頻尿
「トイレが近い」「夜何度も目が覚めてしまう」「外出時にトイレの場所が気になる」──。
こうした排尿の回数が増えている状態を一般的に「頻尿」と呼びます。
単なる体質や水分のとり方の問題の場合もあれば、前立腺・膀胱・腎臓・糖尿病・心臓病・神経の病気などが隠れていることもあります。
ここでは、頻尿の主な原因と対策、サプリメントの位置づけ、
日常生活でできる予防・改善のポイントについてまとめます。
スポンサードリンク
頻尿の原因
頻尿の原因は多岐にわたりますが、大きく分けると「尿の量が多い」「膀胱が過敏・小さくなっている」「尿道の通り道が狭い」などに分類できます。
1)水分・カフェイン・アルコールの摂り過ぎ
- 単純に水分を多くとり過ぎている場合、尿量が増えれば回数も増えます。
- コーヒー・紅茶・緑茶・エナジードリンクなどに含まれるカフェインには利尿作用があり、トイレが近くなりやすくなります。
- アルコールも利尿作用が強く、一時的に頻尿を招きます。
2)膀胱のトラブル
- 過活動膀胱
・膀胱が敏感になり、尿があまりたまっていないのに「今すぐ行きたい」という強い尿意を感じる状態です。
・尿漏れ(切迫性尿失禁)を伴うこともあります。 - 膀胱炎
・細菌感染などによる膀胱の炎症で、頻尿・排尿時の痛み・残尿感・尿の濁りなどが出ます。
・女性に多く、放置すると腎盂腎炎などに進むこともあるため、早めの受診が大切です。 - 膀胱が小さくなる・硬くなる病気
・放射線治療後や一部の慢性炎症性疾患などで、膀胱の容量が減ると、少量の尿でも頻繁にトイレに行きたくなります。
3)前立腺肥大症(男性)
- 中高年男性では、前立腺肥大症が頻尿の大きな原因のひとつです。
- 前立腺が大きくなると尿道を圧迫し、尿が出にくいのに何度もトイレに行きたくなる・残尿感・夜間頻尿などが起こります。
4)糖尿病・ホルモンの異常
- 糖尿病
・血糖が高くなると、余った糖を尿と一緒に排出しようとして尿量が増え、のどが渇きやすくなるため、結果として頻尿になります。
・「尿の量が多い頻尿」「体重減少」「強い喉の渇き」などがある場合は、早めの検査が必要です。 - 尿崩症などの病気
・ホルモンの異常により大量の尿が出る病気もあり、専門的な診断・治療が必要です。
5)心臓・腎臓・むくみとの関係
- 日中に足がむくみ、夜になるとその水分が血管に戻って夜間の尿量が増えることがあります。
- 心不全や腎臓病などが背景にある場合もあるため、むくみ・息切れ・だるさなどを伴うときは要注意です。
6)加齢・骨盤底筋のゆるみ
- 加齢や出産などの影響で、骨盤底筋が弱くなると、尿をためておく力が低下し、頻尿・尿漏れが起こりやすくなります。
- 女性だけでなく、男性でも骨盤底筋の弱さが関係することがあります。
7)ストレス・こころの影響
- 人前で失敗する不安・緊張などが続くと、「トイレに行きたくなる不安」→「余計にトイレを意識してしまう」という悪循環が生じることがあります。
- 検査などで明らかな異常がない「心因性頻尿」では、心理的なケアや行動療法が役立つこともあります。
血尿・強い痛み・発熱・体重減少・夜間何度も起きる・急に悪化した頻尿などがある場合は、
単なる「年のせい」「冷え」のせいにせず、泌尿器科・内科などで早めに相談することが重要です。
頻尿の対策
1)まずは医療機関でチェック
- 頻尿が続く場合は、泌尿器科・内科などで原因を調べることが第一です。
- 尿検査・超音波検査・残尿量の測定・血液検査などで、膀胱炎・前立腺肥大症・糖尿病・腎臓病などがないか確認します。
2)原因に応じた治療
- 膀胱炎:抗菌薬の内服・水分摂取・安静が基本です。
- 前立腺肥大症:前立腺を縮小させる薬・尿道を広げて排尿を助ける薬・必要に応じて手術など。
- 過活動膀胱:膀胱の過敏さを抑える薬、膀胱訓練(膀胱トレーニング)、骨盤底筋体操など。
- 糖尿病・心臓病・腎臓病:基礎疾患の治療が最優先です。
頻尿は生活の質(QOL)に大きく影響する症状ですが、
原因が分かれば改善できるものも多いため、我慢し続けず早めの相談が大切です。
頻尿に関するサプリメント
頻尿そのものを直接「治す」サプリメントはありませんが、
膀胱炎予防・骨盤底筋のサポート・体質ケアなどの目的で使われる成分がいくつかあります。
ただし、これらはあくまで補助的な位置づけであり、薬の代わりではありません。
- クランベリー
・膀胱炎予防のイメージで知られているサプリです。
・一部の研究で、膀胱炎の再発予防に一定の可能性が示唆されていますが、
効果には個人差があり、膀胱炎を発症した際の治療薬の代わりにはなりません。 - 大豆イソフラボン・ホルモンバランス関連サプリ
・更年期前後の女性のホットフラッシュ・睡眠などのサポートとして用いられることがあります。
・頻尿そのものへの直接的な効果ははっきりしておらず、期待しすぎは禁物です。 - ノコギリヤシ(男性の前立腺サポートとして話題になる成分)
・前立腺肥大症に関連したサプリとして使われることがありますが、
医師が処方する薬や手術の代わりとはなりません。
サプリメント利用時の注意点:
- 頻尿が続くのに、サプリだけで様子を見ていると、前立腺がん・膀胱がん・糖尿病などの発見が遅れる危険があります。
- すでに薬を飲んでいる場合、サプリ成分が薬の作用に影響することもあるため、
新しいサプリを始める前に必ず医師・薬剤師に相談してください。 - 当サイトの「サプリメント事典」では、クランベリー・大豆イソフラボン・ノコギリヤシなどについても個別に解説していますので、参考にしてください。
サプリメント以外での予防改善
頻尿の改善には、生活習慣・排尿習慣・骨盤底筋のケアが重要です。
(ただし、これらは病気の治療を置き換えるものではなく、医師の治療と併せて行うことが基本です。)
1)水分と飲み物の見直し
- 日中の水分は極端に我慢する必要はありませんが、一度に大量に飲まないようにする。
- 就寝前2?3時間は、水分をとり過ぎないように心がける。
- カフェイン(コーヒー・紅茶・緑茶・エナジードリンクなど)やアルコールは、
頻尿や夜間頻尿を悪化させることがあるため、量や時間帯を調整する。
2)膀胱トレーニング
- 「行きたくなったらすぐトイレ」ではなく、少しずつ時間を延ばしていく訓練が有効な場合があります。
- ただし、無理に我慢して膀胱炎を悪化させてはいけないので、
過活動膀胱などが疑われる場合は必ず医師や専門家の指導のもとで行います。
3)骨盤底筋体操(骨盤底筋トレーニング)
- おしっこを途中で止めるときに使う筋肉(骨盤底筋)を意識して、
「締める→ゆるめる」を繰り返すトレーニングです。 - 頻尿・尿漏れ対策として有名な方法で、男女ともに有効な場合があります。
- やり方に不安がある場合は、泌尿器科や婦人科・リハビリスタッフに相談すると安心です。
4)冷え対策・生活リズムの改善
- 冷えは膀胱・骨盤周囲の血流を悪くし、トイレが近くなる一因とされます。
下半身・腰まわりを冷やさない服装を心がけましょう。 - 睡眠不足や過度なストレスは、自律神経を乱し、頻尿を悪化させることがあります。
規則正しい生活リズムと、リラックスできる時間を大切にしましょう。
5)トイレ環境・外出時の工夫
- 就寝中にトイレに行きやすいよう、廊下やトイレの照明を工夫する。
- 外出時は、あらかじめトイレの場所を確認しておくと安心感が高まり、
「不安からトイレに行きたくなる」パターンを減らせることがあります。
頻尿は恥ずかしさから一人で悩みがちですが、
原因が分かれば治療や生活の工夫で改善できるケースが多い症状です。
サプリメントや自己流の対策だけに頼らず、気になった時点で早めに医療機関に相談し、
必要な検査・治療とあわせて、日常生活の中でできる工夫を少しずつ積み重ねていきましょう。
スポンサードリンク
関連情報
- 間質性膀胱炎(かんしつせいぼうこうえん)の膀胱水圧拡張術
- 尿失禁の干渉低周波治療
- IgA腎症の「扁桃(へんとう)切除とステロイド剤投与」の併用治療
- 前立腺がんの待機療法(無治療経過観察)
- 前立腺がんの超音波治療法HIFU(高密度焦点式超音波法)
- 膀胱がん体内に膀胱再建
- 膀胱がんの動注化学・放射線治療併用による膀胱温存療法
- 尿漏れをともなう「性器脱」の治療
- 夜尿症のための「夜尿アラーム」
- 前立腺肥大症の「ホルミウム・ヤグレーザー前立腺核出術」
- 子宮頸がんのHPVワクチン
- 腎動脈狭窄症のステント治療
スポンサードリンク