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-がん治療前の不妊対策「ガラス化法」と「放射線遮断」-

がん治療前の不妊対策「ガラス化法」と「放射線遮断」

がん治療と将来の妊娠について

抗がん剤や放射線治療の中には、卵巣・精巣の働きにダメージを与え、 将来の妊娠(妊よう性)に影響するものがあります。

最近では日本を含め世界的に、 「がん治療前に将来の妊娠の希望を確認し、必要なら妊よう性を守る対策を検討する」 ことがガイドラインで推奨されるようになってきました。


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ガラス化法(急速凍結)による妊よう性温存

ガラス化法とは、卵子や受精卵などを 非常に速いスピードで凍結し、氷の結晶ができないように保存する方法です。

主な対象と方法

  • 未婚・将来のパートナーが未定の女性:卵子凍結(ガラス化法)
  • パートナーがいる場合:受精卵(胚)のガラス化凍結
  • 治療開始までの時間が限られる場合:卵巣組織の一部を切り取り、ガラス化保存する方法が検討されることもある

凍結した卵子・胚・卵巣組織は、がん治療が終わり妊娠を希望したタイミングで解凍し、 体外受精や移植に用いられます。

ガラス化法のポイント

  • 従来の緩慢凍結法と比べて、生存率・妊娠率が高いとされ、現在は標準的な凍結技術
  • がん治療の開始までに数週間の余裕があると、卵子採取のスケジュールを立てやすい
  • ホルモン感受性のがん(乳がん・婦人科がん)の場合は、ホルモン値を上げ過ぎない刺激法を選ぶこともある

放射線遮断(遮蔽)と卵巣移動

骨盤や腹部への放射線治療では、卵巣や精巣が照射範囲に入ると、 卵子数の減少・早発卵巣不全・精子数低下のリスクが高まります。

放射線遮断(シールド)

  • 照射範囲の近くにある卵巣・精巣を守るために、鉛板などで性腺を物理的に遮蔽する方法
  • 特に小児・若年者では、標準的な対策として用いられます

卵巣移動術(卵巣転位術)

  • 骨盤内に放射線を当てる場合、卵巣を手術でお腹の上の方へ移動させ、照射野から外す方法
  • 卵巣への放射線量を減らし、卵巣機能をできるだけ温存することが目的
  • がんの部位・進行度によっては行えないこともある

誰と・いつ相談すればよいか

  • 理想は「がん治療を始める前」に、主治医と生殖医療専門医の両方に相談する
  • 治療開始を急ぐ場合でも、1回でも早く相談すると選択肢が広がることが多い
  • 未成年・若年者では、保護者と一緒に説明を受ける体制が整えられている施設も増えている

日本でも、日本がん・生殖医療学会などが妊よう性温存のガイドラインを整備しており、
主治医から生殖医療の専門医へ紹介する体制づくりが進められています。

この記事の位置づけ

このページは、がん治療前の不妊対策として、 「ガラス化法(凍結保存)」と「放射線遮断・卵巣移動」の基本を整理したものです。
実際の適応や方法は、

  • がんの種類・進行度
  • 年齢・性別・結婚や出産の希望
  • 治療開始までの時間的余裕

などによって大きく異なりますので、必ず主治医と生殖医療専門医に相談したうえで判断してください。

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