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-抗がん剤の副作用「吐き気・嘔吐」を抑える薬-

抗がん剤の副作用「吐き気・嘔吐」を抑える薬


抗がん剤の副作用


抗がん剤治療を受ける時、心配の一つに副作用の問題があります。中でも多くの人が悩ませられるのが、吐き気や嘔吐(おうと)です。食事の内容や取り方の工夫に加え、薬で吐き気を抑える方法もあります。効き目の長い、吐き気止めの薬も登場しました。

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食事の内容や取り方の工夫


吐き気や嘔吐は、多くの抗がん剤に伴う副作用です。食事の際には、食前に冷たい水でうがいをして口中をすっきりさせ、湯気で吐き気を催しやすい温かいこ飯ではなく、おにぎりにするなどの工夫が効果的なことがあります。

神奈川県立がんセンター看護師の佐久間ゆみさんは「吐き気が強い時は無理に食べず、脱水状態にならないようこまめに水分補給をしてください。ただしずっと食べないと消化管の活動が鈍り、栄養状態が低下します。体力や気力もなえるので、食べられるものを少量ずつ食べるようにしましょう」とアドバイスしています。


食事前後の注意
  1. 食前に冷たい水や番茶、レモン水でうがいをして、口中をスッキリさせる。
  2. 少量ずつ、よく噛んで食べる。
  3. 時には外食してみるなど、楽しい雰囲気を心がける。
  4. 食後はおなかを締め付ける服装は避け、安静に過ごす

吐き気がある時の食品の選び方

  1. 胃に負担をかけない食品を選びましょう。ご飯やパン、めん類などの炭水化物が胃に負担をかけません。食物繊維の多いゴボウやサツマイモなどの根野菜、揚げ物は避けましょう。
  2. カレーなど香りの強いスパイスやハーブを使った、臭いの強い料理は避けましょう。
  3. パンやおにぎり、クラッカーなどの冷たい物を食べましょう。湯気の立った炊き立てご飯やお粥などは避け、冷ましてから食べましょう。
  4. シリアルやチーズ、卵、おまちなど、食べやすく栄養のあるものを選びましょう。

「吐き気・嘔吐」を抑える薬


嘔吐や吐き気は治療当日に出るものだけでなく、2-7日目に遅れて出る場合(遅発性)もあります。しかし従来の吐き気止め薬は効果が短かったため、遅れて出る吐き気への対処が難しかったです。しかし効き目の長い新しいタイプの薬が昨年から相次いで登場し、吐き気をより抑えることができるようになりました。

まず2010年3月から、新薬の「アプレピタント(商品名イメンドカプセル2009年12月発売)」が登場しました。アプレピタントは、遅発性の吐き気を催す神経の信号を伝える物質「サブスタンスP」が、受容体と結びつくのを妨げ、脳の延髄にある嘔叶中枢に伝わるのを防ぎます。

また2010年4月には、新薬「パロノセトロン(同アロキシ)」も登場しました。神経の信号を伝える物質の「セロトニン」が、抗がん剤の刺激で小腸の細胞などから出て受容体と結ぴつくのを防ぎます。セロトニンの結合を妨げる同タイプの従来薬に比べ作用が長く、遅れて出る吐き気にも効果があります。


制吐薬の適正使用ガイドライン


日本癌治療学会は2010年5月に、初の制吐薬の適正使用ガイドラインを定めました。吐き気のリスクが90%以上の抗がん剤(シスプラチンなど)の場合、アプレピタントとセロトニンの働きを抑える薬、吐き気を抑える作用のあるステロイド剤の併用を勧めています。制吐薬には便秘や頭痛などの副作用を伴うことがあります。

山形大腫瘍(しゆよう)内科教授の吉岡孝志さんは「いったん吐き気を経験しますと、その記憶がよみがえって抗がん剤を投与する前から吐いてしまう心因性の症状が出る人もいます。それを防ぐためにも、吐き気や嘔吐を予防することが大切」と話します。

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