関節痛(変形性膝関節症)の三次元培養軟骨移植術
三次元培養軟骨移植術とは
三次元培養軟骨移植術は、患者さん自身の軟骨細胞を採取して培養し、立体的な軟骨組織を作って膝に戻す再生医療の一つです。
すり減った軟骨を人工物で置き換えるのではなく、自分の軟骨細胞を使って関節軟骨を再建することを目指します。
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対象となる主な病変
この治療は、関節全体が広くすり減った重度の変形性膝関節症よりも、
- 転倒やスポーツなどでできた限局した軟骨欠損
- 比較的若い年齢での局所的な軟骨損傷
のように、「部分的に傷んだ軟骨を治す」タイプの病変を主な対象として発展してきました。
治療の流れ
- 第1段階:軟骨の採取
関節鏡などを用いて、膝の負担になりにくい部位から少量の軟骨を採取します。 - 培養(ラボでの三次元培養)
採取した軟骨から軟骨細胞を取り出し、コラーゲンゲルなどの足場を使って三次元的に増やすことで、移植用の培養軟骨を作ります。 - 第2段階:移植手術
再び手術室で、損傷部の軟骨をきれいに整えたうえで、培養軟骨を欠損部に埋め込み固定します。
期待される効果
- 関節鏡での観察やMRI検査では、軟骨組織の再生が確認されたという報告がある
- 痛みの軽減や、スポーツ・日常生活動作の改善が期待できる
- 若い患者さんでは、人工関節の手術を先送りできる可能性がある
限界と注意点
- すべての膝の痛みに適応があるわけではなく、軟骨欠損の範囲・変形の程度・年齢などで適応が決まる
- 二度の手術(採取と移植)が必要で、経過観察とリハビリも長期にわたる
- 再生した軟骨が長期間にわたってどの程度もつかは、現在も追跡研究が続いている
- 保険適用や施設要件など、日本国内でも実施できる医療機関が限られている
この記事の位置づけ
このページは、変形性膝関節症や軟骨損傷に対して行われている三次元培養軟骨移植術の考え方と流れを紹介したものです。
治療が適しているかどうかは、X線・MRI・関節鏡所見、年齢や生活スタイルなどを総合して判断されます。
興味がある場合は、まず現在の主治医と相談し、必要に応じて再生医療を行っている専門施設を紹介してもらう形になります。
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関係医療機関
広島大学病院
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