網膜色素変性症による失明者に「人工視力」治療
網膜色素変性症とは
網膜色素変性症は、網膜の視細胞が徐々に傷んでいく進行性の難病です。
初期は夜盲(暗いところで見えにくい)から始まり、視野が少しずつ狭くなり、
進行すると重い視力障害・失明につながることがあります。
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人工視力治療の考え方
人工視力治療(視覚再建)は、
働かなくなった視細胞の代わりに、電気信号で網膜や視神経を刺激し、
脳に「光」や「形」の情報を伝えようとする試みです。
完全に元の視力を取り戻すわけではありませんが、
光の方向や大まかな輪郭を感じ取ることで、歩行や物の位置確認の助けになる可能性があります。
アプローチの例
研究・開発中も含め、さまざまな方法が検討されています。
- 網膜内/網膜上の電極を用いる人工網膜装置
網膜に小さな電極アレイを埋め込み、外部カメラからの情報をもとに
網膜を電気刺激して光の感覚を生じさせる方法。 - 視神経・脳を刺激する装置
網膜がほとんど機能していない場合に、視神経や大脳皮質を電気刺激することで、
視覚に近い感覚を引き起こそうとする研究も行われています。
現在の限界
- 得られる像は、現時点では明暗や簡単な輪郭が分かる程度であることが多い。
- 手術・装置の管理・リハビリに高い専門性が必要で、実施できる施設は限られている。
- 機器のトラブル・感染・網膜の損傷など、手術に伴うリスクもある。
- 保険適用や費用、対象となる患者さんの範囲など、国や時期によって条件が変わる分野です。
リハビリテーションの重要性
人工視力装置を装着しても、すぐに自然な「見え方」になるわけではありません。
装置から得られる情報を、脳が「意味のある光」として解釈できるようになるまで、
専門家と一緒にトレーニング(視覚リハビリテーション)を行う必要があります。
この記事の位置づけ
このページは、網膜色素変性症などで視力を失った方に対する人工視力治療(視覚再建)の概要を紹介したものです。
まだ発展途上の分野であり、対象となる患者さんや得られる効果には制限がありますが、
将来に向けて視覚を補う新しい可能性として研究が続けられています。
最新の情報や具体的な適応について知りたい場合は、網膜専門医・大学病院・難病相談窓口などで相談することが大切です。
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関係医療機関
大阪大大学院医学系研究科・医学部
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