多発骨転移がんの痛み 放射性の薬で効果持続
骨転移と痛み
がんが骨に転移すると、持続する強い痛みが出ることがあります。
痛み止め(鎮痛薬)や放射線治療で和らぐ場合もありますが、
骨転移が全身に多発している場合には、局所の放射線だけでは対応しきれないことがあります。
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放射性医薬品による骨転移の疼痛緩和
骨に集まりやすい性質を持った放射性医薬品(ラジオアイソトープ:RI)を静脈から投与し、
全身の骨転移に対して体内から放射線を照射する治療があります。
代表的な薬剤として、
- ストロンチウム-89(89Sr)
- サマリウム-153 EDTMP(153Sm-EDTMP)
- ラジウム-223(223Ra):特に前立腺がん骨転移で使用
などが知られており、骨転移による痛みを和らげ、鎮痛薬の減量に役立つことが多くの研究で報告されています。
しくみ
- 骨転移のある部位では、新しい骨が作られる「骨形成」が活発になっている
- ストロンチウムやラジウムなどはカルシウムに似た性質を持ち、骨形成の盛んな部位に集まりやすい
- そこから放出される放射線が、周囲数mm程度の範囲でがん細胞や痛みの原因となる組織を傷害する
全身投与でありながら、骨転移部位を中心に放射線が働くというのが特徴です。
期待できる効果
- 数週間かけて徐々に痛みが軽くなり、数か月程度効果が続くことがある
- 鎮痛薬(特にオピオイド)の量を減らせる場合がある
- ラジウム-223は、前立腺がん骨転移において生存期間延長効果も報告されている
ただし、効果の出方・持続期間には個人差があります。
主な副作用と注意点
- 骨髄抑制:白血球・血小板の減少により、感染や出血のリスクが高まる
- 一時的な痛みの増悪(flare現象)が起こることがある
- 腎機能が悪い場合には使用できない・慎重投与となることがある
投与前には、血液検査や腎機能検査などで安全に行えるかどうかを確認する必要があります。
この記事の位置づけ
このページは、多発骨転移による強いがんの痛みに対して行われる、
放射性医薬品による骨転移疼痛緩和療法の概要を紹介するものです。
治療の選択肢には、
- 鎮痛薬(オピオイドを含む薬物療法)
- 放射線治療
- 骨修飾薬(ビスホスホネート製剤・デノスマブなど)
- 放射性医薬品による全身治療
などがあり、組み合わせて使われることもあります。
どの治療が自分に合うかは、がんの種類・骨転移の状態・骨髄機能などで変わりますので、
主治医や放射線科・核医学科の専門医とよく相談してください。
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