サプリメント事典

-認知症・軽度認知障害(MCI)-

認知症・軽度認知障害(MCI)

物忘れは誰にでも起こりますが、「年相応の物忘れ」と「病気としての認知症・軽度認知障害(MCI)」では、意味合いが少し違います。 このページでは、すでにある「物忘れ」ページの内容ともつながる形で、受診の目安や日常でできる工夫を、やさしい言葉で整理します。 なお、ここで紹介する内容は受診のきっかけを考えるための一般的な情報であり、正式な診断は専門医(もの忘れ外来・神経内科・精神科など)が行うものです。


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1) 認知症・MCIとは?(物忘れとの違い)

認知症とは、記憶力だけでなく、判断力・理解力・時間や場所の感覚などが低下し、日常生活に支障が出ている状態を指します。 代表的にはアルツハイマー型認知症や脳血管性認知症などがありますが、このページでは「病名を細かく覚えること」よりも、 「生活の中でどんな変化が起きるのか」を重視して説明します。

軽度認知障害(MCI)は、認知症の一歩手前のように説明されることがあります。 「日常生活はなんとか自立しているけれど、年齢のわりに記憶力などの低下が目立つ状態」で、 将来、認知症に進行するリスクが高いと考えられています。 ただし、すべての人が認知症に進むわけではなく、生活習慣や環境の工夫で改善したり、進行がゆるやかになったりするケースもあります。

ここで、よくある「年相応の物忘れ」と「認知症が疑われる状態」の違いを、簡単に対比してみます。

  • 年相応の物忘れの例: 何を食べたか思い出すのに時間がかかるが、ヒントがあると思い出せる/ 予定を忘れても、指摘されると「あ、そうだった」と理解できる
  • 認知症が疑われるサインの例: 何度も同じことを聞く・同じ話を繰り返す/ 今日の日付や、今いる場所がわからなくなる/ お金の管理、服薬管理、料理、買い物など、これまでできていた生活動作がうまくできなくなる

「これは様子を見てよいのか、相談した方がよいのか」で迷うときは、 本人や家族がメモをとって変化を記録したり、いつからどんな困りごとが増えたかを整理して、かかりつけ医や専門医に相談すると安心です。

2) 認知症・MCIの原因

認知症やMCIの原因はひとつではなく、いくつかの要因が重なって起こることが多いと考えられています。 大きく分けると、脳の病気、生活習慣病との関係、加齢や体質、そして日常環境の影響などが挙げられます。

  • 脳の病気によるもの: アルツハイマー型(脳に特定のたんぱく質がたまりやすいタイプ)、 脳血管性(脳梗塞・脳出血などで脳がダメージを受けたタイプ)などがあります。 ほかにもレビー小体型などがありますが、ここでは「いろいろなタイプがある」程度にとどめます。
  • 生活習慣病との関係: 高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満・喫煙などは、脳の血管にも影響し、 認知機能の低下や認知症リスクを高める要因の一部と考えられています。
  • 加齢と遺伝・体質: 年齢が上がるほどリスクは高くなります。 家族性の要素が関わるケースもありますが、多くは生活習慣・環境・体質などが複雑にからみあうとされています。
  • その他の要因: 聴力低下(聞こえにくさ)、社会的な孤立、うつ状態、運動不足、睡眠の質の低下なども、 認知機能の低下と関係があると報告されています。

なお、物忘れや集中力の低下が「認知症の始まり」ではなく、 うつ病、甲状腺の病気、貧血、脱水、薬の副作用など、治療可能な原因で起こることもあります。 だからこそ、自己判断で決めつけず、早めの相談が大切です。

3) 認知症・MCIの対策

認知症やMCIの対策は、「医師による評価と治療」が土台になります。 そのうえで、日常生活の中でできる工夫を積み重ねることで、進行をゆるやかにしたり、生活の困りごとを減らしたりすることが期待できます。

  • 早期受診・早期対応: 「最近おかしいな」と感じたら、もの忘れ外来などの専門医に相談することが重要です。 治療可能な原因(うつ、甲状腺、薬の影響など)が隠れている場合もあります。
  • 医師による治療: 原因や状態に応じて、薬物療法や原因疾患への治療などが行われることがあります。 目的は「進行をできるだけゆるやかにし、その人らしい生活を少しでも長く維持すること」と考えるとイメージしやすいです。
  • 生活習慣でできること: 食生活(魚、野菜・果物、オリーブ油、大豆製品、全粒穀物などを意識したバランス)、 運動(ウォーキングなどの有酸素運動+軽い筋トレ)、 睡眠(睡眠不足をためない、就寝前のスマホやカフェインを控える)、 社会参加(趣味・地域活動・会話の機会を増やす)などが、脳の健康にも良いとされます。

家族の関わり方もとても大切です。責めたり叱ったりすると、本人が不安になり、かえって混乱しやすくなることがあります。 「忘れやすいならメモを一緒に工夫する」「わかりやすい環境に整える」など、できることを支える姿勢が安心につながります。 また、金銭管理や運転などは安全面の配慮が必要になることもあるため、早めに話し合っておくと良いでしょう。

4) 認知症・MCIに関するサプリメント

サプリメントは、認知症やMCIの治療薬の代わりではありません。 あくまで「生活習慣の土台の上に乗せるサポート」として、慎重に考えることが大切です。 体調や服用中の薬によっては相互作用(飲み合わせ)が問題になることもあるため、持病がある方や複数の薬を飲んでいる方は必ず主治医・薬剤師に相談してください。

一般に「脳の健康・記憶サポート」として扱われることの多い成分には、次のようなものがあります。 ただし、一部の研究で可能性が示された報告がある一方で、現時点では「確実に予防・治療できる」とまでは言えない、というのが基本的なスタンスです。

  • EPA・DHA(魚油由来のオメガ3脂肪酸:血管や炎症に関わる成分として知られる)
  • イチョウ葉エキス(血流や認知機能の研究があるが、体質・薬との相性に注意が必要)
  • ビタミンEビタミンC(抗酸化ビタミン:体の酸化ストレスへの対策として知られる)
  • レシチン(ホスファチジルコリンなど:脳の材料のひとつとして話題になることがある)
  • 高麗人参(朝鮮人参)(体力・気力のサポートとして使われるが、体質や薬との相性に注意)
  • カンカ(記憶サポートの成分として紹介されることがあるが、根拠の読み取りは慎重に)

重要なのは、サプリのために「薬をやめる」「サプリだけに切り替える」といった使い方はしないことです。 気になるサプリを追加したい場合は、検査結果や服用中の薬をふまえて、医師・薬剤師と相談しながら検討しましょう。

5) サプリメント以外での予防・改善

認知症やMCIの対策では、サプリよりもむしろ「生活全体の工夫」が土台です。 できることを少しずつ積み重ねるだけでも、体調や気分、生活のしやすさに良い影響が出ることがあります。

  • バランスのよい食事:魚・野菜・果物・全粒穀物・オリーブ油・大豆製品などを意識する
  • 禁煙・節酒:血管の健康を守る基本
  • 定期的な運動:ウォーキング、軽い筋トレ、体操などを無理のない範囲で続ける
  • 睡眠の質を整える:睡眠時間の確保、寝る前のスマホやカフェインを控える
  • 血圧・血糖・コレステロールの管理:健康診断を活用し、必要なら受診して整える
  • 頭と心を使う活動:趣味、読書、会話、ボランティア、地域活動など
  • 聞こえを確保する:聞こえにくさがある場合は補聴器なども検討し、会話の機会を保つ

また、本人や家族が孤立しないことも大切です。介護相談や地域の相談窓口、家族会など、話せる場所があるだけで負担が軽くなることがあります。 「ひとりで抱え込まない」ことは、長い目で見たときの大切な対策です。

認知症やMCIは、不安になりやすいテーマですが、早めの相談と、生活全体の見直しで「できる工夫」が増える時代になってきています。 気になるサインがあるときは、本人も家族も無理をせず、かかりつけ医や専門医に相談して、今できることから整えていきましょう。 サプリはあくまで“脇役”として、医療・生活習慣・家族や社会のサポートという土台の上に、そっと乗せるイメージが安心です。


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