超音波内視鏡(EUS)による膵臓がん検査と治療
超音波内視鏡(EUS)とは
超音波内視鏡(Endoscopic Ultrasound:EUS)は、先端に超音波装置がついた内視鏡です。
胃や十二指腸まで内視鏡を進めて、そこから超音波で膵臓や胆管の様子を詳しく観察します。
膵臓は体の奥深くにあり、通常の腹部エコーでは見えにくいことがありますが、
EUSは膵臓に非常に近い位置から観察できるため、小さな膵がんや膵の異常を見つけるのに有用です。
スポンサードリンク
膵臓がん診断における役割
- 小さな腫瘍の検出:数mm?1cm程度の小さな膵がんでも、CTで見つかりにくい病変をEUSでとらえられることがあります。
- 局所進行度(ステージ)の評価:腫瘍の大きさ、血管への浸潤、リンパ節の腫れなどを詳しく評価でき、手術が可能かどうかの判断に役立ちます。
- 嚢胞性病変(IPMNなど)の評価:膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)など、がんに発展する可能性のある病変のフォローにも使われます。
EUSガイド下穿刺吸引(EUS-FNA)
EUSの大きな特徴は、腫瘍を見ながら細い針を刺して細胞や組織を採取できることです(EUS-FNA / FNB)。
- 超音波で腫瘍を確認しながら、内視鏡の中から細い針を出して直接腫瘍を刺す
- 採取した細胞・組織を顕微鏡で調べ、良性か悪性か・膵がんの確定診断を行う
- 合併症(膵炎・出血など)の頻度は低く、多くの施設で安全に行われています
EUS-FNAにより、膵臓がんの診断精度は感度80?85%、特異度ほぼ100%と非常に高いことが報告されています。
EUSを利用した治療
近年は、EUSを使った低侵襲の治療も広がっています。
- EUSガイド下神経叢ブロック:膵がんによるがん性疼痛(背中の痛みなど)を和らげる目的で、腹腔神経叢に麻酔薬やアルコールを注入する治療
- 膵嚢胞・仮性嚢胞のドレナージ:膵炎後の液体貯留などに対し、胃や十二指腸側からEUSで観察しながら内側にチューブを留置して排液する
- 研究段階として、局所抗がん剤投与やラジオ波・高周波を用いた腫瘍アブレーションなども検討されています
この記事の位置づけ
このページは、膵臓がんの「検査と一部治療」における超音波内視鏡(EUS)の役割を整理したものです。
膵臓がんが疑われる場合は、CT・MRI・血液検査などと組み合わせて、どの検査をどの順番で行うかを消化器内科・外科と相談することが大切です。
関係医療機関
スポンサードリンク