サプリメント事典

-高山病の予防薬アセタゾラミド(商品名・ダイアモックス)-

高山病の予防薬アセタゾラミド(商品名・ダイアモックス)

高山病


標高が高い場所では、気圧が下がります。富士山頂では、平地の3分の2しかありません。高くなった分、酸素が薄くなり、頭痛、吐き気、全身の疲労感など2日酔いに似た「山酔い」を起こします、これが高山病です。

一般に3000メートルの高さで10%の人が、4000メートルで50%、4500メートルで60%が山酔いになるといわれています。

従来、高地での特殊な病気とみなされ、米国の医学教科書は「3000メートル以上で発症する」と定義していました。しかし、比較的気軽な登山でも動けなくなる人が出てきたことから、最近は「2000メートル以上」に直されています。

個人差もありますが、年齢とともに低酸素状態への身体の適応能力が落ちるため、80歳以上では1500メートルから注意が必要といいます。重症化すると肺や脳に水がたまる「高所肺水腫」、「高所脳浮腫」になり、放置すれば死に至る危険もあります。重症化するのは1%足らずですが、油断は禁物です。

中高年の登山やトレッキングは世界的なブームです。文部科学省登山研修所によれば、登山人口は約475万人で、40歳以上が6―7割を占めると推計されています。「経験が浅い人が高山病になりやすいわけではなく、誰にも危険があります」と、日本旅行医学会専務理事を務める医師の篠塚規(しのずかただし)さんは、警告しています。

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予防薬のアセタゾラミド(商品名・ダイアモックス)


予防法として、海外で広く使われている利尿作用のある薬アセタゾラミドが国内でも注目されてきました。この薬は通常、緑内障やてんかんなどの治療に使われています。脳血管を拡張する作用があることから、高山病には脳への血流量を増やすことで、酸素不足を防止する効果が期待できます。

高地滞在の前日から3日目まで朝夕に半錠(125ミリ・グラム)づつ飲みます。高山病予防薬としては、保険は適用されず、処方には約3千―5千円かかります。副作用として指先がしびれることがありますが、比較的安全な薬とされています。持病のある人は、医師と相談して服用を決めたほうが良いです。

ただし「アセタゾラミドが高山病予防薬として効果があることは、医師も知識を持っていないことが多いです」と篠塚さんは指摘します。日本旅行医学会ではアセタゾラミドを処方する病院リストを、ホームページで公開しています。

高山病の治療法


もし運悪く、高山になってしまったら、低地に移動することが1番良いです。また治療薬としてアセタゾラミドを活用する方法もあり、1回1錠(250ミリ・グラム)を服用するのが一般的です。

携帯用酸素発生器で酸素を数分間吸入すれば、改善することが多いです。大きな風船の中に患者を入れ空気圧を高める「プレッシャーバッグ」などで対処する手もあります。

篠塚さんは「最近人気の南米やネパール、中国・雲南省のツアーでは飛行機やバスで一気に高地に到達します。きちんと予防して、後悔のない旅をしてほしい」と呼びかけています。

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