サプリメント事典

-むくみ(浮腫)-

むくみ(浮腫)

目次
  • むくみ(浮腫)の原因
  • むくみ(浮腫)の対策
  • むくみ(浮腫)に効果効能があるサプリメント
  • サプリメント以外での予防改善

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関連情報

むくみ(浮腫)の原因

むくみ(浮腫)の原因は、はっきりした病気が無い場合、最も大きな要因は塩分(ナトリウム)の摂り過ぎで排泄されるべき余分な水分が塩分(ナトリウム)により細胞内にたまったことで起こります。

むくみ(浮腫)の症状は、顔とくにまぶたや額、手足などに現れやすく指で押すとへこみが残り、ひどくなるとその部分が重くだるく感じます。

ただむくみ(浮腫)は糖尿病や腎臓、肝臓、心臓などの病気でも現れますので、症状が長びいたりひどいときは、病院で診てもらってむくみの原因を調べてください。

むくみ(浮腫)の対策

むくみの対策としては塩分(ナトリウム)量のコントロールがポイントになります。

むくみ(浮腫)に効果効能があるサプリメント


サプリメント選びのワンポイント・アドバイス

カリウムは余分なナトリウムの排泄を促進してくれます。

メリロートは水分代謝を改善する作用があります。

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サプリメント以外での予防改善

長時間仕事でいすに座ったり立ったままですと、むくみを助長しますので時々ストレッチなどの軽い運動マッサージなどで血行が良くなるように努めてください。

食事面では塩分は1日7gを目標に摂ってください、ただ薄味ですと食べずらいので塩の代わりにスパイスをうまく使うことをおすすめします。

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関連情報



リンパ浮腫の顕微鏡下リンパ管細静脈吻合術(ふんごうじゅつ)

リンパ液の流れが滞り、手や足などにたまってむくむのが、リンパ浮腫です。乳がんや子宮がんの手術、放射線治療でリンパ管が傷つき、後遺症として起きることが多いですが、生まれつきリンパ液の流れが悪い人もいます。

むくみは、外見も不自然で、重くなると歩けなくなったり、皮膚が象の皮のように硬くなったりする場合があります。そのほか、体がだるい、疲れやすいなどの症状も現れます。

治療は、マッサージや弾性包帯、医療用スリーブやストッキングなどの着用で、むくんだ部分を圧迫しリンパ液を押し出して、症状を緩和するのが一般的です。

一方、東大形成外科で取り組んでいる「顕微鏡下リンパ管細静脈吻合術」は、リンパ管を静脈につないで、リンパ液の流れを回復させます。ひじやひざ、手首、くるぶしの内側などを2~3センチ切開し、直径0.2~0.3ミリのリンパ管を顕微鏡でのぞきながら、0.05ミリの糸で静脈に縫いつけるという細かい手術です。

局所麻酔で傷口もほとんど目立たず、体への負担も比較的少ないです。保険も適用されている治療ですが、問題はすべての人に効果が出るとは限らないことです。

東大形成外科によると、これまでに足のリンパ浮腫で手術をした129人のうち、効果が表れやすい発症間もない患者35人では、31人が太もも、ひざ、ふくらはぎ、足首、足の甲のいずれかの周囲の長さが手術後、細くなったといいます。残る4人は変わらないか、かえって悪くなりました。
手術の効果を上げるためには、医療用のストッキングなどが欠かせず、きちんと着用することです。

リンパ浮腫は、手や足に出ることが多いですが、男女問わず陰部が大きく腫れ上がることもあります。圧迫による治療が難しい陰部のリンパ浮腫は、特に手術で効果が期待できます。

東大形成外科のような局所麻酔ではなく、全身麻酔で実施する医療機関も多く、手術法も細かい点では施設によって異なります。例えば、北大では、1本ずつではなく、数本のリンパ管を集めて血管の中に移植しています。

最近、特殊な装置を使えば、リンパ管の流れを拡大して、ビデオで直接確かめることができるようになりましたので、どのリンパ管をつないだ場合に効果的かがわかり、さらに治療成績が向上する可能性があります。

関係医療機関 東大形成外科


下肢静脈瘤の「硬化療法」と「ストリッピング手術」


下肢静脈瘤
体の隅々から、二酸化炭素や老廃物を運んでかえる静脈は、ポンプの働きをする心臓から遠いので、血液が滞留しがちです。人間は立って生活しますので、静脈には逆流防止用の弁が何か所も付いていますが、これが壊れ、血液が足にたまるのが静脈瘤です。命にかかわることはありませんが、足のかゆみなどが続き、放置しますと悪化し、皮膚がただれることもあります。

患者には、長時間の立ち仕事を長年続けてきた職人や、妊娠・出産を経験した中年以上の女性などが多いです。

足の静脈血は、歩いたり階段を上ったりすれば、筋肉の働きに助けられて心臓に帰っていきます。足が「第二の心臓」と言われるゆえんです。しかし立ったまま働く人などは、足の血液が滞留しがちで、弁にも負担がかかります。妊娠した女性も、ホルモンの影響などで足の血液が、心臓に戻りにくくなり、弁が故障しやすくなります。

実際、最も逆流が起きやすいのは、足の付け根の内側にある表在静脈の弁です。ここは足の骨近くを流れる深部静脈との合流点で、ひざ下にできる静脈瘤の大部分は、表在静脈の血液を止めることで、治療できます。流れを遮っても、血液は合流部から深部静脈に迂回して流れるので、問題はありません。

「硬化療法」と「ストリッピング手術」
血管を固めてしまう薬を注射する「硬化療法」もありますが、再発しやすいです。治療には、静脈瘤ができた血管全体を壊れた弁ごと抜き取る「ストリッピング手術」が最も効果的です。ただし全身麻酔を使うため、従来は約一週間の入院が必要でした。

日本医科歯科大血管外科では、この2つの治療法を組み合わせることで、日帰り手術を行っています。太ももの静脈は手術で引く抜きますが、ひざ下には硬化療法を行います。傷口は、足の付け根とひざ下の二か所に約2センチできるだけで、目立ちません。

麻酔の使い方の工夫も、日帰り手術を可能にしました。局所麻酔で、治療が終わると患者は手術室を歩いて出てきます。病院内でしばらく様子を見た上で帰宅できます。長時間の立ち仕事や激しい運動を避ければ、その日から普通に生活できるといいます。

この局所麻酔はTLA(大量低濃度局所浸潤麻酔)といいます。太もも全体に、十分の一の濃度に薄めた麻酔薬を、通常の量の十倍程度つかいます。血管を引く抜く痛みや出血が減り、痛み止めの効果も翌朝まで持続します。

手術時間は40分程度です。手術から約一か月は、血流が滞るのを防ぐため、特殊なストッキングをはいて足を圧迫する必要があります。ストッキング代以外は、すべて保険がききます。

血管内治療
体の負担の少ない日帰り最新治療として、最近、ラジオ波や半導体レーザーを使った「血管内治療」も登場しています。局所麻酔(TLA麻酔)を使い、逆流が起きている静脈にごく細いカテーテルを挿入します。超音波診断装置で血管の形を見ながら、ラジオ波やレーザーの熱で静脈の内部を焼ききり、血液の流れを止めてしまう手術です。

局所麻酔を使い、血管を引き抜くストリッピング手術以上に、傷が小さくて済むのが特長で、手術時間はわずか15分から20分で終わります。

しかし残念ながら、まだ保険がきかないため、一部の医療機関でしか実施していませんが、すでに欧米では主流になりつつあるといいます。

大切なのは正しい診断で、下肢静脈瘤は症状に合わせて、様々な治療を選択できるようになりました。専門の血管外科を受診し、最適な治療法を選んでください。

関係医療機関 日本医科歯科大血管外科


リンパ浮腫の「複合的理学療法医療リンパドレナージ」



リンパ浮腫
リンパ液の流れが滞り、手や足などにたまってむくむのが、リンパ浮腫です。乳がんや子宮がんの手術、放射線治療でリンパ管が傷つき、後遺症として起きることが多いですが、生まれつきリンパ液の流れが悪い人もいます。

むくみは、外見も不自然で、重くなると歩けなくなったり、皮膚が象の皮のように硬くなる象皮病になる場合があります。そのほか、体がだるい、疲れやすいなどの症状も現れます。

むくみは乳がんや子宮がんの手術後すぐに生じる場合もあれば、5年や10年経過してから発症する場合もあります。症状はゆっくりと進行しますが、長期にわたり適切な治療を受けない状態で放置したり、頻繁に炎症を繰り返すと象皮病にまで進む場合もあります。

このため、むくみを感じたらできるだけ早期のうちに専門医や主治医より適切な診断を受け、「複合的理学療法医療リンパドレナージ」による治療を始めることが大切です。

「医療リンパドレナージ」は医療機関で
医療リンパドレナージは、エステなどで一般に行われているリンパドレナージやオイルセラピーなどとは、明確に違います。「複合的理学療法医療リンパドレナージ」の施術者は、あんまマッサージ指圧師国家資格保有者や医療従事者(医師・理学療法士・作業療法士・看護師)で、専門養成課程を経てライセンスを取得しています。



複合的理学療法医療リンパドレナージ
以下の4つが「複合的理学療法医療リンパドレナージ」の基本要素となります。

1 スキンケア

浮腫が発症した皮膚は、乾燥しやすくデリケートで細菌感染を引き起こしやすい状態になっています。とくに感染症には注意が必要となります。

2 医療徒手リンパドレナージ

滞留したリンパを、適切な方向に向けて流してむくみを緩和し、また硬くなった皮膚をほぐし、皮膚の状態を改善する効果があります。皮下にある毛細リンパ管を使い、ゆっくりと皮膚を動かすことによって、滞留したリンパをリンパ節に返していきます。

普通のマッサージのように力を入れて筋肉を動かしてしまうと、リンパは効果的に動かないどころか、リンパ管を傷つける可能性もあります。また、一般的な美容エステなどで行われる、オイルなどの滑剤を用いたマッサージとは、手順も手技も全く異なります。


3 圧迫療法

治療の中で、最も重要なものは、この圧迫療法です。正しくドレナージによってリンパが排出されたとしても、圧迫を加えなければ意味がありません。弾性包帯(バンテージ)や弾性着衣(スリーヴ/ストッキング)により圧迫していくことによって浮腫を解消していきます。

弾性包帯は滞留したリンパ液を排出する為に、弾性包帯・スポンジを用い、適切に圧迫を行います。弾性着衣は改善された皮膚の柔らかさを、良好な状態に維持するために用います。

4 運動療法

無理をしなければ、リンパ浮腫だからといって、運動ができないなどということは決してありません。むしろ圧迫を加えた状態での運動は、浮腫の解消にはとても効果的です。

圧迫状態で運動する事により、筋肉がポンプとして働き、リンパ液の排出を促す事ができます。



治療施設の情報サイト

日本医療リンパドレナージ協会

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尋常性白斑には新紫外線療法「ナローバンドUVB」

尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)は皮膚の色素を作る細胞「メラノサイト」が少なくなり、色素が抜けてしまい、白いシミのようになってしまう病気です。かゆみや痛みはありませんが、美容上の問題で悩む方は多いです。

尋常性白斑には、全身に左右対称にできる「汎発型」、片側の神経に沿ってできる「分節型」、一部にできる「限局型」があります。このうち「汎発型」は、免疫細胞のリンパ球があやまって、メラノサイトを攻撃することが原因とされています。このため患部に紫外線を照射し、免疫細胞を死滅させたり、働きを抑制したりす治療が行われます。

従来の治療は、感受性を高める薬と波長の長い紫外線(UVA)照射を併用する、PUVA(プーバ)療法が主な治療法でした。しかし副作用として、照射後24時間は、日光を浴びるとやけどをする恐れがあったり、顔の治療が困難だったりしました。

新しく開発されたナローバンドUVBは、治療に有効なごく限られた範囲の波長のみを照射しますので、エネルギーがPUVA(プーバ)療法より強力で、薬が不要になり顔の治療も可能になりました。

ナローバンドUVBは、尋常性白斑だけでなく、皮膚の表面に白いかさぶたのような鱗屑(りんせつ)ができ、痛みやかゆみを伴なう尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)や、アトピー性皮膚炎の治療にも使われています。

ただし紫外線を使いますので、皮膚がんの心配がありますので、初回に少量を照射し、皮膚の赤みをみて、慎重に治療を進めなければなりません。尋常性乾癬はナローバンドUVBでは完治しませんので、再治療が必要になります。このため尋常性乾癬の治療では、発がんの危険が高まりますので、薬物療法と組み合わせる工夫が必要になります。

関係医療機関 東京大学病院


ケロイドの治療法

外傷、やけど、手術などで皮膚が傷ついた跡は、傷を修復する過程で赤く盛り上がり、かゆみが出ることがあります。通常の傷は少しずつ目立たなくなりますが、赤みなどが残る傷跡は、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)と呼ばれます。この場合、悪化することはなく、治療の必要はありません。

これに対し、傷跡が数ヶ月以上経過しても、周囲の正常な組織に少しずつ広がり続けるのがケロイドです。強いかゆみや痛みがあるばかりでなく、赤黒くなるなど、見た目の問題も大きいです。

とくに肩や胸、下腹部など呼吸や日常動作で、皮膚を引っ張る力がかかる部位にケロイドは、できやすいです。にきびやピヤスで開けた耳たぶの穴から、こぶ状に大きくなることもあります。遺伝やアレルギーなど複合的な原因がると言われ、自然に治りません。

これまで確実な治療法がなかったですが、最近は傷跡の手術と、電子線(放射線の一種)を当てる治療を組み合わせる方法が、効果を上げています。

日本医大の治療の手順は、手術でケロイドの広がりを防ぐため、傷跡を手術で大きめに深く切り取ります。皮膚の深い部位から皮下、真皮、表皮の三層を、傷が盛り上がるような形に縫い合わせる三層縫合という方法をとります。いずれの傷の部分が伸びて、平らになることを見越して、皮膚に余裕を持たせる特殊な縫い方をします。

しかし手術でケロイドを取り除いただけでは、再発の恐れがありますので、翌日から手術した部位に放射線治療器で電子線を照射します。傷を修復する働きが過剰になり、ケロイドの原因となる線維芽細胞の増殖を抑えるためです。日本医大では、再発しやすい胸や肩は4日間、耳たぶは2日間と、部位によって当てる放射線の量を変えています。電子線は皮膚表面に強い作用がありますが、内臓や骨などには達しない性質を持つため、照射による発がんの心配はないそうです。

治療後の自己管理は、患部の保護や湿布のため、厚さ数ミリのシリコン製シートを3ヶ月から半年ほど張ります。さらにアレルギーを起こす物質の作用を抑えるために、抗アレルギー薬のトラニストを内服することが多いです。

これらの治療で日本医大では、再発率は胸や肩などで3割、その他では2割以下に抑ええられ、患者の7割が治っています。治療には保険が使え、通常1週間程度の入院が必要になります。

関係医療機関 日本医科大学付属病院


重度の火傷などに人工皮膚

皮膚は表面から表皮、真皮、皮下組織の三層構造になっています。皮膚表面が傷ついた場合、表皮に近い組織を尻や腹などの正常な部分から移植します。

しかし重い火傷や傷によって、皮下組織まで傷つくと、表面の移植では、厚みがなくなって傷ついた部分に不自然な段差ができたり、へこんでしまったりします。また皮膚をつまんだ時に、皮膚全体が伸びるような柔軟さも取り戻せません。

このような重度の皮膚の損傷には、「人工皮膚」を使用します、主成分はコラーゲンです。厚さ約3ミリのスポンジ状で、牛や豚の真皮や腱を材料に、拒絶反応が少ないように作られています。
重い火傷や事故などによる皮膚の損傷、皮膚がんなどの腫瘍の切除後、唇や上あごがくっつかないで生まれてくる口唇・口蓋烈(こうしん・こうがいれつ)などに使われます。保険は適用されます。

皮膚は5、6倍に伸びるため、全身の30%程度までの火傷なら、自分の皮膚に移植だけで治すことができます。しかし、それ以上の火傷では感染症を起こしやすく、治りも遅くなるため、人工皮膚が使用されます。

使い方は、傷口をきれいにして、不要な組織を切除した上で、人工皮膚を糸などで張り付け縫い合わせます。後はガーゼなどをあてて、軽く圧迫し固定します。手術から一週間程度で、皮下組織から新たな毛細血管や細胞の元になる線維芽細胞が人工皮膚のスポンジの中に入り込みます。二、三週間ほどで元の皮膚に近い状態になります。

人工皮膚の課題は、張り付けた部分から発汗や発毛がほとんどなく、感触も劣ることです。頭髪など目立つ部分は、残った髪を移植する場合もありますが、広範囲ではかつらが必要になります。黒ずむ場合もあり、見た目に分からないほどまでに、回復するのは難しいです。

関係医療機関 日本医科大学付属病院


糖尿病性潰瘍や壊疽などに「創傷ケアセンター」


糖尿病性潰瘍や壊疽
糖尿病が悪化しますと、動脈硬化が進んで足の血管が詰まり、皮膚や骨が膿む壊疽(えそ)を起こします。この場合は、足を切断するケースが多いです。

このような糖尿病性潰瘍や壊疽(えそ)の患者は増えており、70万人とも推定されています。このほか、動脈や静脈の血流障害による潰瘍、床ずれ(褥瘡:じょくそう)など、なかなか治らない傷を総称して「慢性創傷」と言います。

しかし、慢性創傷を治す体系的な技術や知識を持った医師は、日本にはほとんどいないのが実情です。担当の診療科も決まっていません。
内科は糖尿病の治療はできるが、足の傷は不得手です。一方、骨を治療する整形外科も、細菌感染を伴う場合は治療を避けがちになります。足の切断は、医師の治療経験が乏しい場合もあると言われてます


創傷治療の「創傷ケアセンター」
そこで、創傷治療が進んだ米国の医療マネジメント会社が、専門病院から検査・治療法などの情報を集め、日本の病院での治療に導入したのが「創傷ケアセンター」です。腐りかけた足などの「再生」を目指します。その最も重要な鍵となるのが「血流」です。

専用の検査機器で血流を調べ、ある程度血流があれば、腐った部分切除して組織の再生を促します。血流が足りないなら、バイパス血管を植えるなどの治療を行い、足の切断を回避します。

医療マネジメント会社は、このような治療手順書を病院に提供し、担当の医師や看護師には米国で研修を受けてもらいます。実際の診療では、傷の大きさ、状態などの診療記録を送ってもらい、問題点を指摘したうえ、米国の創傷専門医との電話検討会を通し、治療法について助言します。

練馬総合病院など比較的治療経験の長い全国5か所の創傷ケアセンターでは、14週間以内での治癒率は平均7割。別の病院で「足の切断が必要」と言われた患者のうち、4割は切断を回避できた。治療には保険が使えます。

関係医療機関 練馬総合病院


多汗症の治療


多汗症の症状
汗には2通りあります。暑い日や、運動で体温が高くなった時、体から熱を逃がすために全身から出る汗と、もう1つは、緊張したり、驚いたりした時に手のひらや足の裏、額、わきの下から出る汗です。

多汗症は後者の汗が異常に多い症状を指しますが、緊張していなくても汗が出ます。「手のひらや足の裏が常に湿っている」状態から、「間をおかず、しずくがポタポタ落ちる」まで程度の差はありますが、人口の約0.5%を占めています。

多汗症は、交感神経の働きに関係があります。背骨に沿って左右両側に走る副交感は、脳の中枢からの発汗の指令を汗腺に伝えます。原因は不明ですが、中枢の働きが過敏なため、汗が絶え間なく出るのです。

多汗症の薬による治療法
治療には、まず薬を使います。汗が多い場所に、制汗剤を塗るのが一般的です。だだ、効果には個人差があり、症状が重いと不十分なことが多いです。交換神経の働きを抑える飲み薬もありますが、全身の汗を止めるので、体温調節ができなくなる上、便秘や脈拍の増加といった副作用もあります。

多汗症の手術
薬物治療で十分な効果がない場合、手術を行います。まずわきの下に数ミリの穴を1か所あけ、胸腔鏡(きょうくうきょう)と呼ばれる小型カメラを入れます。拡大画像を見ながら、先端についた電気メスで、手のひらなどの発汗をつかさどる、交感神経を切ります。手術は、左右のわきの下から行います。保険がきき、通常は1~2泊ほどの入院が必要になります。

代償性発汗
効果は高いのですが、問題もあります。手のひらや足の裏の発汗を抑えると、代わりに背中やおなか、太ももなどの汗が増えるのです。これが「代償性発汗」と呼ばれる副作用で、原因は分かりませんが、ほとんどの場合に起こります。

NTT東日本関東病院では、1400人に手術を実施した結果、90%は手のひら発汗が「完全に止まる」「ほぼ止まる」状態になった反面、代償性発汗も96%に見られました。アンケートでは、86%が手術を受けて「満足」と答えた一方、「受けない方がよかった」(2%)「どちらとも言えない」(12%)と答えた人もいます。

多汗症の手術を受ける場合は、代償性発汗についてよく理解して、手術を受けるかどうか時間をかけて慎重に判断することが必要になります。「何となく不快」というだけでなく、「非常に困っている」「手のひらの汗さえ止まれば仕事ができる」といった強い動機が必要になります。

代償性発汗を配慮した、手術もあります。チタン製クリップで挟み、交換神経の働きを遮断する方法です。手術に手間がかかり、傷口も左右2か所ずつに増えますが、神経を切らずにすみます。代償性発汗が予想以上につらい場合は再度、手術でクリップを取り除けば、以前の状態に戻る可能性が高いのです。

関連医療機関
NTT東日本関東病院
昭和大藤が丘病院


メラノーマ(皮膚がん)のダーモスコープ検査


皮膚がんの一種、悪性黒色腫「メラノーマ」
ほくろが気になり、受診した皮膚科で「早めに取った方がいい」と言われたのに、別の皮膚科では「心配ありません」。そんな経験のある人は、意外に多いのではないでしょうか。

ほくろは皮膚に色素が集まったもので、通常は心配ありませんが、ごく一部に、がんの可能性があります。短期間で色や形が変わったり、大きさが5ミリ以上になったりした場合は、注意が必要です。

メラノーマは、腫瘍の厚さが1.5ミリ以下で、転移がない早期の場合、手術でほとんどが完治します。しかし、不用意に切除するなど外的な刺激で細胞がばらばらになりやすく、傷つけると転移が促されると考えられています。

このため、胃、大腸がんの検査のような、組織の一部を採って顕微鏡で調べる検査はあまり行われません。
従来、医師が肉眼や虫めがねで観察して、がん化した「悪性」か、「良性」かを見分けていました。

しかし、これだけでは正確な診断は難しいです。そこで登場したのが医療用拡大鏡「ダーモスコープ」です。

メラノーマのダーモスコープ検査
小ぶりな懐中電灯くらいの大きさで、先端の円形レンズ部を肌に密着させると、ほくろを10倍に拡大して見ることができます。レンズ部に組み込まれた電球で明るい視野を得て、中央に映る目盛りでほくろの直径を測ります。肌には超音波検査などで使われるゼリーを塗り、レンズ内の光の乱反射を抑えます。数10倍の拡大機能を備えた製品もあり、いずれも検査中の痛みはありません。

ダーモスコープの登場で、手のひらや足の裏のほくろの検査精度が格段に上がりました。足の裏などに数多く刻まれた「皮溝」(ひこう)と呼ばれる細い筋と、皮溝と皮溝の間で丘のように高くなった「皮丘」(ひきゅう)の観察が、診断に役立つことが分かったためです。

国立がんセンター中央病院、皮膚科医長の山本明史さんは「良性のほくろは、主に皮溝の部分だけに黒い色素が見られるが、メラノーマでは逆に、主に皮丘部に黒い色素が見られる」と話しています。

日本人のメラノーマの約三割は足の裏にできるため、この装置の意義は大きいのです。皮溝がはっきりしない肩や背中などでも、肉眼ではとらえきれないメラノーマ特有の色や形の変化が判別できます。

ところが、この検査はあまり普及していません。「装置の元祖」であるドイツ製品の販売会社によると、全国に約一万五千か所の皮膚科がありますが、販売台数は700台に過ぎません。検査に保険点数が加算されないことなどが原因です。

しかし、ダーモスコープはほくろの診察に欠かせません。受診する際は、事前にこの装憧の有無を確認するといいです。

日本皮膚科学会では、ホームページで皮膚科専門医の名簿を掲載しています。指導的な専門医がいる「教育研修施設」約570の病院名を知ることもでき、ダーモスコープ導入の有無を問い合わせる手がかりになります。

関連医療機関 国立がんセンター中央病院

関連サイト 日本皮膚科学会

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