虫歯治療の3Mix(ミックス)-MP法
歯の自己修復能力
虫歯は、口の中にいるミュータンス菌など様々な細菌が、食べかすなどから酸を作り、酸が歯を溶かすことで起こります。虫歯部分にはびこる細菌を退治すれば、歯を削らずに虫歯の進行を抑え、歯の持つ自己修復能力により、元の歯に戻すことができます。
これが「3Mix(ミックス)-MP法」による治療の考え方です。細菌を殺す三種類の抗菌薬と、薬剤を浸透させる軟膏などの頭文字をとってこう呼ばれています。
歯は、表面の硬い「エナメル質」、その下の「象牙質」、血管や神経が走る「歯髄」の三層構造でできています。虫歯がエナメル質にとどまっているうちは、痛みはないが、象牙質まで進行すると痛みがでることがあります。象牙質は「象牙細管」という細いチューブが集まってできていて、歯髄の神経につながっているからです。
象牙質に達した虫歯の治療では、虫歯で色が変わった部分を削り、そこを消毒液で殺菌して金属などをかぶせるのが一般的です。しかし、細管に潜む菌まで完全に殺すことは難しく、しばらくたつと虫歯が広がり、再び歯を削るケースが多いです。
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虫歯治療の3Mix(ミックス)-MP法
3Mix-MP法は、この弱点を克服する手法です。虫歯部分に抗菌薬を塗り、樹脂などでふたをすると薬で細菌が死滅します。細菌で破壊された部分にカルシウムが沈着し、約一年後には象牙質部分が元のような状態に回復します。
一度処置すれば、抗菌効果は長期間続きます。虫歯が歯髄まで達し、通常なら歯髄を抜く治療が必要な重度の虫歯でも、九割以上のケースで、一ヶ月後にはほとんど削らずに痛みが消えるそうです。3Mix-MP法は虫歯は削って治す、という従来の常識を覆す手法です。
この治療で使う抗菌薬は、メトロニダゾール、ミノサイクリン、シプロフロキサシンの三種類です。この三剤に軟膏のマクロゴール(M)プロピレングリコール(P)を加えることで、歯の中への抗菌薬の浸透性が高くなります。
いずれの薬も内科などで使われていて、使う量は微量なので安全性には問題はないと、されています。保険の適用はありませんが、薬剤費は歯一本あたり約5円で、負担は従来の虫歯治療と変わりません。
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