サプリメント事典

-ビタミンB1-

ビタミンB1


ビタミンB1の効果効能

ビタミンB1は糖分をエネルギーに変える、糖質代謝に必要不可欠なビタミンです。ビタミンB1が欠乏すると体のエネルギー「アデノシン三リン酸」(ATP)の生産ができなくなり、疲労がたまりやすくなたり、脳のエネルギーであるブドウ糖も不足しますので、精神が不安定になったりもします。またビタミンB1不足は脚気(かっけ)を招きます。この他、ビタミンB1はアルツハマーの改善や、白内障の予防に役立ちます。


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ビタミンB1の糖質代謝

日本人は食事から1日平均2000キロカロリーの栄養を摂取していますが、そのうち1200キロカロリーは糖質です。この糖分を分解してブドウ糖を作りますが、この時の糖質代謝にビタミンB1が必要となります。

またこのブドウ糖を細胞内のミトコンドリアで、生体エネルギー「アデノシン三リン酸」(ATP)に変換する時に、補酵素として重要な働きをするのもビタミンB1なのです。

このようにビタミンB1は糖質の分解からエネルギー生産などの一貫した流れの中で、重要な役割をします。もしビタミンB1が不足すると、脳のブドウ糖が供給されなかたり、体を動かすエネルギーが生産できなくなるので、仕事に集中できなくなり、イライラして、疲れやすくるのです。


ビタミンB1で脚気の予防

ビタミンB1不足による脚気には、脚気の起きる場所によって分類されます。「乾性脚気」「湿性脚気」脳脚気」の3種類です。

乾性脚気は抹消神経と筋肉に起こるケースで、歩行困難や筋肉痛などの症状がでます。

湿性脚気は心臓に起きるケースで、心悸亢進(心臓の鼓動の増加)、心臓肥大、呼吸困難などの症状があらわれます。

脳脚気は主にアルコール依存症患者に起こり、ウェルニッケ脳症(ウェルニッケ・コルサコフ脳症候群)を発症しやすくなります。

ウェルニッケ脳症を発症すると、眼球運動麻痺や歩行異常、記憶障害(コルサコフ精神病)などの症状がでます。

これらの脚気の症状はビタミンB1不足によるものです。ウェルニッケ脳症の患者にビタミンB1を静脈注射しますと、眼球運動麻痺は迅速に回復します。(ただ歩行異常、記憶障害に関しては、ビタミンB1では直に改善しません。)

ビタミンB1のアルツハイマー病の改善効果

ビタミンB1が不足すると集中力が無くなたり、記憶障害などを起こしますが、アルツハイマー病にも関係していることが確認されています。

アルツハイマー病は脳の記憶をつかさどる海馬での、記憶物質アセチルコリンの減少が原因とされています。ビタミンB1はこのアセチルコリンに似た働きをします。実際アメリカの大学で、アルツハイマー病患者にビタミンB1を1日3~8g服用させたところ、記憶の改善がみられたとの報告があります。

ビタミンB1の白内障予防

ビタミンB1は眼球内で、抗酸化効果を発揮して、活性酸素を分解して、水晶体の濁りを防ぐ作用があります。

オーストラリアやアメリカの大学で、ビタミンB1の白内障予防の治験や調査が行われて、ビタミンB1に予防効果があることが立証されています。

ビタミンB1は不足しやすいビタミン

ビタミン類の不足の大半は、ビタミンB1不足です。それほどビタミンB1は、不足しやすい栄養素なのです。

ビタミンB1の不足の原因は、摂取不足以外に、アルコールの過剰摂取やビタミンB1の大量消費、ビタミンB1の過剰排泄、抗チアミン因子の摂取などです。(注意:チアミンとはビタミンB1の別名です。)

アルコールを大量に飲酒する人は、あまり食事を摂らずビタミンB1不足しがちになるうえ、腸からのビタミンB1の吸収が妨げ、不足しやすくなります。また尿量も増えて、ビタミンB1の排泄を促進します。

ビタミンB1は糖類に代謝に必要ですので、糖類をたくさん食べますと、ビタミンB1が大量に消費されて不足しやすくなります。スポーツ選手や妊娠や授乳中の女性、成長期の若者も、ビタミンB1を大量に消費します。

利尿剤を服用しますと、腎臓でのビタミンB1の再吸収を妨げ、尿からの排泄を促進します。

お茶やコーヒー、ベテルナッツ(ヤシ科の実で別名ビンロウ)には抗チアミン因子が含まれていますので、過剰摂取しますと、ビタミンB1は破壊されます。

ハマグリやアサリなどの貝類、ワラビやゼンマイに含まれるチアミナーゼによっても、ビタミンB1は失われます。しかし加熱処理によってチアミナーゼは不活性になりますので、これらは生で摂らないで、火をとうして食べてください。


改善が期待できる症状


健忘症 むくみ 疲労 ストレス 脚気

ウェルニッケ脳症(ウェルニッケ・コルサコフ症侯群)

ビタミンB1が含まれる食品


ごま 玄米 小麦胚芽 豚肉


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ビタミンB1の飲み方


1日1.0mg~1.5mgを目安に食後に服用してください。

水溶性ビタミンなので必要以上に摂っても、排泄されますので副作用の心配はありません。ビタミンB1は不足しがちなビタミンです、特に糖尿病の方は糖質代謝が機能不全になり、ビタミンB1不足になりがちですので、積極的に摂ってください。

ビタミンB群は相互に作用しますので他のビタミンB群と一緒に摂ると効果的です。


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