食物繊維と糖尿病
食物繊維とは
食物繊維は、人の消化酵素では消化・吸収されにくい成分の総称で、 主に植物性食品(穀類・野菜・果物・豆類・海藻など)に含まれています。
大きく分けると、
- 水溶性食物繊維(ペクチン、グルコマンナン、β-グルカンなど)
- 不溶性食物繊維(セルロース、ヘミセルロース、リグニンなど)
があり、どちらも健康維持に重要な役割を果たしています。
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食物繊維の主なはたらき
- 胃腸の中で水分を含んでふくらみ、満腹感を得やすくする
- 糖の消化・吸収のスピードをゆるやかにする(主に水溶性)
- 血中コレステロールを下げる方向に働く(主に水溶性)
- 便のかさを増やし、腸の動きを促す(主に不溶性)
- 腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整える
食物繊維と糖尿病・血糖コントロール
多くの研究やメタ解析で、 食物繊維の摂取量が多いほど、2型糖尿病の発症リスクが低く、 すでに糖尿病のある人でも、血糖コントロールや体重管理が改善することが報告されています。
- 水溶性食物繊維は、胃腸内でゲル状になり、糖の吸収を遅らせることで、食後血糖の急上昇を防ぐ
- 全粒穀物や豆類などに豊富な食物繊維は、インスリン感受性の改善にも関係すると報告されている
- 食物繊維の多い食事は、体重のコントロールにも役立ち、結果として血糖管理にも良い影響を与える
薬やサプリと違い、食事全体の質を底上げする「土台」として、 糖尿病の予防・治療の両方で非常に重要な役割を持つ栄養素です。
どのくらいとるのが目安?
日本人の多くは、目標とされる量よりも少ない食物繊維しかとれていないとされています。
- 一般的な目安としては、1日20g以上を目標にするとよいとされています。
- 糖尿病の人や、血糖・体重が気になる人は、状況に応じて1日20~25g以上を意識するとよいと考えられます。
ただし、急に大量に増やすと、お腹の張りやガス、便通の変化が出やすくなるため、 少しずつ増やすのがおすすめです。
食物繊維を多く含む食品
- 穀類:玄米、雑穀米、オートミール、全粒粉パンなど
- 豆類:大豆、納豆、きなこ、レンズ豆、ひよこ豆など
- 野菜:ごぼう、にんじん、ブロッコリー、キャベツ、海藻類など
- 果物:りんご、みかん、キウイフルーツ、バナナなど(量と糖質に注意しながら)
- きのこ類:しいたけ、えのき、しめじ、エリンギなど
これらを組み合わせて毎日の食事に取り入れることで、 自然に食物繊維を増やしていくことができます。
食物繊維とサプリメント
最近は、難消化性デキストリンなどの水溶性食物繊維を含む飲料やサプリも多く販売されています。 これらは、
- 食事だけで食物繊維が十分とれない人
- 外食が多く、バランスが崩れがちな人
などの補助として役立つ場合があります。 ただし、
- 食事の内容そのものを見直すことが基本
- 過剰摂取でお腹がゆるくなることがある
といった点にも注意が必要です。
試してみる前に知っておきたいポイント
-
急に増やしすぎない
短期間で急に食物繊維を増やすと、お腹の張りやガス、便秘・下痢などが起こりやすくなります。 -
水分をしっかりとる
特に不溶性食物繊維を増やすときは、水分不足だと便が硬くなりやすいので注意が必要です。 -
腸の病気がある人は医師に相談
炎症性腸疾患など、腸の病気がある場合は、食物繊維の量や種類について主治医と相談する必要があります。
糖尿病の食事で食物繊維をいかすコツ
- 白ご飯を、玄米・雑穀米・麦ごはんなどに一部置き換える
- 主食+野菜料理+豆料理+きのこ・海藻を組み合わせる
- 間食には甘いお菓子ではなく、ナッツ類や野菜スティック、サラダなどを選ぶ
- 果物は「デザート」ではなく、食事の一部として少量をとる意識にする
この記事の位置づけについて
このページは、糖尿病や血糖コントロールが気になる方に向けて、 食物繊維の役割や、どのように食生活に取り入れていくかを整理したものです。
- 特定の商品・治療法をすすめるものではありません。
- 診断・治療や詳しい栄養指導は、主治医・管理栄養士など専門家に相談してください。
参考文献・参考サイト
- 2型糖尿病患者における食物繊維摂取量と血糖コントロール・体重管理の関係を示した臨床試験・メタ解析
- 日本人の食事摂取基準・糖尿病診療ガイドラインにおける食物繊維の位置づけ
- 全粒穀物・豆類・野菜・果物などの食物繊維と糖尿病リスクに関する疫学研究
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