脂質異常症(高脂血症) [生活習慣病]
目次- 脂質異常症(高脂血症)の原因
- 脂質異常症(高脂血症)の対策
- 脂質異常症(高脂血症)に効果効能があるサプリメント
- サプリメント以外での予防改善
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関連情報
- 低GI食品
- 糖尿病のインスリンポンプ
- 糖尿病の膵島(すいとう)移植
- 糖尿病の合併症
- 糖尿病性潰瘍や壊疽などに「創傷ケアセンター」
- インスリンが突然枯渇する劇症1型糖尿病
- 2型糖尿病向けの新しい治療薬「インクレチン関連薬」
脂質異常症(高脂血症)の原因
脂質異常症(高脂血症)の原因は食事にとる糖類や脂肪分の摂り過ぎによるもので、血液中のコレステロールと中性脂肪が増え過ぎて、血液がドロドロになります、血液がこのような状態になりますと動脈硬化や血栓を起こす原因にもなります。脂質異常症には診断基準により4タイプの分類されます。
1、高コレステロール血症
2、高LDL(悪玉)コレステロール血症
3、低HDL(善玉)コレステロール血症
4、高トリグリセリド(中性脂肪)血症
脂質異常症の診断では現在、高LDL(悪玉)コレステロール血症の検査を重要視しています。
脂質異常症(高脂血症)の対策
脂質異常症の対策としては、カロリー制限と食生活の改善がポイントになります。脂質異常症(高脂血症)に効果効能があるサプリメント
サプリメント選びのワンポイント・アドバイス





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サプリメント以外での予防改善
食事では肉類や甘いものバターなどを減らして、魚類や植物性タンパク質、植物油(オレイン酸のオリーブ油、ナタネ油)野菜を増やしてください、もし肉類を食べたい場合は鶏肉の脂肪が牛や豚の脂肪より固まりずらいので鶏肉を選んでください。生活面ではタバコやアルコールを控えて、適度な運動を心掛けてください。特にタバコはHDL(善玉)コレステロールを減らし動脈硬化を進めますのでなるべく禁煙してください。
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関連情報
低GI食品の効果効能
低GI食品とは
低GI食品とは、糖分の吸収をおだやかにして、肥満や糖尿病の改善や予防に効果がある食品のことです。
人は食事をすると、腸から糖分が吸収されて、血糖値が上がりますが、食品の種類によって、血糖値の上がるスピードがちがいます。この血糖値の上がるスピードを数値化したものが、グリセミックインデックス(GI=グリセミック指数)といいます。
このグリセミックインデックス(GI)の数値が低い食品は、血糖値の上がるスピードが遅く、「低GI食品」とよばれています。この逆で数値が高い物が、上がるスピードが早く「高GI食品」と呼び、中間の食品は「中GI食品」になります。
各GI値は以下のようになります。
低GI食品 GI値55以下
中GI食品 GI値56~69
高GI食品 GI値70以上
低GI食品の代表的なものは、海藻類(GI値20以下)や野菜(30以下)、大豆(30)などで、高GI食品には精製された加工食品が多く、白米(85)そうめん(80)、フライドポテト(85)などがあります。
低GI食品がすぐに消化されないのは、未加工食品のため食物繊維などの「不純物」を多く含み、この「不純物」によって消化酵素による高速分解から守られるためです。
低GI食品の肥満への効果
先ほど説明したように、人は食事を摂ると血糖値が上がりますが、膵臓(すいぞう)からホルモンのインスリンが分泌されて、血糖値を下げてくれます。このインスリンは血液中の糖類を、グリコーゲンや脂肪に変えて肝臓に蓄積させ、筋肉に吸収させて、血糖値を下げるのです。
インスリンによって筋肉に吸収させた脂肪が、肥満の原因である体脂肪なのです。つまりインスリンは「肥満ホルモン」とも言えるのです。このためインスリンのコントロールが、重要になってくるのです。
白米などの高GI食品ですと血糖値が急激に上昇しますので、インスリンが過剰に大量に分泌されます。このため脂肪が大量に体に蓄えられていき、肥満になっていくのです。そのうえ過剰なインスリンによって、血糖値が下がりすぎて、「低血糖」の状態なります。
人は血糖値が上がっているときは、満腹感を感じ、下がっている「低血糖」の時は空腹を感じるのです。このため高GI食品を食べた1~2時間後には、もう「空腹感」を感じてしまい、また食べてしまうのです。
このように高GI食品を食べると血糖値が急上昇して、インスリンが大量分泌され、余分なカロリーは脂肪として蓄積されていき、肥満の原因となります。
低GI食品はこの逆で、血糖値の上昇がおだやかなため、インスリンの分泌が適正量に抑えられ、血糖値の急降下もないので「空腹感」も感じず、肥満を防いでくれます。
低GI食品の糖尿病への効果
低GI食品は糖の吸収がおだやかなため、インスリンがあまり効かなかつたり、分泌量が少ない、糖尿病Ⅱ型の方の食事療法として使われている食品です。
血糖値の上昇がゆるやかなため、インスリイの分泌も適正な量しか分泌されないため、膵臓(すいぞう)への負担も軽減されますので、糖尿病の予防にもなります。
食品のGI値
低GI食品(GI値55以下)
食品名 | GI値 | 食品名 | GI値 |
海藻類 | 20以下 | オレンジジュース | 46 |
野菜・キノコ類 | 30以下 | 肉・魚介類 | 55 |
大豆 | 30 | パスタ(全粒粉) | 55 |
果糖 | 23 | 玄米 | 55 |
プレーンヨーグルト | 25 | ライ麦パン | 55 |
牛乳 | 30 | そば | 54 |
バター | 30 | アイスクリーム | 50 |
レンズ豆 | 30 | キウイ | 52 |
卵 | 30 | バナナ | 53 |
リンゴ | 38 | サツマイモ | 54 |
ブドウ | 46 | マンゴー | 55 |
中GI食品(GI値56~69)
食品名 | GI値 | 食品名 | GI値 |
レーズン | 57 | 砂糖(ショ糖) | 65 |
パスタ | 65 | マスクメロン | 65 |
パイナップル | 66 | パン(全粒粉) | 69 |
高GI食品(GI値70以上)
食品名 | GI値 | 食品名 | GI値 |
精製白パン | 70 | プェッツェル | 81 |
白米 | 85 | コーンフレーク | 84 |
ベーグル | 72 | もち | 85 |
スイカ | 72 | うどん | 85 |
シリアル(オート麦) | 74 | ハチミツ | 75 |
ドーナッツ | 86 | マッシュドポテト | 90 |
シリアル(小麦) | 76 | ベークドポテト | 95 |
フライドポテト | 85 | マツメヤシの実 | 103 |
そうめん | 80 | 麦芽糖 | 105 |
糖尿病のインスリンポンプ
インスリン製剤の治療
1型糖尿病は、インスリンが出なくなるため、毎日のインスリン製剤の注射が一生欠かせません。
インスリンの分泌を詳しくみると、膵臓から常に少しずつ分泌される「基礎分泌」と、食事で血糖値が高くなると多く出る「追加分泌」があります。
1型糖尿病のインスリン製剤の治療では
1.基礎分泌に相当し、効果が長時間続くタイプを就寝前に注射する
2.すぐに効果が表れ、追加分泌にあたるタイプを3度の食事の前に使うなど、1日数回の注射が必要です。
しかし、量や注射のタイミングがうまく調整できないと、効き過ぎて低血糖になったり、足りずに高血糖になったりすます。
インスリンポンプ
インスリンポンプは、携帯電話サイズのインスリン注入器で、患者の腹やももなど、皮膚の下に入れたカテーテル(細い管)から、薬を注入します。一気に注入する注射と異なり、微量のインスリンを24時間、自動的に流し続けます。これは基礎分泌に相当します。
インスリンポンプは、本体は服のポケットに入れて持ち運ぶことができますので、食事前などにスイッチを押せば、追加分泌に相当する量を追加注入できます。
安定した血糖管理ができ、低血糖や高血糖の危険を減らせます。血糖値が上がりやすい夜中や明け方に増やすなど、注入量を時間帯に合わせて設定できる機種もあります。
カテーテルの交換は1日または3日に1回でよく、注射する痛みや手間が少ない点も長所です。米国の研究では、注射に比べ、ポンプを使った方が血糖の管理が良く、低血糖の発生回数も少なかったそうです。
このようにインスリンポンプは、膵臓の自然な分泌に近い注入が実現できる、簡単で安全な治療法です。低血糖でけいれんなどの重い症状が頻繁に表れる人や、食事や睡眠が不規則な人などにもインスリンポンプが向いていると言います。
ポンプを使うには医師の診察が必要です。保険がきき、患者の自己負担は、3割負担なら注射療法に比べて1か月3000円高くなります。
関係サイト
糖尿病の膵島(すいとう)移植
Ⅰ型糖尿病患者が対象の膵島(すいとう)移植
重い糖尿病患者に、臓器提供者から心配停止後の採取した膵島を移植するのが「膵島(すいとう)移植」 です。糖尿病の根治が期待でき、臓器そのものを移植する膵臓移植に比べ、手術が簡単にすむなどの利点が あります。
インスリンは膵臓の膵島(ランゲルハンス島)と呼ばれる細胞の塊の中にある、β細胞で作られます。15 歳以下の小児期に発病しやすいⅠ型糖尿病では、この細胞が徐々に破壊されて、インスリンが分泌されなく なるため、インスリンの注射が必要になるのです。糖尿病の膵島移植はこうした、Ⅰ型糖尿病患者が対象に なります。
膵島移植の方法
膵島移植は、まず臓器提供者から摘出した膵臓組織を酵素でばらばらにして、膵島だけを回収します。こ れを患者の肝臓にある、門脈と呼ばれる血管に点滴注射します。門脈内が最も、膵島が定着しやすいためで す。定着した膵島は、血糖値の増減を感知して、インスリンを分泌するようになります。
1か月ほど入院して治療し、通常は1回の移植で血糖コントロールが大幅に改善しますが、根治を目指し て、移植は3回まで行われます。
膵島移植は臓器移植と比べて、メスを使わずに局所麻酔だけの1時間弱で終わりますので、患者の負担が 非常に少ないです。ただし膵島移植の場合も免疫抑制剤が必要で、口内炎や高コレステロール血症などの副 作用があります。
関連医療機関
糖尿病性潰瘍や壊疽などに「創傷ケアセンター」
糖尿病性潰瘍や壊疽
糖尿病が悪化しますと、動脈硬化が進んで足の血管が詰まり、皮膚や骨が膿む壊疽(えそ)を起こします 。この場合は、足を切断するケースが多いです。
このような糖尿病性潰瘍や壊疽(えそ)の患者は増えており、70万人とも推定されています。このほか 、動脈や静脈の血流障害による潰瘍、床ずれ(褥瘡:じょくそう)など、なかなか治らない傷を総称して「 慢性創傷」と言います。
しかし、慢性創傷を治す体系的な技術や知識を持った医師は、日本にはほとんどいないのが実情です。担 当の診療科も決まっていません。
内科は糖尿病の治療はできるが、足の傷は不得手です。一方、骨を治療する整形外科も、細菌感染を伴う 場合は治療を避けがちになります。足の切断は、医師の治療経験が乏しい場合もあると言われてます
創傷治療の「創傷ケアセンター」
そこで、創傷治療が進んだ米国の医療マネジメント会社が、専門病院から検査・治療法などの情報を集め 、日本の病院での治療に導入したのが「創傷ケアセンター」です。腐りかけた足などの「再生」を目指しま す。その最も重要な鍵となるのが「血流」です。
専用の検査機器で血流を調べ、ある程度血流があれば、腐った部分切除して組織の再生を促します。血流 が足りないなら、バイパス血管を植えるなどの治療を行い、足の切断を回避します。
医療マネジメント会社は、このような治療手順書を病院に提供し、担当の医師や看護師には米国で研修を 受けてもらいます。実際の診療では、傷の大きさ、状態などの診療記録を送ってもらい、問題点を指摘した うえ、米国の創傷専門医との電話検討会を通し、治療法について助言します。
練馬総合病院など比較的治療経験の長い全国5か所の創傷ケアセンターでは、14週間以内での治癒率は 平均7割。別の病院で「足の切断が必要」と言われた患者のうち、4割は切断を回避できた。治療には保険 が使えます。
関係医療機関
インスリンが突然枯渇する劇症1型糖尿病
劇症1型糖尿病とは
糖尿病には、患者のほとんどを占める生活習慣病の2型糖尿病と、インスリンが分泌されないために起こる1型糖尿病があります。1型は糖尿病全体の5%程度と少ないですが、小児で多く、急性に発症するのが特徴です。
その1型の中でも、極めて急激に発症する「劇症型」があることを大阪医大内科助手の今川彰久さんらが2000年、米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに初めて報告しました。
日本糖尿病学会は実態を把握する委員会(牧野英一委員長)を設置し、2004年2月、診断基準などを発表しました。委員11人の医療施設で過去10年間に1型患者の222中43人(19%)が「劇症型」とみられています。
劇症1型糖尿病の特徴
劇症型の平均血糖値は約800(ミリ・グラム/デシ・リットル)と、健康人(食後で140未満)の5倍以上もあり、1000を超えることも珍しくありません。にもかかわらず、過去2か月の平均血糖値を示すヘモグロビンAlcは、平均6.4%(正常値5.8%未満)と、それほど高くないのが際立った特徴です。
これは極めて短期間にインスリン分泌がなくなることを示しており、通常の健診ではわかりません。
男女差はほとんどなく、平均発症年齢は40歳前後。女性は妊娠中や出産後の発症が多いのも特徴です。調査委の報告でも妊娠中に発病した場合、胎児は助からないことが多かったです。
患者は風邪や腹痛といった症状で受診することが多いです。ある男性(42)は口の渇きやおう吐で病院に行き、薬をもらって帰宅しました。翌日、救急外来を受診しましたが、帰宅するよう言われました。翌日こんすい状態に陥り、間に合わず死亡しました。
大阪医大内科教授の花房俊昭さんは、「急激に進行するため、治療が遅れると命にかかわります。多い病気ではないのですが、特に開業医は、この病気のことを頭に置いておいてほしい」と警告しています。原因は不明ですが、急激に発症することなどから、ある種のウイルス感染が引き金ではないかと疑われています。
発症時の治療には、生理食塩水の大量補液と、インスリン療法が行われる。症状が落ち着いた後もインスリンを分泌する能力は失われているため、普通の1型糖尿病と同様のインスリン治療が必要です。
1型糖尿病と2型糖尿病の違い
1型では、膵臓のランゲルハンス島という組織にあるB細胞が、何らかの原因で破壊されてしまい、インスリンを分泌することができなくなります。このため、血糖値を正常に保つために、インスリンを注射によって外部から補給する必要があります。
一方、2型では、B細胞から分泌されるインスリンの量が不足して血糖値が下がらないケースと、インスリンの量は十分あるのに肝臓や筋肉などでの効きが悪く(インスリン抵抗性と呼ばれる)血糖値が下がらない、2つのケースがあります。
全国で740万人と言われる糖尿病患者の95%は、食事や運動不足といった生活習慣による2型が占めています。
関係医療機関
2型糖尿病向けの新しい治療薬「インクレチン関連薬」
インスリンの分泌を促す「インクレチン関連薬」
糖尿病の新しい治療薬が、相次ぎ登場しました。これまでの薬ですと低血糖や体重増を招くこともありましたが、多くの患者でこうした弊害を回避でき、血糖値の改善効果が出始めています。一方で既存薬との併用や切り替えに問題がある例も報告され、新たな課題となっています。
2009年12月以降、糖尿病の9割以上を占める2型糖尿病向けに相次ぎ登場したのは「インクレチン関連薬」です。インクレチンはホルモンの一種で、食事をすると腸管から出て膵臓(すいぞう)に働きかけ、血糖値を下げるインスリンの分泌を促すうえに、グルカゴンと呼ぶ血糖値を上げるホルモンが出るのも抑えてくれます。
インクレチンの特長は、血糖値が高い時だけ働くことです。そして2型糖尿病の人はこのインクレチンが出にくいことがわかっていました。そこで開発されたのが、インクレチンの一種「GLP―1」に似た人工ホルモンの注射薬「GLP―1受容体作動薬」と、「GLP―1」を壊してしまう酵素の働きを抑える飲み薬「DPP―4阻害薬」です。国内では注射薬が1種類と飲み薬3種類(4製品)が販売されています。
「インクレチン関連薬」による糖尿病治療
都内在住の伍々早苗さん(58)は、8年ほど前から糖尿病の治療をしています。膵臓のβ細胞に直接働きかけてインスリンを出す血糖降下薬で治療してきましたが、1~2カ月間の血糖値平均値(HbA1c)は正常値の2倍以上の12%で、血糖コントロールができませんでした。
そこで伍々さんにGLP―1受容体作動薬の注射薬「ビクトーザ(一般名リラグルチド)」を使用してみたところ、2週間後に血糖値平均値(HbA1c)が10.7%、4カ月後には6.2%に下がりました。伍々さんは「注射には抵抗もありましたが、痛みは少なかったです。最初は悪かったおなかの調子も治まり、怖いぐらいに効いています」と話しています。体重も1キログラム減りました。
肥満体形で25年前から糖代謝に異常があり、放っておくと糖尿病に移行すると医師からいわれていた東京都練馬区の本合雅史さん(61、仮名)も、飲み薬のDPP―4阻害薬「グラクティブ(一般名はシタグリプチン)」を毎朝1回服用しました。半年でHbA1cは6.4%から正常値に近い同5.9%に下がりました。体重増加も、ありませんでした。
2人の治療にあたった菅原医院(東京・練馬)の菅原正弘院長は「インクレチン関連薬だと、低血糖も体重増加もみられず、患者さんの満足度も高い」と評価しています。
「インクレチン関連薬」は低血糖を回避
低血糖の症状は、血糖値が正常値の下限とされる血液1デシリットル中70ミリグラム未満になると、起きことが多いいです。目まいや頭痛、吐き気に始まり、ひどくなると失神します。こうした 低血糖症状を経験すると薬を飲むのが怖くなり、服薬をさぼり血糖コントロールを悪化させる一因でもありました。
従来の治療薬は血糖値を確実に下げる一方、「低血糖により耐え難い空腹感が生じ、さらに食べて太るという課題があります」と東京大学の門脇孝教授は話します。太れば脂肪が出す物質の影響で、インスリンが効きにくくなります。
「新薬は従来薬と比べ、血糖降下作用はそれほど強いわけではありませんが、併用でスルホニル尿素(SU)薬の量を減らせるのが利点になります」。こう話すのは多摩センタークリニックみらい(東京都多摩市)の宮川高一院長です。
スルホニル尿素薬はインスリンの分泌を促進させる薬で、国内で最も多く使われている治療薬ですが、低血糖を起こしやすかったり、長期に大容量で飲み続けたりすると、膵臓のβ細胞が疲弊する原因にもなるといわれています。
治療の初期に新薬との併用などでスルホニル尿素薬の量を減らせば「高齢になってどうしても血糖値 が下がらなくなった段階でスルホニル尿素薬を増量していける」と宮川院長は話します。
「インクレチン関連薬」の副作用
もちろん、「インクレチン関連薬」にも副作用はあります。60代の男性2人が、従来のインスリン製剤からGLP―1受容体作動薬の注射薬に切り替えたところ、高血糖を起こして血液中に代謝産物が異常に増え、死亡しました。DPP―4阻害薬をスルホニル尿素薬と併用する65歳以上の高齢者を中心に、重症の低血糖を起こす事例も続きました。
死亡例が出たことに専門医らは「新薬の使用は患者自身のインスリンが一定量出ていなければならない」と強調します。発症時からインスリンが不足する1型糖尿病や長期に2型糖尿病を患い、既にインスリンが枯渇している人には使えません。
東京女子医科大学の岩本安彦教授は「新薬による治療の前に、インスリン量が不足していないかをきちんと検査して確かめなければならない」と指摘します。
また、スルホニル尿素薬との併用者に起こった極端な低血糖は「科学的には分かっていません。ただ、スルホニル尿素薬の効き目を高めた可能性もあります」と岩本教授は話します。岩本教授らは高齢者や腎機能が低下している人には、スルホニル尿素薬を減量するよう推奨しています。
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