サプリメント事典

-タウリン-

タウリンの効果効能


タウリンはタコやイカなど魚介類に多く含まれていて、その特徴として、分子中にイオウのある「含硫アミノ酸」です。体内でタウリンは、おもに含硫アミノ酸のシステインやメチオニンからつくられます。このときに重要なはたらきをするのがビタミンB1です。このため、ビタミンB1不足はタウリン不足に直結します。

タウリンには「てんかん抑制」や肝機能を高めたり、コレステロール値や血圧をさげる効果があります。タウリンは人体の全身に分布していますが、とりわけ脳、心臓、白血球、筋肉、網膜などに多いです。

タウリンはタンパク質の構成成分ではないため、長い間、重要性は認識されていませんでしたが、ようやく最近、多くの化物学的な機能があることがわかり、脚光を浴びるようになりました。

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タウリンの神経での効果


脳内でタウリンが特に多い場所は、味とにおいの中枢である嗅球(きゅうきゅう)、記憶の中枢で力ある海馬(かいば)、睡眠の中枢である松果体(しょうかたい)です。そのうえ、タウリンは伝達物質としてもはたらいています。

タウリンの化学構造やはたらきは、脳内伝達物質のギャバによく似ています。すなわち、脳の興奮を抑制するブレーキの役割をはたしています。このため、タウリンが不足すると、脳が興奮しすぎて、てんかん発作、不安、多動などが発生します。

てんかん患者の脳内では、タウリンが不足していることが多いです。そして、多くの動物実験でタウリンは、抗てんかん作用をあらわしています。

タウリンの肝臓や心臓への効果


含硫アミノ酸はイオウを含んでいるため、ほかのアミノ酸とは化学的にかなり異なります。イオウは水素原子と結合し、強カな抗酸化物質となって、活性酸素を分解します。抗酸化物質であるグルタチオンのレベルを高める効果もあります。

1977年、日本の池田博士は、1日3グラムのタウリンを7日間摂取することで、アルコール(依存症)の離脱(禁断)症状が抑制されることを、超一流誌「ランセット」に報告しました。また、グルタチオンと同じように、タウリンにはアルコールによって障害を受けた肝臓の肝細胞を再生させ、機能を回復させる効果がありました。

1980年代に大阪大学医学部の研究グループは、うっ血性心不全の患者をタウリンで治療し、その効果をランダム化、二重盲検試験で確認し、一連の論文を発表しました。

そのひとつは1983年に雑誌「最近の治療研究」に掲載された論文です。うっ血性心不全の患者に1日4グラムのタウリンを4週間摂取してもらったところ、24人中19人に大幅な改善が見られました。治験で見られた、ただひとつの副作用は、被験者の便が軟らかくなることでした。

1日約2グラムのタウリン摂取で、うっ血性心不全が改善されることが確認されています。タウリンが利尿剤としてはたらき、ナトリウムと水分が排泄され、血圧を下げることで心臓を守るのです。さらにタウリンには、ジギタリスと同じように心臓を刺激する効果があります。

通常、細胞膜は内側がマイナス、外側がプラスに帯電していますが、タウリンの役割は、膜の電気的な安定性を維持することにもあります。

心臓では、タウリンはもっとも豊富に存在するアミノ酸です、その総量は、ほかのすべてのアミノ酸の合計よりも多いです。心筋を収縮させるためには、イオンが膜を迅速に出入りする必要があります。イオンの円滑な出入りに、タウリンは欠かせないのです。


タウリンのコレステロール値を下げる効果


コレステロール値が高いと心臓病が発生しやすいですが、タウリンにはコレステロール値を下げる効果があります。タウリンが、胆汁中へのコレステロールの放出を促進するからです。

含硫アミノ酸を減らし、コレステローロを増やしたエサをネズミに摂取させると、血中コレステロール値が上昇します。しかし、システインやタウリンをエサに添加しますとコレステロール値が下がり正常になります。

タウリンは肝臓で脂肪代謝を促進するため、動脈を詰まらせる原因となるアテローム性プラーク(かゆのような脂肪の固まり)の形成を妨げる効果もあります。

タウリンの血圧を下げる効果


血圧が下がりすぎるのはこまります。そこで、腎臓からアンジオテンシンというホルモンが放出され、血圧を上げています。タウリンはアンジオテンシンのはたらきを妨げて、血圧を下げる効果があります。

実際に、高血圧患者では尿中のタウリン値が低いことが確認されています。全体的にタウリン不足になっていて、身体が全カを尽くして、タウリンを保持しようとしているかのように思えます。

高血圧患者のタウリン値が低いのは、体内でタウリンが消費されたためか、体内での生産不足か、それとも、食事からの摂取が不足しているためなのか、今のところ原因は不明です。

血中と尿中のタウリン値が下がると、アンジオテンシンがつくられ、血圧が上昇します。

島根医大の家森幸男博士は、高血圧になるよう遺伝子的に設討されたラットを使ってタウリンの効果を調べました。それによると、通常のエサを摂取したラットの90パーセントが脳卒中で倒れたが、メチオニン、タウリン、リジンを添加したエサを摂取したラットは20パーセントだけでした。

人間の脳卒中は高血圧が原困で発生することが多いので、高血圧の人は注意が必要です。血圧を下げるためにはタウリンやメチオニン、リジンをサプリメントで摂ったり、タウリンやタウリンの原料となるシステインやメチオニンを豊富に含んだ魚類を摂取してください。

改善が期待できる症状


心臓病 高血圧 脂質異常症 脳卒中 肝機能障害 てんかん

躁うつ病(双極性障害)

タウリンを含む食品


カキ(牡蠣) シジミ タコ イカ エビ イワシ サンマ アジ


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タウリンの飲み方


1日1000mg~2000mgを目安に、食後に服用してください。

タウリンは胃酸を過剰に分泌させますので、人によって潰瘍の発生リスクを高めることが知られています。これを防ぐには、食事や牛乳といっしょにタウリンを摂るといいです。また、アスピリンを使用している人は、タウリン摂取は避けてください。

タウリンは、レシチンやオリーブ油といっしょに摂取するのがいいです。レシチンやオリーブ油にはコレステロールを下げる働きがあることに加えて、胃酸が分泌されすぎるタウリンの副作用を抑える働きがあるためです。


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