クロム
クロムとは
クロムは、ごく微量で体に存在するミネラルで、 糖や脂質の代謝に関わる可能性がある元素として注目されてきました。
食品では、肉類、魚介類、全粒穀物、ナッツ、ブロッコリーなどに含まれています。 サプリメントでは、ピコリン酸クロム、クロム酵母などの形で販売されており、 血糖値や体重が気になる人向けの商品に使われることがあります。
スポンサードリンク
体の中での主なはたらき(と考えられていること)
クロムは、インスリンの働きをサポートする可能性があると考えられてきました。
- インスリン受容体の働きを助け、インスリン感受性(インスリンの効きやすさ)を高める可能性
- 糖や脂質の代謝酵素に関わる可能性
ただし、近年の研究では、 「クロムが人間にとって必須の微量元素かどうか」や、 「サプリとして追加することのメリット」が再検討されており、 評価は分かれています。
クロムと糖尿病・血糖値との関係
2型糖尿病患者を対象にした臨床試験やメタ解析では、 クロムサプリメントによって、次のような変化が報告されています。
- 空腹時血糖のわずかな低下
- HbA1cのわずかな改善
- 総コレステロール値の軽度の低下
一方で、
- すべての試験で一貫した効果が出ているわけではない
- 効果が出たとしても「小さい改善」にとどまるとする解析もある
- もともと栄養状態の良い人では、クロムサプリのメリットがほとんど見られない可能性
総合的には、「明らかなクロム不足が疑われる人」や、 「食事からの摂取が明らかに少ない人」では意味があるかもしれませんが、 多くの人にとっては効果が小さい、あるいははっきりしないサプリと考えられます。
試してみる前に知っておきたいポイント
-
クロム不足はまれ
通常のバランスのとれた食事をしている人では、顕著なクロム不足はあまり起こらないとされています。 -
「飲めば血糖が大きく下がる」サプリではない
研究で報告されている改善は、あくまで「小さな変化」にとどまることが多く、 食事・運動療法や薬物療法に代わるものではありません。 -
高用量の長期摂取は安全性が十分に分かっていない
ごくまれに腎機能や肝機能への影響が懸念される報告もあり、 大量摂取は避けるべきとされています。
一般的な摂取量の目安
クロムの必要量は非常に少なく、通常の食生活で必要量はまかなえると考えられています。 サプリメントでは、1日あたり50~200μg程度を目安とする製品が多いですが、 糖尿病患者を対象とした試験では、これより多い量(数百~1,000μg/日)が使われた例もあります。
高用量がそのまま一般の人に適しているとは限らないため、 商品ラベルや医師・薬剤師の指示に従ってください。
主な副作用・注意点
- 胃の不快感、腹痛、頭痛など
- まれに肝機能・腎機能の悪化が疑われた報告
- 他のミネラルとのバランスに影響する可能性
サプリを始めてから体調の変化が気になる場合は、使用を中止し、医師に相談してください。
飲むときのポイント
-
まずは食事を見直す
全粒穀物、肉・魚、野菜などをバランスよく食べることで、多くの場合、クロムを含む各種ミネラルは自然にとれます。
-
サプリは「どうしても必要そうな場合」に限定する
食事で明らかに不足している、または医師に勧められた場合など、理由がはっきりしているときに検討するのが安全です。
-
糖尿病の治療方針は必ず主治医と相談
クロムサプリを足すかどうかよりも、食事・運動・薬物療法の見直しの方が、通常は効果が大きいと考えられます。
この記事の位置づけについて
このページは、糖尿病や血糖コントロールが気になる方に向けて、 クロムに関する研究や公的情報を整理し、中立的な立場からまとめたものです。
- 特定の商品・治療法をすすめるものではありません。
- 診断・治療・サプリの使用判断は、必ず主治医・薬剤師に相談してください。
参考文献・参考サイト
- 2型糖尿病患者を対象としたクロム補充の臨床試験・メタ解析
- クロムサプリの有効性・安全性を再評価した総説論文
- 日本および海外の公的機関による微量ミネラルの栄養指針
スポンサードリンク