サプリメント事典

-キャッツクロー-

キャッツクロー(Cat's Claw)

キャッツクローとは

キャッツクローは、南米のアマゾン川流域などに自生するつる性の植物で、 葉の付け根に猫の爪のようなトゲがあることからこの名前がついています。 学名は Uncaria tomentosa(ウンカリア・トメントーサ) などです。

現地では伝統的に、「体を整えるハーブ」として用いられてきた歴史があり、 現在はサプリメントやハーブ製品として世界中で利用されています。 関節の痛みやこわばり、免疫のサポートなどを目的に使われることがありますが、 医薬品ではなく、栄養補助食品・ハーブ製品という位置づけです。


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体の中での主なはたらき(と考えられていること)

キャッツクローに含まれる成分は、実験レベルでは次のような作用を持つ可能性が報告されています。

  • 一部の成分が炎症に関わる物質(サイトカイン)の働きを弱める可能性
  • 抗酸化作用(活性酸素を抑える働き)がある可能性
  • 免疫細胞の働きに影響を与える可能性

これらは主に試験管内や動物実験での結果であり、 人間に対して同じように作用するかについては、まだ十分には分かっていません。

キャッツクローと関節の痛み(変形性膝関節症・関節リウマチ)との関係

変形性膝関節症についての研究

キャッツクローを含むサプリメントが、膝の痛みやこわばりに対してどの程度役立つかについて、 いくつか臨床試験が行われています。

  • キャッツクローを数週間?数か月摂取したグループで、 膝の痛みや日常生活の動きやすさが改善したとする報告があります。
  • しかし、試験の規模が小さいものが多く、 研究の質にもバラつきがあるため、 「明らかに有効」と結論づけるには情報が不十分とされています。
  • ミネラルサプリメントなど、他の成分と組み合わせた製品もあり、 どの成分がどの程度効いているかを切り分けるのが難しいケースもあります。

このように、変形性膝関節症に対するキャッツクローの有効性については、 一定の可能性を示す研究もある一方で、決定的な結論は出ていないのが現状です。

関節リウマチとの関係

キャッツクローは、自己免疫疾患である関節リウマチに対して研究されたこともあります。 小規模な試験で、関節の腫れや痛みが軽くなったとする報告もありますが、 人を対象とした研究はごく限られており、 効果についてははっきりした結論は得られていません

また、キャッツクローは免疫系に作用する可能性があるため、 自己免疫疾患の方が自己判断で使用するのは危険な場合があります。 必ず主治医に相談する必要があります。

まとめると

  • キャッツクローは伝統的に用いられてきたハーブであり、関節の痛みなどに使われることがある。
  • 変形性膝関節症や関節リウマチに対する研究はあるが、規模が小さく、結論はまだ不十分。
  • 「飲めば誰でも関節の痛みが良くなるサプリ」というより、
    「人によっては症状が軽くなると感じる場合もあるが、科学的な根拠はまだ限定的」な段階。

試してみる前に知っておきたいポイント

キャッツクローを検討するときは、次のような点を意識しておくと、期待外れになりにくくなります。

  1. 医薬品ではなくハーブ系サプリメントである
    診断や治療に代わるものではなく、補助的に利用されるものです。
  2. 効果が出るとしても、ゆっくり・個人差が大きい
    数週間?数か月続けて様子を見る研究が多く、即効性を期待するものではありません。
  3. 自己免疫疾患がある人は特に注意
    免疫系を活性化する可能性が指摘されており、症状を悪化させるおそれがあります。
  4. 他の治療をやめて乗り換えるのは危険
    医師の治療を中止して、キャッツクローだけに頼るのはおすすめできません。

一般的な摂取量の目安

キャッツクローには、標準化された公的な摂取量の基準はありません。 市販のサプリメントでは、1日数百mg程度のエキスを目安とした製品が多く見られますが、 製品により含有量や推奨量は大きく異なります。

必ず商品ラベルの表示やメーカーの指示に従い、 自己判断で量を増やしすぎないようにしてください。 体調の変化が気になる場合は、量を減らすかいったん中止し、 症状が続くときは医師に相談することをおすすめします。

キャッツクローに報告されている主な副作用

適切な量であれば比較的安全と考えられていますが、 次のような副作用や不調が報告されています。

  • 頭痛、めまい
  • 吐き気、胃の不快感、下痢などの消化器症状
  • 皮膚のかゆみ・発疹などのアレルギー症状
  • 血圧の低下、血がかたまりにくくなる可能性

薬との相互作用の可能性も指摘されており、 特に免疫抑制薬・抗HIV薬・抗凝固薬などを服用している人は注意が必要です。 体調の変化には十分注意し、異常を感じた場合は使用を中止して医師に相談してください。

注意が必要な人・医師に相談した方が良い人

次のような方は、キャッツクローを使用する前に、 かかりつけ医や薬剤師に相談することをおすすめします。

  • 関節リウマチなど、自己免疫疾患のある人
  • 腎臓病・肝臓病などの慢性の持病がある人
  • 免疫抑制薬、抗HIV薬、抗凝固薬などを服用している人
  • 妊娠中・授乳中、または妊娠を希望している人
  • 子どもや若年者(長期使用の安全性データが不十分なため)

キャッツクローを飲むときのポイント

  1. まずは整形外科やリウマチ専門医で診断を受ける

    関節の痛みや腫れの原因はさまざまで、変形性膝関節症だけとは限りません。
    リウマチや痛風など別の病気が隠れていることもあるため、自己判断は危険です。

  2. 医師の治療やリハビリと並行して使う

    キャッツクローはあくまで補助的な選択肢と考え、 医師の治療・運動療法・生活習慣の改善と組み合わせて利用するのが基本です。

  3. 2?3か月ごとに「続けるかどうか」を見直す

    長期間なんとなく飲み続けるのではなく、
    「本当に自分にとって費用と効果が見合っているか?」を定期的に振り返ることが大切です。

  4. 複数のサプリを同時に増やさない

    キャッツクロー以外にも、グルコサミンやコンドロイチンなど複数のサプリを同時に増やしてしまうと、 体調に変化があったときに、どれが原因か分からなくなります。

膝の健康のために、まず優先したいこと

キャッツクローは関節のサポート成分の一つとして紹介されることがありますが、 膝の健康のために、科学的に有効性がはっきりしているのは、次のような基本的な対策です。

  • 体重管理(体重が1kg減ると、膝への負担はそれ以上に減るとされています)
  • 太ももの前側(大腿四頭筋)を鍛える筋力トレーニングやストレッチ
  • 膝に負担の少ない運動(ウォーキング、エアロバイク、水中ウォーキングなど)
  • ヒールの高すぎない靴や、クッション性のあるシューズを選ぶこと
  • 必要に応じた痛み止め・湿布・物理療法など、医師による治療

キャッツクローを飲むかどうかは、 こうした基本的な対策を行ったうえで、 「それでも何か補助的な選択肢を試してみたい」と考えたときに、 選択肢のひとつとして検討するくらいの位置づけにしておくと良いでしょう。

この記事の位置づけについて

このページは、関節の痛みや不調で悩んでいる方に向けて、 キャッツクローに関する研究や公的機関の情報をもとに、 できるだけ中立的な情報提供を目的として作成しています。

  • 特定の商品・治療法をすすめるものではありません。
  • 実際の診断・治療・服薬の判断は、必ず医師・薬剤師などの専門家と相談してください。

参考文献・参考サイト

  • 厚生労働省「統合医療」情報発信サイト eJIM:キャッツクローに関する解説
  • 国立健康・栄養研究所「『健康食品』の安全性・有効性情報」
  • NIH/NCCIH 「Cat's Claw」ファクトシート
  • 変形性関節症・関節リウマチ患者を対象とした、キャッツクローを含むサプリメントの臨床試験・レビュー論文

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