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-漏斗胸(ろうときょう)治療の「NUSS(ナス)法」-

漏斗胸(ろうときょう)治療の「NUSS(ナス)法」

漏斗胸(ろうときょう)


漏斗胸は、子どもの胸の一部がへこんでくる病気で、胸の中央にある胸骨や、肋(ろっ)骨を支える肋軟骨が内側に曲がっています。原因は不明ですが、成長と共に、へこみが大きくなる場合が多いです。約1000人に1人にみられる病気です。

普通、痛みなどの自覚症状はありませんが、呼吸や心拍の機能が低く、かぜをひきやすい、疲れやすいなどの影響があります。へこみが大きいと心臓や肺を圧迫し、重い場合は心電図に異常が出ることもあります。
さらに「水着になりたくない」など、外見に深刻な悩みを持つ子どもが多いです。

従来は、へこみを直すため、胸の骨を切り出して持ち上げたり、ひっくり返したりする手術が行われてきましたが、手術が長時間で体への負担が大きく、胸に大きな傷跡が残ることなどが難点でした。

新しく開発された治療法の「NUSS(ナス)法」は、1998年に米国の小児外科医が報告した新しい手術で、開発者の名にちなんだ方法です。

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「NUSS(ナス)法」の手術


胸の矯正に使うのは、ステンレスやチタン製の平たい金属の板です。板はあらかじめ、患者の胸の形に合わせて、U字形に湾曲させておきます。

手術は、わきの下を2か所切開し、心臓と肺が納まる空間の「胸腔(きょうくう)」に、まず大きな鉗子(かんし)と内視鏡を入れます。鉗子を入れるための傷は2―3センチです。医師は、内視鏡で胸腔の中を見ながら、胸の1番へこんだ部分の骨の下に鉗子を通し、反対側のわきの下まで貫通させます。

突き出た鉗子の先と金属板をひもで結び、鉗子を引き抜くと、胸の下にU字形の金属板が納まります。この板を、胸腔の中で180度ぐるりと回転させると、胸骨と肋軟骨が持ち上がる仕組みです。金属板を肋骨に固定し、板の先端を皮膚の下に埋め込めば終了で、手術時間は30―40分ほどです。

手術後は、持ち上げた胸の痛みが大きいため、背骨に5日ほど、麻酔薬を入れます。通常は7―10日で退院できます。患者によっては板を2本使いますが、手術の傷跡は腕の下に隠れ、目立ちにくいです。

2―3年後、今度は金属板を引き抜く手術を行います。抜いた後の再発は、ほとんどないとされています。

手術の時期は小学生が適しており、中学生以上では、手術しても変形が残る場合があります。心臓の近くに鉗子や金属を通すため、手術には熟練が必要で、手術が二度必要になるなどの欠点もありますが、国内でも普及してきています。

手術は、大きな病院の小児外科医に相談するといいです。保険が利くほか、18歳未満なら、障害のある子どもの医療費を国と都道府県が助成する「育成医療」の対象となります。

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