肝機能障害・肝硬変の亜鉛補充療法
肝臓病と亜鉛不足
亜鉛は、体内で300種類以上の酵素の働きに関わる必須ミネラルです。
日本の慢性肝疾患・肝硬変の患者さんでは、血清亜鉛が低い「亜鉛欠乏」が非常に多いことが報告されています。
亜鉛が不足すると、
- 食欲不振・味覚異常
- だるさ・易疲労感
- 皮膚炎・脱毛
- アンモニア代謝の低下による高アンモニア血症(肝性脳症の悪化要因)
など、肝臓病をさらに悪化させる症状が出やすくなります。
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亜鉛補充療法の目的
肝硬変をはじめとする慢性肝疾患では、亜鉛を補うことで次のような効果が期待されています。
- アンモニア代謝の改善(肝性脳症の予防・症状軽減)
- アルブミン合成やエネルギー代謝のサポート
- 味覚異常の改善による栄養状態の改善
日本の実臨床やガイドラインでも、亜鉛欠乏をきちんと測定し、不足があれば補充することが推奨されています。
どのように亜鉛を補うか
亜鉛補充療法では、
- 食事からの摂取(肉・魚・貝類・卵・大豆製品など)を見直す
- 必要に応じて、医師の指示のもと医療用の亜鉛製剤を使用する
といった方法がとられます。
肝硬変や肝性脳症を伴う症例では、亜鉛製剤と分岐鎖アミノ酸(BCAA)製剤の併用が有効とする報告もあります。
注意すべき副作用
- 吐き気・胃部不快感・便秘・下痢などの消化器症状
- 長期・高用量では、銅欠乏による貧血や白血球減少を起こすことがある
そのため、医療用亜鉛製剤を使う場合は、
- 定期的な血液検査(亜鉛・銅・血算など)
- 腎機能・肝機能のチェック
を行いながら、安全な範囲で投与量を調整します。
この記事の位置づけ
このページは、肝機能障害・肝硬変における亜鉛補充療法の役割をまとめたものです。
亜鉛はサプリメントとしても市販されていますが、肝臓病のある方が自己判断で長期間服用するのは注意が必要です。
血液検査で亜鉛や銅のバランスを確認しながら、肝臓専門医の指示にしたがって補充することが大切です。
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