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-膀胱がんの動注化学・放射線治療併用による膀胱温存療法-

膀胱がんの動注化学・放射線治療併用による膀胱温存療法

膀胱を残す治療戦略とは

筋層に達した膀胱がん(筋層浸潤性膀胱がん)では、 膀胱全摘+尿路再建が標準治療の一つです。 しかし、生活の質(QOL)を重視して膀胱を残したいという希望も多く、 化学療法+放射線治療による膀胱温存療法が選択されることがあります。


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動注化学療法とは

動注化学療法は、がんを栄養する骨盤内の動脈にカテーテルを入れ、 そこから高濃度の抗がん剤を注入する方法です。

  • 代表的な薬剤:シスプラチンやメトトレキサートなど
  • 全身投与に比べ、腫瘍局所の薬剤濃度を高めつつ、全身の副作用をある程度抑えることをねらう

日本からの報告では、動注化学療法と放射線治療を組み合わせることで、 膀胱を残したまま長期生存した患者さんの割合が一定程度得られたとされています。

治療の流れの一例

施設によってプロトコールは異なりますが、概略としては次のような流れです。

  1. 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)でできるだけ腫瘍を削る
  2. 骨盤内の動脈にカテーテルを入れ、シスプラチンなどを動注しながら骨盤への放射線治療を実施
  3. 治療後の内視鏡検査・画像検査で腫瘍の残存や再発の有無を評価
  4. 膀胱内に腫瘍が残っている場合や再発した場合は、追加のTURBTや膀胱全摘を含めて再検討

一部の研究では、3?5年時点で半数前後の患者さんが膀胱を保ったまま生存していたと報告されています。

メリットと注意点

メリット

  • うまくいけば、膀胱を残したまま長期生存を目指せる
  • 尿路変向(ストーマ)を避けられる可能性がある

注意点・限界

  • 膀胱温存療法は膀胱全摘に比べて再発リスクが高くなる可能性があり、 頻回の内視鏡フォローが必要
  • 動注カテーテル挿入や放射線治療にともなう合併症(血管合併症、膀胱機能低下、腸炎など)が起こりうる
  • 治療後の膀胱機能(容量・頻尿・尿漏れ)は、必ずしも元どおりになるとは限らない
  • 腫瘍が広範囲・高リスクの場合は、安全性の面から膀胱全摘がすすめられることも多い

誰に向く治療か

膀胱温存療法が検討されるのは、一般的に次のような条件を満たす場合です。

  • 筋層浸潤があるが、膀胱外への広がりや遠隔転移がない
  • しっかりとした放射線・化学療法に耐えられる全身状態
  • 「再発した場合には膀胱全摘も受ける」という方針を理解し、頻回のフォローに通院できる

この記事の位置づけ

このページは、膀胱がんに対する動注化学療法+放射線併用による膀胱温存療法の概要を説明したものです。
実際には、

  • 膀胱全摘+尿路再建
  • 静脈投与の化学放射線療法
  • 動注化学+放射線療法

などを比較しながら、泌尿器科・放射線治療科の専門医とよく相談し、 がんの制御と生活の質のバランスを考えて治療方針を決めていくことが大切です。

関係医療機関

筑波大学付属病院

四国がんセンター

北海道大学付属病院

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