サプリメント事典

-口臭-

口臭

目次
  • 口臭の原因
  • 口臭の対策
  • 口臭に効果効能があるサプリメント
  • サプリメント以外での予防改善

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口臭の原因

口臭の原因は主に口の中に残った食べカスが、口腔内の細菌によって腐敗発酵して硫化水素などのガスを作り出すことにより発生します。

この他の口臭の原因には、胃の中のピロリ菌が出すアンモニア臭や腸内の異常発酵によるガスが吐く息から出たり、歯周病により歯肉の膿からでる臭い、最近では唾液の分泌が少なくなるドライマウス(口腔乾燥症)により唾液で食べカスを洗い流せないために口臭が起きるなどの要因があります。

糖尿病や腎臓、肝臓などの内臓疾患によっても強い口臭が起こりますので、この場合は病院で検査を受けてください。

口臭の対策

口臭の対策としては、大半が食べカスが原因ですので歯や舌の表面を清潔に保つことがポイントになります。

歯周病が原因の場合はこちらをクリックしてください。

歯周病に効果効能があるサプリメント

口臭に効果効能があるサプリメント


サプリメント選びのワンポイント・アドバイス

カテキンには消臭と殺菌作用がありますので、濃い熱いお茶や抹茶で効果的に摂ってください。

フコイダンはヘリコバクター・ピロリ菌を吸着して体外に排出する働きがあり、胃の粘膜の保護や修復をします。

乳酸菌は腸の善玉菌を増やすので、腸内の異常発酵を抑制し口臭を防ぎます。

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サプリメント以外での予防改善

食事の時は良く噛んで唾液の分泌を活発にする習慣をつけましょう、唾液は口の中の食べカスを洗い流してくれる上に、胃の消化を助けてくれますので食べ物が胃に残って発酵するのを防いでくれます。

食後は歯ブラシで歯や舌を清潔に保つように努めてください、口腔を常に衛生にしてると風邪の予防にも効果があります。

ドライマウス(口腔乾燥症)の人は、フラボノイド(カテキン)入りのガムを噛んで唾液の分泌を促進する習慣をつけましょう。



関係サイト ドライマウス研究会


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歯周病の歯科薬剤到達システム(3DS)

歯周病菌が増殖すると、日常的な歯磨きでは除去できません。歯周病菌は本来、酸素に触れると死滅する弱い菌ですが、それゆえ身を守るすべを持っています。糖類などでできた無色のネバネバした膜(バイオフィルム)を張り巡らし、その中で増殖します。

バイオフィルムは歯ブラシでは取れないため、歯科での専門的な治療が欠かせません。細菌の死骸(しがい)などが固まった歯石を除去した後、専用の器具で研磨剤を塗った歯の表面を磨き、バイオフィルムを除去します。この研磨の操作は歯面清掃(PMTC)と呼ばれています。

しかし、それでも取りきれないしつこい歯周病菌もあり、この場合に行われるのが、歯科薬剤到達システム(3DS)です。

マウスピースの内側に、うがい薬にも使うヨードを含んだ薬剤を塗ります。1日5分、歯にかぶせ、1週間続けると、歯面清掃で破損したバイオフィルムの間から薬が染み込み、歯周病菌を退治します。

抗菌剤を使う場合もありましが、副作用の恐れがないヨードで、十分な効果が得られます。

薬を歯と密着させて、効果を引き出すこの方法は、虫歯菌の除菌を目的に考案されたが、3年前から歯周病治療にも用いられ始め、8割の患者で、歯周病菌が健康的なレベルまで低下します。

様々な種類がある歯周病菌のうち、歯周病と密接に関係するのは4種類です。抗菌剤を使っても菌を完全になくすことはできないが、これらの歯周病菌が、口内の総菌数のそれぞれ0.1~0.2%程度であれば、歯の健康を保てることが分かってきています。

治療後は丁寧な歯磨きを心がけ、数か月ごとに通院して磨き残し部分の清掃などを行うことで、歯周病菌の増殖を抑えることができます。

これらの治療は、事前に唾液(だえき)検査を行い、歯周病菌の数などを見極めた上で行うことが肝心です。歯面清掃(PMTCと歯科薬剤到達システム(3DS)は、ともに保険が適用されません、費用は医療機関によって異なるますが、数万円程度です。

関係医療機関 日本歯科大学付属病院

歯周組織の再生法「GTR法」と「エムドゲイン」

歯周ポケットが5ミリ以上の深さになりますと、し歯根に固着した歯石やクラープを取り除く外科手術が必要になす場合もあります。しかし手術をしたとしても失われた歯周組織は回復しません。

これに対して、損傷が一部だけなら、歯周組織を再生させる治療法が実用化されました。スウェーデンで開発された「GTR法」と「エムドゲイン」です。

GTR法の意味は「組織再生誘導」で、歯周組織が壊れた部分から細菌が侵入するのを防ぐため、合成繊維でできた特殊な膜を挿入して空洞を作り、歯槽骨などの再生を促す方法です。約5週間後、入れた膜を除去する2度目の手術が必要ですが、最近は数週間で自然に溶け、1度の手術ですむ膜も開発されています。

エムドゲインの方は、組織が失われた部分に、歯周組織の再生を導くゲル状の材料を塗る、簡単な方法です。ゲル状物質の名前がエムドゲインで、歯の発生期に重要な役割を果たす、タンパク質が主成分です。豚の歯の元になる組織から抽出します。再生が確認できるまで3から6週間かかります。

どちらの手法も、まず麻酔をかけて歯肉を切開し、歯根についた歯石などを取り除きます。その後に膜を入れたり、エムドゲインを塗ったりして縫合します。手術は約1時間程度で、入院は必要ありません。歯周組織の再生には数ヶ月から半年かかり、手術後も定期検査が欠かせません。

スウェーデン・デンタルセンターの最近の研究では、数年後まで組織の再生が続くなど、エムドゲインの方が優秀であることがわかり、今後はエムドゲインが主流になりそうです。しかしエムドゲインは、歯根が分かれている奥歯には使えず、前歯など1部の歯の歯周病に限られますし、歯周組織の破壊が、あご全体に広がっている場合も使えません。

保険は適用されず、費用は病院によって異なります。GTR法は検査などに保険がきく、高度先進医療として認められている医療機関もあります。


関係医療機関 スウェーデン・デンタルセンター

歯周病・骨髄液による歯槽骨再生 

歯が失われる原因で、最も多いのは歯周病です。歯と歯茎の間にたまる歯垢に含まれる細菌によって、歯茎が赤く腫れて、進行すると、歯を支える土台の歯槽骨まで破壊させます。

歯槽骨が失われた場合、これまで骨を移植するなどをしていましたが、名古屋大学では、患者本人の骨髄から採取した細胞を使って、歯槽骨をなど歯の周囲の組織を再生させる治療法を開発し、2002年に同大学病院に「再生歯科外来」を開設しました。

培養した細胞などを利用して、様々な臓器や組織をよみがえらせる再生医療の中で、最も実用化が進む分野の一つです。治療では、まず患者の腰骨にごく細い針を刺して、骨髄液を2ミリリットルほど採取します。全身麻酔や入院などの必要はなく、15分ほどで済みます。骨髄には、骨や筋肉、血管などに分化する幹細胞が含まれていて、4週間かけて培養し、約10万倍に増やします。

培養した幹細胞に、骨などへの分化を効率よく促すために、患者の血液から取り出した血小板を加えて、注射器で歯槽骨の患部に流し込みます。幹細胞は歯槽骨や歯根膜など、歯を支える組織に成長していきます。3ヶ月ほどで患部は、ほぼ完全な状態になるといいます。

骨髄も血液も、患者自身のものを使いますので、拒絶反応の心配もなく、患者さんの負担も比較的少ないのが特徴です。この治療を受ける前に、歯垢を除去するなどの処置を受けて、歯周病自体の進行は止めておかなければなりません。

関係医療機関 名古屋大学病院

歯科矯正デーモンシステム


従来の歯の矯正
歯並びが悪いと、見た目が気になるだけではない。磨きにくい部分が多いため虫歯になりやすく、かみ合わせの問題から、口の開閉がうまくできない顎(がく)関節の異常や肩こりも引き起こしかねません。人前で話すことに負い目を感じたりする場合もあります。そこで広まってきたのが、歯並びを矯正する治療です。

歯列の治療は、まず歯の表面に矯正装置(ブラケット)を接着剤で固定します。これに、あらかじめ骨格に合わせ最適な歯列に調節した形状記憶合金のワイヤを通し、ワイヤが元に戻る力で徐々に歯を動かしていきます。

ただ、歯並びが整って装置が外れるまで、これまでの方法では子供で1、2年、大人では2、3年程度かかり、期間の長さが治療の障害になっていました。さらに、ワイヤを装置に縛りつけて歯に力をかけるため、痛みもあります。

新型装置デーモンシステム
これに対し、「デーモンシステム」と呼ばれる新型装置は、治療期間が約40%短くなり、治療時の痛みも少なくなる場合が多いことが特色です。

新装置では痛みが少ないのは、従来の方法と違ってワイヤを固定せず、装置の内側の透き間にワイヤを通す「ゆとり」の構造のためです。

ワイヤを通すだけでも、形状記憶で元に戻ろうとする力が、歯にかかる舌や唇の圧力を手助けし、ちょうど良い位置に歯が動いていきます。無理に歯を動かすのではなく、人間の生まれ持った力を利用するので痛みも少ないです。

ただ、新型装置には目立ちやすい難点があります。従来の装置はセラミック製の透明のタイプや、歯の裏側に装着するものがありますが、新型は金属製です。上半分が透明の最新型も登場しましたが、歯の裏側に着けることは構造上できません。


関係医療機関 シグマ矯正歯科

虫歯治療の3Mix(ミックス)-MP法


歯の自己修復能力
虫歯は、口の中にいるミュータンス菌など様々な細菌が、食べかすなどから酸を作り、酸が歯を溶かすことで起こります。虫歯部分にはびこる細菌を退治すれば、歯を削らずに虫歯の進行を抑え、歯の持つ自己修復能力により、元の歯に戻すことができます。

これが「3Mix(ミックス)-MP法」による治療の考え方です。細菌を殺す三種類の抗菌薬と、薬剤を浸透させる軟膏などの頭文字をとってこう呼ばれています。

歯は、表面の硬い「エナメル質」、その下の「象牙質」、血管や神経が走る「歯髄」の三層構造でできています。虫歯がエナメル質にとどまっているうちは、痛みはないが、象牙質まで進行すると痛みがでることがあります。象牙質は「象牙細管」という細いチューブが集まってできていて、歯髄の神経につながっているからです。

象牙質に達した虫歯の治療では、虫歯で色が変わった部分を削り、そこを消毒液で殺菌して金属などをかぶせるのが一般的です。しかし、細管に潜む菌まで完全に殺すことは難しく、しばらくたつと虫歯が広がり、再び歯を削るケースが多いです。

虫歯治療の3Mix(ミックス)-MP法
3Mix-MP法は、この弱点を克服する手法です。虫歯部分に抗菌薬を塗り、樹脂などでふたをすると薬で細菌が死滅します。細菌で破壊された部分にカルシウムが沈着し、約一年後には象牙質部分が元のような状態に回復します。

一度処置すれば、抗菌効果は長期間続きます。虫歯が歯髄まで達し、通常なら歯髄を抜く治療が必要な重度の虫歯でも、九割以上のケースで、一ヶ月後にはほとんど削らずに痛みが消えるそうです。3Mix-MP法は虫歯は削って治す、という従来の常識を覆す手法です。

この治療で使う抗菌薬は、メトロニダゾール、ミノサイクリン、シプロフロキサシンの三種類です。この三剤に軟膏のマクロゴール(M)プロピレングリコール(P)を加えることで、歯の中への抗菌薬の浸透性が高くなります。

いずれの薬も内科などで使われていて、使う量は微量なので安全性には問題はないと、されています。保険の適用はありませんが、薬剤費は歯一本あたり約5円で、負担は従来の虫歯治療と変わりません。

関係医療機関 タクシゲ歯科医院

ドライマウス(口腔乾燥症)の原因と治療


ドライマウス(口腔乾燥症)の原因
唾液は、耳の下や舌の下にある唾液腺などから、1日に1.5~2リットル分泌されます。この唾液腺に異常が起き、唾液が少なくなるのが「ドライマウス」です。

原因は様々ですが、最も多いのは「薬の副作用」で、患者のほぼ半数にみられます。抗アレルギー薬や降圧剤、抗うつ剤などには唾液の分泌を抑える作用があるからです。

涙や唾液が出にくくなる疾患「シェーグレン症候群」も原因として多いです。本来は病原体を退治する免疫細胞が、誤って唾液腺を異物として攻撃する自己免疫疾患です。

糖尿病や腎臓病が原因で起きることもあるほか、顔や口のがんで放射線治療を受けて唾液腺が破壊された場合や、強いストレスも一因となります。

ドライマウスが問題なのは、症状が続くと歯周病、虫歯、口臭の原因になるからです。舌がヒリヒリし、味覚に異常を来すこともあります。唾液は、口の中の殺菌や歯の修復(再石灰化)など大切な働きを持っているからだです。

ドライマウスは、唾液検査に、薬の服用状況などを総合して診断します。唾液検査はガムを10分間かみ続け、出た唾液の量を測り、10cc以下だとドライマウスが疑われます。


ドライマウス(口腔乾燥症)の治療
治療は、原因を特定し、除去するのが原則です。薬の副作用なら、薬を変えるか、量を減らします。シェーグレン症候群の場合、根治治療ができないため、口腔内を清潔に保ち、乾燥を防ぐことが重要になります。

最近は、保湿や粘膜の再生を促す作用を持つジェルやスプレーなどの口腔ケア商品が登場しています。
ドライマウスの患者30人(平均年齢62歳)に、市販の口腔ケアのジェルを就寝前に口の中の粘膜に塗ったところ、2週間後、患者の83%が症状が緩和しました。特に食べにくさ、味覚の異常などが改善したそうです。ストレスを避けることも大切です。


関係サイト ドライマウス研究会


顎関節症(がくかんせつしょう)の補てつ治療


顎関節症
顎関節症は(1)口を大きく開けられない(2)あごが痛む(3)口の開け閉めで「カクッ」「ポキッ」という音がするの、三つが主な症状です。20-30歳代前後の若い人に多く、特に女性に目立つといいます。

顎関節症が起きるのは、かみ合わせの悪さ、歯ぎしりや歯を食いしばる癖、さらにはストレスなど精神的なものまで、原因は複合的です。

特に就寝中に歯ぎしりする人は要注意です。無意識に歯を食いしばるため、あごの筋肉が疲れます。関節にも大きな負担がかかります。悪化すると、顎関節の「関節円板」がずれて、あごの骨が引っかかり、ほとんど口が開けられなくなるほど重症化するケースもありまます。

補てつ治療
顎関節症の治療法として、金属スプリントと呼ばれる精巧な矯正具を歯にかぶせる、「補てつ治療」があります。「補てつ」とは、歯が欠けたり抜けたりしたところを義歯や冠で補い、歯の形やかみ合わせを改善する意味の歯科用語です。「補てつ治療」は、これを顎関節症に応用したものです。

治療は次のように進みます。
  1. あごや歯の型をとる。
  2. 患者一人一人に合わせたスプリントを上の歯列に装着し、歯ぎしりなどを防いで筋肉を楽にする。
  3. かみ合わせに問題がある人は矯正する。

これが基本的な流れで、1980年代に徳島大が開発しました。その後、岡山大と新潟大も加わり、現在は三大学での治療が国の高度先進医療に認定されています。まずは保険適用となる樹脂製スプリントを試します。新潟大では「光重合型レジン」という、自由な造形が可能な特殊な樹脂を使います。

それでも症状が改善しなければ、高度先進医療の出番となります。ポイントは、一人一人に合うスプリントを精密に作るため、金属の材料を使うことと、あごの動きを正確に測ることです。

あごは左右一対の関節が連動しながら、上下・前後・左右に動きます。新潟大は、この複雑な動きをとらえるため「TRIMET(トライメット)」という装置を使います。発光素子(LED)8個を内蔵した弓状の金具を患者のあごに固定、LEDの発する光を、三方向から高速撮影します。測定時問は約30分ほどで、誤差は歯列の部分で0.19ミリ程度です。

こうして得たデータと、患者の歯型をもとに、精巧な金属スプリントを作ります。普通のスプリントは食事の際に違和感があって外す必要がありますが、金属スプリントなら、はめたままで食事ができます。耐久年数も3-4年あります。

高度先進医療によるスプリントの完成には、4回通院で約二か月かかりますが効果は高いです。費用は、治療後にあごの動きを再測定するかどうかで異なりますが、おおむね8万-10万円ほどです。

関係医療機関

新潟大学医科歯科総合病院

岡山大学病院

徳島大学病院


自己の歯を再利用するティースバンク(歯の銀行)



ティースバンク(歯の銀行)とは

歯周病や虫歯で歯を失う人は多いいです。そんな時に備え、矯正治療で抜いた親知らずなどの歯を冷凍保存しておくのが、ティースバンクです。広島大病院矯正歯科教授の丹根一夫さんと講師の河田俊嗣(としつぐ)さんらが2004年に設立した企業「スリーブラケッツ」が運営する、世界初の「歯の銀行」です。

保存するのは、原則として小臼歯(しょうきゅうし)と親知らずで、多いのは親知らずです。上下に4本ある親知らずは、生えるのが20歳前後と遅く、生えた時に歯並びが悪くなると、虫歯や歯周病の原因にもなるため、抜歯することが多いからです。

抜いた歯を、別の歯が抜けた部分に移植する治療は「自家歯牙(しが)移植」と言い、既に一部が保険で認められています。ただし、移植した歯が生着するために、通常は抜歯後1時間以内に移植を行います。歯の根っこの周りにある組織「歯根膜」が乾燥などに弱く、短時間で死ぬためです。

河田さんは、歯根膜が付着した状態で、長期に歯を凍結保存する方法を研究しました。試行錯誤を重ね、着目したのが、磁場をかけながら冷凍する技術です。食品の鮮度を保つのに使われている方法で、「歯根膜の細胞は解凍後、80%以上が生存している」と話しています。

バンクは、この技術を使い、歯根膜付きの歯を広島大病院の冷凍庫でマイナス150度で保存します。

保存した歯の移植手術

移植手術は、抜けた歯の歯茎に、解凍した歯を植えます。ナイロンの糸で固定し、3週間ほどは、移植した歯に衝撃が加わらないよう極力使わないようにします。歯の根っこ(歯根)とあごの骨の間にあったすき間を埋めるよう、あごの骨が伸びます。1年もすると、歯があごに固定され、歯ごたえを感じながらかむことができます。

保存した親知らずは、形を整えて小臼歯や奥歯に代用できます。小臼歯も、下の前歯以外の歯に利用できるといいます。ただし、感染防止のため本人以外には移植できません。

保存できる歯は1人8本までで、最長40年間、保存できます。バンクには、すでに約600人(約1300本)の歯が保存されています。糖尿病や肝臓病などの持病があると、骨の形成などの問題から、移植できない場合もあります。

歯の移植は、過去2年間に約20件行われました。移植後10年たたないと成功とは言えませんが、河田さんは「歯が抜けるなど不具合は生じていない」と話し、経過は良好といいます。

バンクの利用者の7割は女性です。広島大病院のほか、スリーブラケッツ社の研修に参加した全国29の協力歯科医院でも受け付けています。

その一つ、内田歯科・矯正歯科クリニック(東京・練馬区)は約10人の歯をバンクに送っています。副院長の内田禎子さんは「矯正で歯を抜いたお子さんの将来を考えてバンクに預けた親もいます」と話しています。

凍結保存の場合は保険がきかず、費用は抜歯、移植、輸送費などを含め、1本当たり20万~28万円程度かかります。


関係医療機関

広島大病院矯正歯科

内田歯科・矯正歯科クリニック

ピロリ菌による「萎縮性胃炎」「胃がん」などのリスク

ピロリ菌の感染者

ピロリ菌の感染者は、国内で約6000万人に達します。年配者に多く、60歳以上では約6割が感染し、10歳では約1割にとどまっていると推定されています。背景には、上下水道の整備が進み、衛生状態が改善したことがあります。

保菌者とキスをしたり、同じ鍋をつついたりしても成人の場合は感染しません。しかし、胃の機能が発達していない乳幼児は、注意が必要になります。

国立国際医療研究センター国府台(こうのだい)病院の上村直実院長(消化器内科)は「げっぷで胃のピロリ菌が口に出てくることがあります。その時に子どもに口移しで食物を与えると、感染する可能性はありますが、うがいでほとんどが防げます」と話しています。

ピロリ菌感染による症状

ピロリ菌は毒素を出すため、胃粘膜が炎症を起こして胃炎になります。自覚症状はありませんが、慢性胃炎を経て2-5%が胃潰瘍に、0.2-0.5%が胃がんになるとされています。慢性胃炎から胃漬瘍などになる仕組みはよく分かっていませんが、胃壁が薄くなる「萎縮性胃炎」になると、胃がんになる危険が高まることがわかっています。

杏林大消化器内科の高橋信一教授は「薄くなった胃壁を修復しようと、正常細胞が再生される過程で遺伝子に傷がつき、がん化すると考えられる」と説明しています。

胃がんなどを防ぐには、早期に感染の有無を確認することが重要です。検査は、内視鏡で胃の粘膜を採取して調べるのが一般的です。心臓病などで、血液を固まりにくくする薬を飲んでいる場合などは、呼気を調べる呼気検査、血液検査、便検査を行うこともあります。

胃がんになる危険性は、ピロリ菌検査だけでは必ずしも正確に調べることはできません。萎縮性胃炎があると危険性が高まります。そのため萎縮性胃炎の有無を、血液検査(ペプシノゲン法)で確認することができます。

ピロリ菌検査で陽性でもペプシノゲン法が陰性であれば、胃がん発症の危険性は低いです。ピロリ菌検査が陰性でもペプシノゲン法が陽性であれば危険性は高くなります。ピロリ菌が生息できないほど萎縮性胃炎が進んでいると考えられるからです。

癌研有明病院顧間で、NPO法人「日本胃がん予知・診断・治療研究機構」の三木一正理事長は「胃がんの予防には、ピロリ菌だけでなく、ペプシノゲン法を受けてほしい」と話します。ただ、無症状で菌の有無だけを調べる人や、ペプシノゲン法には保険は適用されません。

ピロリ菌感染症認定医

日本ヘリコバクター学会は昨年、ピロリ菌の知識が豊富な医師を「ピロリ菌感染症認定医」とする制度を設けました。認定医はホームページで公開されています。

関係医療機関

国立国際医療研究センター国府台(こうのだい)病院

杏林大消化器内科

日本ヘリコバクター学会

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