前立腺がんの超音波治療法 HIFU(高密度焦点式超音波法)
HIFUとは
HIFU(High-Intensity Focused Ultrasound:高密度焦点式超音波法)は、
体の外から集中的に超音波を当てて、焦点となる部分だけを高温にして焼き固める治療です。
前立腺がんでは、主に経直腸的にプローブを挿入し、超音波を前立腺に集中させてがんを焼灼します。
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前立腺がん治療における位置づけ
現在、前立腺がんの標準的な根治治療は、
- 前立腺全摘除術(手術)
- 放射線治療(外照射・小線源療法など)
です。 HIFUは、
- 局所治療の一つとして限局がんへの「フォーカル治療」に用いる
- 放射線治療後の再発に対するサルベージ治療として検討される
など、一部の症例で選択肢になりうる治療として位置づけられています。
ガイドラインでは、まだ広く推奨される一次治療ではなく、慎重に症例を選ぶべき治療とされています。
HIFUの特徴
メリット
- 皮膚を切らない低侵襲な治療
- フォーカル治療(がんの部分だけを狙う)とすることで、
- 尿失禁(尿漏れ)
- 勃起機能障害
- 必要に応じて、再度HIFUや他の治療を追加できる柔軟性
デメリット・課題
- 長期のがん制御(再発率・生存率)について、手術や放射線と比べた大規模な比較データがまだ十分ではない
- がんの位置や広がりを正確に把握するために、MRIや詳細な生検が必要
- 尿道狭窄や尿閉、一時的な排尿障害が起こることがある
近年の研究では、「適切な症例選択と技術で行えば、機能温存に優れ、中期的ながん制御も良好」とする報告も増えていますが、
依然として標準治療と同じレベルの根拠があるとは言い切れないのが現状です。
どのような患者さんが対象になりやすいか
施設によって基準は異なりますが、一般的には、
- 限局した前立腺がん(特に中リスクまで)
- 画像や生検で一部に限局した病変(フォーカル治療の対象)と判断される場合
- 手術や放射線の副作用を強く心配している方
- 放射線治療後の局所再発で、他の治療選択肢が限られている場合
この記事の位置づけ
このページは、前立腺がんに対するHIFU(高密度焦点式超音波法)の考え方と現状を整理したものです。
HIFUを検討する場合は、
- 手術・放射線・ホルモン療法などの標準治療との比較
- 長期の成績や再治療の可能性
- 治療費・保険適用・臨床試験の有無
について、泌尿器科医と十分に相談し、自分にとって最適な治療戦略を考えることが大切です。
関係医療機関防衛医大泌尿器科
東海大八王子病院泌脈器科
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