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-膀胱がん体内に膀胱再建-

膀胱がん体内に膀胱再建


膀胱がんによる全摘手術


膀胱がんは、がんが膀胱の内側の表面にとどまっていれば、尿道から管を通し、がんを削り取る方法で治療できます。膀胱を取らずに済み、再発しても治療を繰り返すことが可能です。

しかし、がんが粘膜より深く筋肉の層まで進んだ場合などでは、手術で膀胱をそっくり取る全摘手術が必要になります。この場合、手術後の排尿をどうスムーズにするかが、大きな問題になります。

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膀胱再建手術


膀胱全摘後の排尿には、人工の排尿口(ストーマ)をおなかに開けて体外の袋に尿をためる方法と、代用の膀胱を腹部の中に作る方法(膀胱再建)があります。それぞれはさらに、次の①②と、③④の手術
法に分かれます。

①腎臓から伸びた尿管の先を、腹部に穴を開けたストーマまで導き、外につけた袋に尿をためる。

②切除した小腸(回腸)の一部を管として用い、腎臓から伸びた尿管をっないで、腹部に開けたストーマのに尿をためる。

③腸管の一部を使い、尿をためる袋を作る。がんが広がり尿道を残せない場合に行う手術で、おへそに開けた穴に外から管を差し込んで排尿する。

④腸管の一部を用いて③と同様に尿をためる袋(新膀胱)を作る。新膀胱に尿道をっなぎ、腹圧で押すようにして排尿する。尿道までがんが及んでおらず、尿道を残せた場合に実施できる。

最も自然に近い形で排尿できるのが④の方法です。

静岡県立静岡がんセンター院長の鳶巣賢一(とびすけんいち)さん(泌尿器科)によりますと、最も多く行われているのは②で、全体の5-6割になります。次いで①の方法が2割程度です。手術時間が短くて済む反面、ストーマを作って体外の袋に尿をためなければなりません。

一方、④の新膀胱を作っている患者は10-15%ほどに過ぎず、手術が複雑な③はほんの数%ではないかといわれてます。

「全摘患者の半数程度では、新膀胱で自然に近い排尿を目指すことができるはず」と鳶巣さんはみています。実施例が少ないのは、「この手術に熟練した医師が少ないためではないか」と言います。

ただ、新膀胱では長期間使っていると、通常の膀胱(500ミリ・リツトル程度)の倍以上に大きくなってしまう問題があります。自分では排尿したつもりでも残尿を大量にため込み、腎機能障害を招く心配があります。体液のミネラルバランスが崩れ、骨が弱くなる場合もあります。定期的に診察を受け、残尿がないかを確認することが必要になります。

手術で膀胱を取ることになったとしても、できるだけ自然に近い排尿ができるのに越したことはありません。手術後の排尿方法も含めて、主治医以外の医師の意見(セカンドオピニオン)も聞いてみてください。

注意)セカンド・オピニオンとは、よりよい決断をするために、当事者以外の、専門的な知識を持った第三者に、求めた「意見」の事です。


膀胱がんの標準的な治療


膀胱がんは血尿をきっかけに見つかることが多く、60-70歳代を中心に、男性が女性の3倍です。患者の6-7割は、がんが膀胱の内側の粘膜にとどまり、尿道から細長い電気メスを膀胱内に挿入して、がんを削り取る「経尿道的切除」が行われます。

治療後に、BCGや抗がん剤を膀胱内に注入する方法も併用されるが、再発しやすく、経尿道的切除を何度も繰り返すこともあります。
抗がん剤は比較的よく効き、手術不能な場合には4種類の抗がん剤を併用するMVAC(エムバック)療法が行われます。

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関連医療機関

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