女性の尿もれ(腹圧性尿失禁)
咳(せき)やくしゃみ、笑ったとき、走ったとき、重い物を持ち上げたときなど、 お腹に力が入った瞬間に、少し尿が漏れてしまうことはありませんか。 こうしたタイプの尿もれは、女性にとても多く見られ、決して珍しいことではありません。
「恥ずかしくて相談できない」「年齢のせいだから仕方ない」と我慢している人もいますが、 尿もれは対策や治療の選択肢があります。 このページでは、女性の尿もれの中でも代表的な腹圧性尿失禁について、 原因や対策をやさしい言葉でまとめます。
※ここで紹介する内容は一般的な健康情報です。 尿もれの原因は人によって異なります。つらい症状が続く場合は、自己判断で放置せず医療機関へ相談してください。
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女性の尿もれ(腹圧性尿失禁)とは?
女性の尿もれの中でも、咳・くしゃみ・笑う・走る・ジャンプする・重い荷物を持つなど、 お腹に力(腹圧:ふくあつ)がかかったときに起こる尿もれを 「腹圧性尿失禁(ふくあつせい にょうしっきん)」と呼びます。
特に、出産経験のある女性や、更年期(閉経前後)・高齢期の女性で起こりやすいとされています。 ただし、出産経験がない人でも、体質や生活習慣の影響で起こることがあります。
「トイレを我慢しすぎたから漏れた」という一時的な失敗というより、 ちょっとした動作で、日常的に少し漏れてしまう状態が続くイメージです。 下着が湿る、においが気になる、外出が不安になるなど、生活の質(QOL)に影響することもあります。
なお、女性の尿もれにはほかにも、 急に強い尿意が出て間に合わない「切迫性尿失禁(せっぱくせい にょうしっきん)」や、 複数の原因が重なる「混合型」などがあります。 自分で正確にタイプを判断するのはむずかしいため、困っている場合は受診で相談すると安心です。
また、血尿(血が混じる)、強い痛み、発熱、急に尿が出なくなった、 急に症状が悪化したなどがある場合は、早めに医療機関(泌尿器科・婦人科など)を受診してください。
女性の尿もれ(腹圧性尿失禁)の原因
腹圧性尿失禁の大きな原因は、尿道(おしっこの通り道)や膀胱(ぼうこう)を支える力が弱くなり、 お腹に力が入ったときに尿道をしっかり閉じておくことが難しくなることです。
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骨盤底筋(こつばんていきん)のゆるみ
骨盤底筋とは、骨盤の底でハンモックのように広がり、 膀胱・子宮・直腸などの臓器を下から支えている筋肉の集まりです。 ここが弱くなると、咳やくしゃみなどでお腹にグッと力がかかったときに、 尿道を締める力が足りず、尿もれが起こりやすくなります。
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出産の影響
経膣分娩(自然分娩)では、赤ちゃんが産道を通るときに骨盤底筋に負担がかかり、 一時的または長期的に筋力が低下することがあります。 出産回数が多い人や大きな赤ちゃんを出産した人では、 尿もれが起こりやすくなる傾向があるとされています。
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加齢・更年期(閉経前後)による変化
年齢とともに筋肉は少しずつ衰え、骨盤底筋も例外ではありません。 また更年期以降は、女性ホルモン(エストロゲン)が減ることで、 尿道や膀胱の粘膜・周囲の組織が薄くなり、尿を閉める力が弱くなりやすいと言われています。
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その他の要因
肥満や急激な体重増加があると、お腹の中の圧力(腹圧)が高まりやすく、 尿もれが起きやすくなることがあります。 また、ぜんそく・COPD・喫煙などによる慢性的な咳や、 強いいきみが必要な便秘も、日常的に骨盤底筋へ負担をかける要因になります。
女性の尿もれ(腹圧性尿失禁)の対策
尿もれは「恥ずかしいから我慢する」よりも、状況に合った対策を取ることで、 生活が楽になる可能性があります。まずは、無理のない範囲でできることから始めましょう。
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医療機関への相談
尿もれの回数や量、起こりやすい場面(咳のとき、走ったとき、トイレまで間に合わない等)を メモしておくと、受診時に説明しやすくなります。 泌尿器科や婦人科などで相談すると、腹圧性尿失禁なのか別のタイプなのかを判断してもらい、 自分に合った対策を選びやすくなります。
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骨盤底筋体操(ケーゲル体操など)
骨盤底筋を意識して鍛える体操があり、継続することで改善につながることがあります。 ただし、力の入れ方が違うと効果が出にくいこともあるため、 可能であれば医師や理学療法士(リハビリの専門家)の指導や、 医療機関のパンフレットなどを参考にして行うと安心です。
「お腹やお尻に力が入りすぎる」「息を止めてしまう」などがあると、うまくできていない場合があります。 不安なときは一度、専門家に確認してもらいましょう。
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生活上の工夫
肥満傾向がある場合は、医師と相談しながら少しずつ体重を減らすことが、 お腹の圧力を下げ、尿もれの負担軽減につながる可能性があります。 また、便秘がある場合は、食物繊維・水分・適度な運動で改善を目指すことで、 いきみを減らし、骨盤底への負担を軽くできることがあります。
さらに、長引く咳がある場合は、咳そのものの治療も大切です。 咳が続くと骨盤底に負担がかかりやすいため、必要に応じて内科や呼吸器の診療科で相談しましょう。
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治療の選択肢(概要のみ)
尿もれの程度によっては、骨盤底のリハビリテーション(トレーニング)、 薬による治療、手術など、いくつかの選択肢が検討されることがあります。 どの方法が合うかは、年齢・体調・生活スタイル・他の病気の有無などによって変わるため、 医師と相談しながら決めることが大切です。
女性の尿もれに関するサプリメント
市販のサプリメントには「骨盤底の筋力サポート」「更年期サポート」「女性のリズムサポート」などをうたうものがあります。 ただし、サプリは成分や商品によって内容が大きく異なり、感じ方にも個人差があります。 サプリメントだけで尿もれが完全に治ると断定できるものではありません。
一般的には、筋肉や骨の健康に関わる栄養素(例:ビタミンD、カルシウム、マグネシウム)や、 女性のリズムを意識した成分(例:大豆イソフラボンなど)が利用されることがあります。 ただし、体質や持病、治療内容によっては注意が必要なこともあります。
高血圧・糖尿病・心臓病などで通院中の人、ホルモン治療中の人、抗凝固薬(血を固まりにくくする薬)などを使用している人は、 サプリを追加する前に必ず主治医・薬剤師に相談してください。
妊娠中・授乳中の女性も、自己判断でサプリを始めず、産婦人科の医師に相談してからにしてください。
サプリメント以外での予防・改善
尿もれ対策は、「からだのケア」と「生活の工夫」を組み合わせることが大切です。 無理をせず、できることから少しずつ整えていきましょう。
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生活上の具体的な工夫
トイレをがまんしすぎないようにし、外出時は「少し早めにトイレに行く」習慣をつけると安心です。 冷えで尿意が強く出やすい人は、腹部や足元を温めるなど冷え対策をしてみましょう。 また、吸水パッドや専用の下着などを上手に利用すると、「漏れたらどうしよう」という不安を減らせることがあります。
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体重・便秘・咳への対処
体重が多い場合は、少しずつ減量することで腹圧が下がり、負担軽減につながる可能性があります。 便秘の改善は、強いいきみを減らし、骨盤底への負担を軽くする助けになります。 長引く咳がある場合は、咳の治療を優先することも大切です。
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心のケア・まとめメッセージ
尿もれは、多くの女性が経験する「からだからのサイン」です。 「歳だから仕方ない」「恥ずかしいから我慢する」と一人で抱え込まず、 医療機関で相談したり、生活を少し工夫したりすることで、楽になる可能性があります。
家族がいる場合は、本人を責めたり急かしたりせず、 トイレのタイミングを気にしないで済むよう配慮するなど、さりげないサポートが助けになることもあります。 無理のないペースで、できる対策を積み重ねていきましょう。
※このページは一般的な健康情報です。症状が強い場合や不安がある場合は、泌尿器科・婦人科などの医療機関に相談してください。
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