リンパ浮腫の顕微鏡下リンパ管細静脈吻合術(ふんごうじゅつ)
リンパ浮腫とは
リンパ浮腫は、がんの手術や放射線治療、生まれつきのリンパ管の異常などにより、
リンパ液の流れが悪くなり、腕や脚がむくんでしまう病気です。
初期は「少しむくみやすい」程度ですが、進行すると皮膚が厚く硬くなり、だるさ・重さが強くなります。
スポンサードリンク
顕微鏡下リンパ管細静脈吻合術とは
顕微鏡下リンパ管細静脈吻合術は、
リンパ液の出口を新しくつくることで、むくみを軽くしようとする手術です。
- 皮膚の下のごく細いリンパ管と、近くの細い静脈を見つける
- 手術用顕微鏡を使って、直径1mm以下の管同士を糸でつなぎ合わせる(吻合する)
- こうして、滞っていたリンパ液を静脈側に流してあげる「バイパス」をつくる
この手術のねらいと特徴
- むくみの原因であるリンパ液のうっ滞を軽くする
- 早期?中等度のリンパ浮腫では、むくみの軽減やだるさの改善が期待される
- 皮膚切開は比較的小さく、侵襲(体への負担)が比較的少ないとされる
ただし、リンパ浮腫が長期間続いて皮膚や脂肪が大きく変化している場合には、効果が限られることもあります。
手術の流れ(イメージ)
- 事前に、超音波や特殊な造影検査でリンパ管の位置や状態を確認する
- 局所麻酔または全身麻酔で、数か所小さな切開を入れる
- 手術用顕微鏡でリンパ管と細静脈を探し、1か所あたり数本の吻合を行う
- 傷を縫合し、術後は経過を見ながら、弾性ストッキングなどのケアを続ける
限界と注意点
- 手術ですべてが元どおりになるわけではなく、むくみが「軽くなる」ことを目指す治療です。
- 術後も弾性ストッキング・スリーブやリンパドレナージなどの保存的治療を続ける必要があることが多い
- 糖尿病・血管の病気・皮膚の状態などにより、適応が限られる場合がある
この記事の位置づけ
このページは、リンパ浮腫に対する顕微鏡下リンパ管細静脈吻合術の概要を説明したものです。
リンパ浮腫の治療は、保存的治療(圧迫・リンパドレナージ・運動・スキンケア)が基本であり、
それに加えて外科治療が検討されます。
手術をご希望の場合は、リンパ浮腫治療に経験のある施設で、適応や期待できる効果について
しっかり説明を受けてから決めることが大切です。
東大形成外科
関連ページ
リンパ浮腫の「複合的理学療法医療リンパドレナージ」
スポンサードリンク