肺がんの治療薬「イレッサ」(ゲフィチニブ)
イレッサとは
イレッサ(一般名ゲフィチニブ)は、EGFR(上皮成長因子受容体)というタンパク質に異常がある非小細胞肺がん(主に腺がん)を標的とした分子標的薬です。
EGFR遺伝子に「エクソン19欠失」や「L858R変異」などの変異がある患者さんでは、
従来の抗がん剤よりよく効くことが示され、第1世代EGFR-TKIとして登場しました。
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どんな患者さんに使われる薬か
イレッサは主に、
- 非小細胞肺がん(進行・再発)
- EGFR遺伝子変異が陽性
という条件を満たす患者さんに対して、内服薬として用いられます。
治療前に組織や血液でEGFR変異の有無を検査する「コンパニオン診断」が必須です。
現在の治療戦略の中での位置づけ
その後、第2世代(アファチニブなど)、第3世代(オシメルチニブなど)のEGFR-TKIが開発され、
- より長い無増悪生存期間
- 脳転移への効果
などの点で、オシメルチニブを初回治療の第一選択とする流れが世界的に主流になっています。
そのため現在は、多くのガイドラインで
- 初回治療:第3世代EGFR-TKI(オシメルチニブなど)
- ゲフィチニブは、特定の状況での選択肢のひとつ
と位置づけられており、「標準的な初回治療の主役」からは一歩下がった立場になりつつあります。
ゲフィチニブが検討される場面の例
- 薬価や供給の事情などで、第3世代薬が使いにくい場合
- 副作用の種類や患者さんの状態を踏まえて、第1世代薬の方が適すると判断される場合
- 臨床試験で「ゲフィチニブ→オシメルチニブの順番」の戦略を検証している場合 など
ただし、こうした選択は個々の患者さんの状況や施設の方針に大きく依存するため、 主治医との相談が不可欠です。
主な副作用と注意点
- 皮疹(ニキビのようなブツブツ)、かゆみ
- 下痢、食欲不振
- 肝機能障害
- 間質性肺炎(比較的まれだが、日本人では注意が必要な重い副作用)
息切れ・咳・発熱などが急に悪化した場合は、速やかに受診し、薬を中止して評価を受ける必要があります。
この記事の位置づけ
このページは、肺がん治療薬イレッサ(ゲフィチニブ)の誕生時の役割と、現在の治療戦略の中での位置づけを分かりやすく整理したものです。
実際の治療では、
- EGFR以外の遺伝子変異の有無
- がんの広がり方(脳転移の有無など)
- 年齢・体力・既往歴
を総合的に考えて、
オシメルチニブを含めた他のEGFR-TKI・抗がん剤・免疫チェックポイント阻害薬との組み合わせや順番が検討されます。
最新の治療方針については、必ず肺がん治療を専門とする医師と相談してください。
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関係医療機関
東大医科学研究所付属病院
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