膀胱がん 体内に膀胱再建(自排尿型新膀胱)
膀胱全摘後の排尿の問題
浸潤性膀胱がんなどでは、膀胱を全部取り除く手術(膀胱全摘)が必要になることがあります。
膀胱を取ると、尿をためる場所がなくなるため、尿の通り道(尿路再建)を作る必要があります。
代表的な方法は、
- 回腸導管などのストーマ(お腹に袋をつける方法)
- 小腸や大腸の一部を使って体内に新しい膀胱(新膀胱)を作り、尿道につなぐ方法
ここでは、後者の「体内に膀胱再建(自排尿型新膀胱)」について説明します。
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自排尿型新膀胱とは
自排尿型新膀胱は、主に回腸という小腸の一部を切り取り、
- 袋状に形成して新しい膀胱として利用し
- 尿管をこの袋に接続し
- 袋の出口を元の尿道につなぐ
という方法です。 これにより、多くの方が従来どおり尿道から排尿できる可能性があります。
自排尿型新膀胱の特徴
メリット
- お腹の表面にストーマ(尿の出口)や装具をつけなくてよい
- 多くの場合、尿意を感じてトイレで排尿する生活に近づける
- 身体イメージや社会生活の面でメリットを感じる方が多い
デメリット・注意点
- 手術時間が長く、手術の難易度も高い
- 術後の合併症(感染・尿漏れ・狭窄・残尿など)のリスク
- 最初のうちは排尿のコツをつかむために自己導尿(自分でカテーテルを入れて尿を出す)が必要になることもある
- 夜間の尿漏れや、加齢とともに排尿機能が変化していく可能性
対象となる患者さん
自排尿型新膀胱はすべての膀胱全摘術後の患者さんに適しているわけではありません。 一般的には、
- 全身状態が比較的良好で、手術に耐えられる
- 腎機能が保たれている
- 尿道や尿道括約筋にがん浸潤がない
- 術後のリハビリや排尿トレーニングに取り組める
などの条件を満たす方が対象になります。
長期的な生活とフォローアップ
自排尿型新膀胱を作った後は、
- 残尿のチェック
- 感染や結石の有無
- 腎機能の確認
などのために、定期的な外来フォローが必要です。
また、時間とともに新膀胱の容量や排尿パターンが変化することもあるため、
必要に応じて生活指導や薬物療法が行われます。
この記事の位置づけ
このページは、膀胱全摘後の体内膀胱再建(自排尿型新膀胱)の概要を説明したものです。
実際には、
- 年齢・持病・仕事や生活スタイル
- ストーマを含む他の尿路再建法との比較
- 手術を行う施設の経験
を総合的に考えて、泌尿器科医と十分に話し合いながら、最も自分に合った術式を選ぶことが大切です。
関連医療機関静岡県立静岡がんセンター
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