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-がん放射線治療「トモセラピー」-

がん放射線治療「トモセラピー」

がんの放射線治療


手術に比べ、放射線治療は体にメスを入れないため、負担が少ないです。特に最近は、放射線を患部の狙った所に集中照射する装置が普及するなど、進歩はめざましいです。

肺がんのように、複数の部位にがんが広がる患者の方の治療で、注目されるのが「トモセラピー」です。「トモセラピー」は「トモ(Tomo=tomogram)」(断層写真)と「セラピー(therapy)」(治療)を合わせた造語です。コンピューター断層撮影と、病巣を狙い撃ちする放射線治療の機能を併せもちます。米国の医療機器メーカーが、2003年に開発しました。

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放射線治療「トモセラピー」


装置は、巨大なドーナツ形の照射装置と寝台で構成されています。外観は、コンピューター断層撮影法(CT)診断装置と同じですが、寝台に乗った患者が、その場で画像撮影と放射線治療を受けることができます。

一般的な放射線治療では、患者はCT撮影室で画像診断し、放射線治療室に移動して治療を受けますが、これでは照射の位置が病巣から外れる可能性があります。これを防いで正確な照射を行うため、撮影と治療の装置を合体させました。

ドーナツ形の装置には、可動式の長方形の照射口が1か所あります。これが1回転し、360度すべての方向から病巣部を狙います。照射口には、64枚に分かれたタングステン製の「ふた」があります。
このふたをコンピューターで開閉させ、照射範囲や線量などを調節します。「強度変調放射線治療」(IMRT)と呼ばれる手法ですが、複数の患部を同時に照射することができる点が、この装置の特長です。

「トモセラピー」によるがん治療


正常組織への影響を最小限にし、がんを効果的にたたくため、綿密な治療計画を立てます。まず、磁気共鳴画像(MRI)や陽電子放射断層撮影(PET)など複数の画像診断で、患部を正確に特定し、照射線量や照射時間などを計算します。

治療当日は改めてトモセラピーの画像を、撮影済みのMRI画像などと重ね合わせ、位置、照射量などを最終的に決めます。1回の治療は、準備時間も含め約15~20分。照射時間は3~5分と短いです。

照射装置に合わせて寝台も動き、患者の頭部から足まで照射します。複数の患部を一度に攻撃でき、治療回数が少なくて済みます。患部を様々な複数の方向から照射する、通常の「三次元照射」に比べても、いっそう正確に照射できます。

北斗病院では、2005年9月に導入しました。病巣が数か所あったり、脳や肺などに転移があったりする場合、従来の治療に比べ、病巣部が消失または縮小する患者が多いと言います。

照射場所によって頭痛や下痢、だ液が出にくくなるといった副作用は生じるものの、従来の放射線治療に比べて少ないそうです。保険は適用されます。

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