悪性リンパ腫の新薬
悪性リンパ腫治療の流れ
悪性リンパ腫は、リンパ球ががん化した病気で、ホジキンリンパ腫・非ホジキンリンパ腫など、多くのタイプがあります。
これまで長く、化学療法+リツキシマブ(抗CD20抗体)が標準治療の中心でしたが、近年は新しいタイプの薬が次々に登場しています。
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1)抗体薬+抗体薬の進化
抗CD20抗体の改良型
- リツキシマブに続き、オビヌツズマブなど改良型の抗CD20抗体が登場し、一部のリンパ腫で標準治療の一つになっています。
抗体薬物複合体(ADC)
- 抗体に抗がん剤を「おんぶ」させた薬で、がん細胞だけに高濃度の薬を届けることをねらいます。
- びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)などで、再発・難治例に対する治療選択肢になっています。
2)CAR-T細胞療法
CAR-T療法は、患者さん自身のT細胞を取り出して遺伝子改変し、がん細胞を攻撃する能力を高めて戻す治療です。
- 主に再発・難治性のB細胞リンパ腫(DLBCLなど)で使われる
- これまで治療が難しかった症例で長期寛解が続くケースも報告されている
一方で、
- サイトカイン放出症候群(CRS)や神経障害など、特有の重い副作用
- 高額な医療費と、実施できる施設の制限
といった課題もあり、専門施設で慎重に行う必要がある治療です。
3)二重特異性抗体(バイスペシフィック抗体)
二重特異性抗体は、1つの抗体で「がん細胞」と「T細胞」の両方に結合し、
T細胞をがん細胞に引き寄せて攻撃させるタイプの薬です。
- 例:CD20とCD3を同時に標的とする薬(Lunsumio〈モズネツズマブ〉、エプコリタマブなど)
- 再発・難治性のB細胞リンパ腫で、有望な効果が報告されている
- 点滴または皮下注射で投与でき、CAR-Tほどの大掛かりな細胞加工を必要としないという利点
4)その他の新しい薬
- BTK阻害薬(イブルチニブなど):濾胞性リンパ腫やマントル細胞リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症などで使用
- 免疫チェックポイント阻害薬:ホジキンリンパ腫など一部のタイプで有効性が示されている
- 新規の経口標的薬:BCL2阻害薬など、特定の分子を狙った薬も登場
この記事の位置づけ
このページは、「悪性リンパ腫の新薬」を大きなグループごとに紹介したものです。
どの薬が使えるか・使うべきかは、
- リンパ腫のタイプ(DLBCL、濾胞性、マントル細胞など)
- 治療歴(初発か再発・難治か)
- 年齢・全身状態
によって大きく異なります。 実際の治療選択は、血液内科・腫瘍内科と相談し、標準治療と新しい治療のバランスを考えて決めることが大切です。
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