骨肉腫の「抗がん剤とカフェインの併用治療」
骨肉腫とは
骨肉腫は、主に10?20代の若い世代に多い悪性骨腫瘍で、太ももやすね、腕の骨などに発生します。
現在の標準治療は、抗がん剤治療と手術(患肢温存手術や切断術)を組み合わせた集学的治療です。
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カフェイン併用化学療法の考え方
カフェイン併用化学療法は、主に日本の一部施設で発展してきた治療法で、
抗がん剤の効果をカフェインで高めることをねらった方法です。
カフェインには、がん細胞の「ダメージ修復」を邪魔する作用があり、
抗がん剤によるDNA損傷がより強く効くようにする可能性があると報告されています。
治療の流れの一例
施設や時期によってプロトコールは異なりますが、例としては次のような流れです。
- 手術前にシスプラチン・ドキソルビシン・イホスファミドなどの抗がん剤を投与
- 同じ期間にカフェインを点滴や経口で併用し、抗がん剤の効果増強をねらう
- 腫瘍が十分に小さくなった段階で、手術で腫瘍を切除(可能であれば患肢温存)
- 手術後にも化学療法とカフェイン併用を行う場合がある
期待される効果と報告
いくつかの臨床研究では、
- カフェイン併用により、抗がん剤に対する腫瘍の反応率が高まった
- 手術で切除した標本をみると、がん細胞の壊死率が高く、長期生存率が良好だったとする報告
などが示されています。
注意点・限界
- カフェイン併用化学療法は、すべての骨肉腫治療の標準になっているわけではなく、行っている施設は限られています
- 高用量のカフェインを使うため、不整脈やけいれん、不眠などの副作用に注意が必要です
- 血中カフェイン濃度を測定しながら調整するなど、専門的な管理体制が求められます
- 海外ではあまり一般的ではなく、長期成績や比較試験についてはさらなる検証が必要とされています
現在の標準治療との関係
骨肉腫の基本となる治療は、多剤併用化学療法+手術です。
カフェイン併用は、それらの治療に上乗せされる「強化策の一つ」として位置づけられます。
どの治療を選ぶかは、
- 年齢や全身状態
- 腫瘍の位置・広がり
- 転移の有無
- 治療を行える施設の経験
を総合的に評価したうえで、整形外科(骨軟部腫瘍の専門医)や小児科・腫瘍内科と相談して決める必要があります。
この記事の位置づけ
このページは、骨肉腫に対する「抗がん剤とカフェインの併用治療」の考え方と概要を紹介したものです。
実際にこの治療を受けられるかどうかは、治療施設や臨床研究の状況にも左右されますので、主治医にご相談ください。
金沢大整形外科
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