サプリメント事典

-ビタミンE-

ビタミンE

ビタミンEの効果効能

ビタミンEは脂溶性ビタミンであり、このビタミンEの重要な働きは、細胞膜を活性酸素から守ることです。抗酸化物質であるビタミンEは、血液中のLDL(悪玉)コレステロールを減らしHDL(善玉)コレステロールを増やす働きがあります。ビタミンEは「抗不妊ビタミン」とも呼ばれ、不妊治療にも使われています。ビタミンEは女性ホルモンのエストロゲンの分泌を促進する作用もあり、更年期障害を改善してくれます。また貧血や老化なども、防止してくれます。

ビタミンEは研究によってアルツハイマー型認知症や脳血管性認知症に効果がることが判っています。


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天然ビタミンEと合成ビタミンE

合成のビタミンEとして商品化されているのは、ビタミンEを構成している8種類の化合物の中のαートコフェロールだけです。

現在、ほとんどのビタミンは合成の製品として生産されています。食物中にもともと含まれるビタミンを除けば、サブリメントを作るために使われているビタミンはほとんどが合成なのです。

シリアル、ミルク、また他の食品の栄養強化に使われているのも同じく合成で、ほとんどのビタミンでは問題ありません。合成ビタミンの分子は、食物中にもともと含まれているものとまったく同じ構造であり、作用も同じです。

しかし、αートコフェロールに関してはそうではありません。天然と合成の分子には違いがあり、また、その効力にも差があるのです。

そして、体内でどのように作用するか違いがあります。最も大きな違いは、母から子宮の胎児に渡される時に起こります。

食物中にもともと含まれている天然αートコフェロールは単一の化合物です。一方、合成のαートコフェロールは、8つの異なる立体構造を持つ分子の混合物になってしまうのです。

この8つの中で、1つだけが自然に存在する形と同一です。残りの7つは、自然界には存在しません。

ある製品に含まれているαートコフェロールが、天然なのか合成なのかを見分けるのは、成分表示を読むことが唯一の方法です。

天然はdの一文字だけが頭についていたら天然(dーαートコフェロール)

合成はdlの二文字がついていたら合成(dlーαートコフェロール)

そして製品にdとdlとも表示されていない場合は、それが合成であるとみて間違いありません。

また天然と合成の差は大きいく、カナダの化学者キース・インゴールドとグレアム・バートンの研究によると。

1.天然αートコフェロールには、合成に比べ2倍の生物学的活性がある。これは、公式にいわれていた36パーセントよりずっと高い。

2.天然αートコフェロールは、合成αートコフェロールよりも3倍効率良く、母親の胎盤を通り抜けて胎児にまで達することができる。

3.組織内でビタミンEの濃度が上がる速度は非常に遅い。肝臓など比較的速い器官もあるが、筋肉などは数週問かかり、脳などの神経組織ではさらに長くかかる。

このように天然と合成の違いがはっきりと出たのです。

ビタミンEとアルツハイマー型認知症

カリフォルニア大学サンディエゴ校紳経科学科でアルツハイマー型認知症の研究が行われました。

まず、六つの大きな医療センターに入院中の、中程度のアルツハイマー病患者341人が、無作為に四つのグルーブに分けられました。

四つのグルーブの患者には、それぞれプラセボ(偽薬)、セレギリソ(抗パーキンソン病薬)、ビタミンE、ビタミンEとセレギリンが二年間投与されました。

結論は、ビタミンEまたはセレギリンを投与した者は、記憶の喪失、入浴ができない、服が着られないなどという、この病気特有の症状を6、7カ月遅らせることができた、というものでした。

この研究結果によりアメリカ精神医学協会は、アルツハイマー型認知症などの認知症の治療についてのガイドラインを変更したほどです。

そしてビタミンEは、その枠組みの中でも非常に傑出した存在になったのです。

ビタミンEの最も傑出していた点は、副作用がないことです。

アルツハイマー型認知症に使用される薬物には副作用があるものもあり、その影響は、体の動きをコントロールできなくしたり、遅発性ジスキネジア(運動障害)を起こすなど深刻なものもあります。

またアルツハイマー型認知症だけでなく、他の脳神経系の病気の予防にも役に立たないのでしょうか。

実はこれにもビタミンEは、非常に有望なのです。

ビタミンEによる認知症予防

アルツハイマー型認知症治療に関する米国精神医学協会の公式ガイドラインに、ビタミンEが取り入れられたことはすでに触れました。

しかし、ビタミンEが最も効果を発揮するのは、何より神経系疾患の予防においてであると考えられています。

バーキンソン病とハンチントン病を例にしてみましょう。

一つは、オランダのロッテルダムで行われ研究です。

これは、55歳ら95歳被験者5342人を対象に行われました。

結果、ビタミンEやビタミンC、βーカロテン、フラボノイドといった抗酸化物質を摂取している人は、パーキンソン病の発生率が低いことがわかりました。

中でもビタミンEの効果は最も高く、服用量の増加に伴ってその効力も増加しました。

二つ目の研究は、早期のパーキンソン病患者800人を対象にしものです。

こちらは、合成ビタミンE(合成αートコフェロール)の大量投与を平均14ヵ月続けても、病気の進行を遅らせることはなかったとしています。

この二つの研究結果は矛盾しています。しかし、次にあげる研究によってビタミンEの効果が分かりました。

それは、ハンチントン病患者を対象とした研究です。この研究では、大量の天然ビタミンE(天然αートコフェロール)とプラセボを、それぞれ73人の被験者に投与して経過を観察しました。

グループ全体を見ると、ビタミンEによる効果はないようにも見えました。

しかし、病気が非常に早期の段階にある患者に限ってみると、ビタミンEは明らかに効果があったのです。

これらの結果は、ビタミンEは、病気の予防や、非常に早期の段階でなければ効果が薄いことを意味しています。

病気と診断される頃(すなわち早期以降の段階)では、もはやその効果は期待できないのです。

脳血管性認知症に対する研究

これは、ハワイ大学が行ったハワイ在住の日系人高齢男性(71~93歳)3385人を対象とした、ビタミンEおよびビタミンCの摂取と認知症および認知機能の関連を探った研究です。

被験者は1982年のインタビューと1988年のアンケートで、ビタミンEおよびビタミンCサプリメント摂取の有無、認知症の有無が調査されており、さらに1991年から93年にかけて、認知症の予防や進行についての調査、そして認知機能に関わるテストが行われました。

結果、ビタミンEとビタミンC両方を摂取していた被験者は、脳血管性認知症にかかる率が非常に少なかったことがわかりました。

またこのグループでは、他のタイプの認知症予防に対しても効果があったことが確認されています。

ただし、アルツハイマー型認知症に関しては有意な効果は見られなかったとしています。

認知機能テストでは、ビタミンEかビタミンCのどちらか一方を摂っていた被験者の成績が最も良く、両方摂っていた被験者の成績はやや良かったという程度でした。

レポートの結論は、ビタミンEとビタミンCのサプリメントが、高齢者の脳血管性認知症を予防し、認知機能を向上させる効果が認められたとなっています。

ビタミンEが不足すると不妊症になる


ビタミンEは別名「トコフェロール」とも呼び、「トコ」は子供を産む「フェレン」は妊娠「オール」はアルコールを意味します。

この事からわかるように、ビタミンEは不妊の研究から、発見されたビタミンなのです。ビタミンEの妊娠に関する治験は、人道上の理由から行われていませんが、動物実験からは、十分効果があることが、判っていますので、人間でも効果があると考えられています。

ビタミンEの抗酸化効果


ビタミンEの抗酸化作用の特徴は、脂溶性であるため、細胞膜に埋め込めるので、ビタミンEは細胞膜の中に入ってきた活性酸素を、消去できることです。このことは水溶性の抗酸化物質では、細胞膜に入れないので、できないのです。

またビタミンEは、活性酸素による悪玉(LDL)コレステロールの酸化も、防いでくれます。この効果により血栓を予防し、心筋梗塞や脳卒中を防いでくれます。

ビタミンEは活性酸素を消去すると、抗酸化効果を消失しますが、ビタミンCαーリポ酸がビタミンEに働きかけて、再び抗酸化能力を回復させます。このためビタミンEを使用する時は、ビタミンCとαーリポ酸を併用するのが効果的です。

ビタミンEの心臓病予防


心臓病の発生率と、血液中のビタミンE濃度が逆比例することが、判っています。血液1リットル中にビタミンEが20マイクロモル以下になると、心臓病の発生率が非常に高くなります。

実際、大規模な免疫研究がいくつも行われていて、その結果は、ビタミンEの摂取量に比例して、心臓病の発生率は低下していました。これらの研究の中での最高摂取量は、サプリメントで1日67mgでした。

ビタミンEの老化や更年期障害の防止作用


老化の原因の1つとして、過酸化脂肪があげられます。これは摂取した脂肪が、酸素によって酸化されたものです。

過酸化脂肪は、脳卒中や心臓病の原因になりますが、細胞膜にも悪影響を与えます。細胞膜が劣化は体全体の劣化つまり、老化につながるのです。ビタミンEはこの過酸化脂肪を、防止してくれます。

また更年期障害は、加齢による女性ホルモン「エストロゲン」の生産不足が原因ですが、ビタミンEは、この女性ホルモン「エストロゲン」の分泌を促進してくれます。

ビタミンEによる貧血予防


ビタミンEが不足すると、細胞が老化することは、先ほど述べましたが、赤血球も老化します。赤血球の老化は特に著しく、酸化した赤血球は大変壊れやすくなるので、赤血球不足に陥り貧血を起こすのです。

ビタミンEの白内障とがん予防効果につて


現在ビタミンEの白内障とがん予防効果については、現在、検証中で結論にまでには、いたっていません。

改善が期待できる症状


動脈硬化 脂質異常症 不妊症 更年期 美肌 心臓病 貧血

ビタミンEが含まれる食品


アーモンド ニジマス ヘーゼルナッツ  西洋カボチャ ヒマワリ油

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ビタミンEの飲み方


1日15mgを食後に、脂溶性なので油分と一緒に服用してください、上限は600mg~800mgです。またダメージを受けたビタミンEはビタミンCα-リポ酸に修復されるので、ビタミンCとαーリポ酸と一緒に摂ると効果的です。


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