.前立腺を取り除く手術
2.体外からの放射線照射
3.ホルモン療法

の3つの治療法があります。

しかし、それぞれ様々な副作用があります。手術は出血量が比較的多く、2、3週間以上の入院が必要となり、失禁などの排尿障害が2割ほど、性機能障害が6-9割出ます。放射線治療は排尿障害は少ないですが、膀胱(ぽうこう)炎や直腸出血を生じることがあります。ホルモン療法は、ほとんどが性機能障害になります。

そこで体への負担が少ないと期待されるのが超音波治療法HIFU(高密度焦点式超音波法)です。検査用の数千倍の強力な超音波を使って、病巣を80-98度に加熱し、がん細胞を焼き殺します。

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超音波治療法HIFU(高密度焦点式超音波法)


治療はまず、腰椎(ようつい)麻酔か全身麻酔を行い、先端から超音波が出る棒状の器具(直径3.2センチ)を肛門に挿入します。モニター画面を見ながら、前立腺全体に強力な超音波をかけます。超音波の照射範囲や強さなどは、あらかじめコンピューターで設定されています。

防衛医大泌尿器科医師の住友誠さんによると、治療時間は前立腺の大きさで異なり、3、4時間ほどです。治療後2週間は、尿道が狭くならないよう細い管を人れておく必要がありますが、手術の翌日には歩行と食事が可能となり、通常3、4日間で退院できます。

国内で最も治療経験が、豊富な東海大八王子病院泌脈器科助教授の内田豊昭さんが、患者86人に対する治療成績をまとめたところ、がん細胞が消失する割合は、平均、1年半後で76%でした。一方、副作用の性機能障害は31%で、排尿障害が23%でした。

治療成績では、5年後のがん消失率が約80%の手術にやや劣りますが、出血が避けられ、性機能障害の副作用も比較的少ないです。

前立腺がんには小型の放射線カプセルを患部に埋め込む治療(小線源組織内照射)も認可され、選択の幅が広がりました。この治療や超音波治療は心臓病など持病で手術できない高齢者や、なるべく性機能を温存したい人には有効な治療となります。

超音波治療法HIFU(高密度焦点式超音波法)は、手術や放射線の治療後、がんの取り残しや再発がわかった場合に行う選択もあります。ただし、前立腺内に結石があると温度が上がりすぎる危険があり、実施できません。また保険がきかず、費用は80万から100万円ほどかかります。

治療法が確立している手術や放射線に比べて、超音波治療は国内での実績が少なく、有効性や安全性は十分明らかになっていません。自分の病状も考慮して、慎重に治療法を選ぶ必要があります。

前立腺がんの進行と治療法の選択


前立腺内にがんがとどまっている「限局がん」では外科手術、腹腔鏡下手術、体外放射線治療法、小線源療法、超音波療法などがあります。

がんが前立腺の外にまで広がっている「局所浸潤がん」では、ホルモン療法、体外放射線治療法が選択できます。

がんが他の臓器にまで広がっている「転移がん」では、ホルモン療法で治療を行います。

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関係医療機関

防衛医大泌尿器科

東海大八王子病院泌脈器科



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